朝の光の中で、わたくしは家族と誇りを見守りますわ。
朝の光が王都の屋敷に差し込む頃、セシリア・フォン・アルバーンは書斎で書物を広げておりました。
しかし、視線は文字の上を滑るよりも、兄たちと弟のやり取りに向いておりますわ。
長男はエドワード。家名と誇りを重んじ、冷静沈着な人物です。
次男はルーカス。少し気まぐれであるものの、戦略眼に優れ、家の方針に忠実でございます。
そして弟は、アレクサンドル。純粋で熱心、しかしまだ世間を知るには幼すぎる存在です。
朝食の間、弟アレクサンドルが兄たちに問いかけます。
「兄上、今日の議題は何ですか?」
「ふふ、世の中はそう簡単ではないのだ、アレクサンドル。」
長男のエドワードが穏やかに答えると、次男ルーカスは小さく笑みを浮かべて付け加えます。
「しかし、家のため、我々がどう動くべきかを考えることは、誇り高き上級貴族にとって当然の務めだ。」
弟は目を輝かせ、兄たちの言葉を真剣に受け止めます。
その姿に、昼のセシリアは微笑まずにはいられませんわ。
「家族の中で学ぶことは多いですのね……」
彼らの間に流れる緊張と尊敬、そして微かな優しさの混ざり合いを感じます。
書斎を離れた後、セシリアは庭に出て、静かに白薔薇を眺めました。
昼の顔である自分が、家族に見せる微笑みと、夜に孤児院や裏の世界で見せる顔の差異を思い浮かべます。
——兄たちは、まだ知らぬ。
弟も、白薔薇の君としてのわたくしの存在を知らぬまま、尊敬の念を胸に成長していく。
それでも、家族の絆は強く、昼のセシリアはその一端を守るため、微笑むことを忘れませんわ。
夕刻、兄たちが書斎で次の王都の行事について話し合う中、弟は静かにセシリアの傍に座りました。
「姉上、いつも家族を見守ってくれてありがとう……」
その言葉に、セシリアは優雅に微笑み、頭を軽く撫でます。
「えぇ、アレクサンドル。姉はいつも、あなたたちを大切に思っておりますのよ。」
その夜、静かに月光が屋敷を照らす中、白薔薇の影が庭に揺れます。
昼の家族と夜の自分――二つの顔を持つわたくしは、どちらも守り抜くことを誓いますわ。




