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後戻りなき紅――白薔薇の禁断の力ですの。

――白薔薇の最後の覚悟


 戦場は死の静寂に包まれていた。

 三国王は倒れ、荒れ果てた大地には漆黒の魔力が渦巻く。

 セシリア・フォン・アルバーンは、紅の光を杖に宿し、魔王ルシファルと対峙する。


 魔王は翼を広げ、漆黒の刃を振るう。

 「まだ……貴様一人か……愚かなる光よ」

 その一言と同時に、闇の渦が戦場を裂き、破壊の波動が押し寄せる。


 セシリアは杖を振り、紅の光で衝撃波を受け止める。

 光と闇が激しく衝突し、地響きが続く。戦いは五分五分。

 互いの力が拮抗し、まるで運命の秤が揺れているかのようでございました。


 だが、魔王の速度は常軌を逸していた。

 一瞬の隙を突かれ、セシリアは胸を深く貫かれる致命傷を負う。

 「お嬢様!」

 クラウスは咄嗟に庇おうとするが、魔王の攻撃は光速で貫き、間に合わなかった。


 膝をつく紅の女王。血と光が混ざり、戦場に渦を巻く。

 「クラウス……あなたには……生き延びて……」

 震える声を、杖を握る手が支える。


 クラウスは涙を浮かべ、必死に首を横に振る。

 「必ず……お傍に……!」


 セシリアは杖を大地に突き立て、魔力の渦を形成する。

 「……クラウス、今のうちに……王都へ!」

 彼女は全力の転移魔法を発動し、クラウスを安全な場所へ送り出す。


 光の渦に包まれ、クラウスは一瞬で王都へ飛ばされた。

 戦場に残るのは、致命傷を負ったセシリア、そして魔王ルシファル――

 絶対悪の眼光が紅の女王に注がれている。


 膝をついたまま、セシリアは深く息をつく。

 紅の光が杖から揺らぎ、全身に力が戻らないことを告げている。

 だが、その瞳には揺るがぬ決意が宿っていた。


 「……もう、後戻りはできませんわ……」

 手を胸にあて、静かに覚悟を決める。

 人類史上から消え失せたと言われる、禁断の魔法――「消白」――

 それを使う以外、魔王に勝つ道はない。

 この力は、自らの存在をも代償とする、究極の魔法でございます。


 セシリアの紅の瞳が、戦場の暗黒を貫く。

 その瞳には恐怖も迷いもない。

 光と希望を守るため、そして全てを終わらせるため――

 彼女は覚悟を固め、杖を高く掲げる。


 ――そして、次の瞬間、白薔薇はその禁断の魔法を行使する覚悟を胸に秘めるのでございます。


 その場で物語は切られ、戦場に残るのは、血と漆黒の闇、そして紅の決意だけでございました。

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