絶望を裂く紅――白薔薇の君の勝利ですわ。
――三国決戦
荒れ果てた大地に、三国の軍勢が一堂に会した。
エルフの空中戦部隊、フェンリル王の氷狼軍、キングオーガ王の巨漢兵団――それぞれが戦闘陣形を整え、戦場は壮絶な緊張に包まれる。
空は血のように赤く染まり、黒雲が渦巻く。
地上の大地は裂け、火と氷の瘴気が舞う。
魔王〈ルシファル・ノクターナ〉はその中心に立ち、漆黒の魔力を渦巻かせていた。
「小さき者どもよ……全てを消し去る我の力の前に、希望は存在せぬ!」
だが、白薔薇の君――セシリア・フォン・アルバーンは微笑む。
「希望が消えることはありませんわ。全ての光は、この紅に集まるのですから」
杖を高く掲げ、紅の光を天空へ放つ。光は大気を裂き、戦場全体を照らす。
――戦闘開始。
フェンリル王は氷の牙を大地に突き立て、無数の氷狼を召喚。
空中ではエルフの矢が渦巻き、魔王配下の魔獣を精密に狙い撃つ。
キングオーガ王は炎の拳で大地を叩き、衝撃波で魔王の結界を揺さぶる。
魔王は咆哮を上げ、闇の剣を振るう。
その一振りで地上の兵士たちは吹き飛ばされ、空中の戦士たちは竜巻の渦に巻き込まれる。
光と闇、氷と炎、雷と風――全てが戦場で衝突し、轟音と閃光が交錯するのでございます。
「クラウス、空を守って!」
セシリアの声が響き、エルフ部隊は空中で隊形を変え、攻撃と防御を巧みに繰り返す。
フェンリル王の氷狼たちは地上の敵を凍結させ、キングオーガ王はその隙を炎で焼き払う。
魔王は漆黒の魔力を振るい、空間そのものを歪める。
地上の戦士たちは大地の裂け目に飲まれ、空中の戦士たちは風の渦に翻弄される。
だが、セシリアは冷静に杖を操作し、光の渦で仲間たちを守る。
「希望は、絶望の中でも消えはしませんの!」
その瞬間、戦場に変化が訪れる。
三国の王たちが同時に力を集中させる。
フェンリル王の氷、キングオーガ王の炎、エルフの精密魔法――全てがセシリアの光に融合する。
紅の光は戦場全体に広がり、魔王の黒き魔力を押し返すように輝く。
魔王は咆哮する。
「……我が絶対の力が……!」
しかし、光の渦の中、戦士たちの意思は一つに結ばれ、魔王の力に抗する。
セシリアは杖を高く掲げ、全ての力を一点に集める。
「今ですわ、皆!」
フェンリル王の氷狼が魔王を縛り、キングオーガ王の炎が攻撃を重ね、エルフ部隊が精密射撃を加える。
紅の光は魔王の漆黒を切り裂き、戦場全体が一瞬、静寂に包まれる。
そして――魔王の力が、ゆっくりと収束していく。
黒い闇が砕け、残るは一つの光。
戦士たちの心と、白薔薇の君の紅が、絶対悪を打ち破った瞬間でございました。
大地は静まり返り、空は夜明けの光を取り戻す。
戦士たちは互いに顔を見合わせ、涙を流しながらも安堵の息をつく。
「これで……平和が……」
セシリアは微笑み、杖を地に突く。
「ええ、全ての光は、必ず希望を守りますの」
荒れ狂った戦場に、春のような温かい光が差し込み、白薔薇が一輪、静かに咲きました。
それは、血でも炎でもなく――ただ、美しい光でございました。




