プロローグ
弩下手で亀更新、それでもOKという人は、今後ともよろしくお願いします
では、どうぞ~
電話が鳴り響く
宇奈月信司はスタスタと机まで歩き、リクライニングシートに腰を下ろし、受話器を手に取った。
「こちら宇奈月心霊探偵事務所」
「もしもし、信司君か?」
電話口から流れた声は、信司にとって聞きなれたものだった。
「おや? 後藤さん、いったいどうなさったんですか?」
「うむ、またやっかいな事件がおきてねぇ。今回も調査の依頼をしたいんだけどさぁ、うちの署まで来てくれるかい?」
「署に行けば良いのですね? わかりました」
電話で答える信司の声は、どこか安心感を持っているようだった。
「久しぶりの仕事、頑張りましょうか……」
依頼人は、殆どが警官時代に面識のあった人物ばかりだ。
同署で勤務していた警官は、信司の観察眼を当てにして、民間協力者依頼を出す。
警察は本来身内以外に情報を流さないものだが、信司の同僚は例外のようで、今でも身内意識が残っているようだ。
信司が退職した理由は、現在『宇奈月のあの事件』と呼ばれているる出来事であった。
その全貌は、警視庁からの捜査依頼を信司が跳ねたという至極簡単なものであった。
国は「従わないものは切り捨てる」という独裁的な体制を信司の周囲に突きつけた。
その中でも、当時の上司であった後藤には辛いものだったのだろう。
今でも、信司のことを気かけ電話をいれることがある。
※※
ドアの開く音がして、袴姿の額にちょこんと一本角が生えた少女が出てきた。
「おっはよぉ、パパ~! 今日も真っ黒だね♪」
角の少女は元気よく挨拶をし、コーヒーを造るためにキッチンへ向かう。
「ん、おはよう、竜生」
「漢字読みするなぁ!」
「(それはメタ発言だぞ、たつき……)何を言ってるんだ? アクセントの違いで怒ってるのか?」
「『たつき』じゃない、『たつき』だって言ってるんだ! 上げるな平坦にしろ~!」
竜生の支離滅裂な発言に戸惑いつつ、仕事着である黒服(T,Yシャツ、ジーンズ)を信司は着用した。
「ん? パパ~、仕事入ったの?」
「あぁ、後藤さんからね」
「あのおじさんかぁ」
「そうだよ、あのおじさん」
※※
そのときの、後藤さんはというと・・・
「はぶしっ、うぁぁ、私も年かなぁ」
「大丈夫ですか、部長?」
「仕事は出来るよ」
※※
「たつき、準備はできたか?」
「うぃ、ばっちりっす!」
竜生は元気よく返事をし、信司はソレを確認するとコートを羽織った。
竜生は袴ではなく、白ブラウスと青いロングスカートを着用し、背には木刀入れをぶら下げるというシュールな格好をしている。
「たつき……寒くないのか?」
「寒くな~い♪」
「ならいいけどさ」
信司は、竜生の言葉に少しだけ肩を下げ、コートの重さでさらに肩を落とした。
何故なら、信司のコートには3丁の銃(ニューナンブロングモデルX2とパイファ・ツェリスカX1)が下げられているからだ(銃刀法違反だなんて言わないでくれ……)。
「パパ~? 早く行こ?」
「あぁ、そうだな!」
「手ぇ繋ご♪」
竜生の暖かい手に握り締められ、信司は「(放さないさ、あいつの子供なんだからな)」と思考した。
記念すべき第1話!
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信司の銃は二つがニューナンブ・リボルバー「ロングモデル」二丁同時に使用します。
もう一つは『世界最強の拳銃』「PfeiferZeliska(パイファ・ツェリスカ)」中距離、遠距離戦闘で使用します。専用砲身を装備することによりライフルとしても使用できます(単価は約三百万ユーロ、ライフル砲身は二百万ユーロの高級品です)