『マジック・ツリーハウスシリーズ31巻 インド大帝国の冒険』 メアリー・ポープ・オズボーン 著
これまでの4巻では様々な偉人たちの才能を開花させる手伝いをしてきたジャックとアニーの二人だったが、この本からは新シリーズ突入。魔法で石に変えられたペンギンのペニーをもとに戻すために冒険に出かけることになる。
ペニーを石にしてしまったテディとキャスリーンはマーリン先生やモーガン先生に知られる前に自分たちでなんとかしようとしてるけど、逆に危険なことを二人に押し付けたせいで怒られたりしそうな予感。
そんなわけでムガル帝国時代のインドに送り込まれたわけだが、どんな冒険をするのだろうかと読む前に思った。
ムガル帝国のことは世界史の授業の時に習ったけど、そこまで詳しく聞いた覚えがないから、どう話を展開させるのだろうかと興味深かったのだ。
表紙にキングコブラとゾウがいるから多分密林には入るんだろうなと思ったけど、いきなりシャー・ジャハーンと面会することになってそうきたかと。
よく見たら表紙の背景にひっそりとタージ・マハルが描かれてある。あれを作ったのがシャー・ジャハーンだとは知っていたが、表紙に描かれているのは読み終わってから気づいた。
魔法で小さくなって、もらった薔薇の形に作られたエメラルドをキングコブラから取り返そうとするシーンで、10cm台に小さくなってもエメラルドがバスケットボールサイズの大きさしかないことに驚いた。
元の大きさになったらかなり小さいだろうに。そのエメラルドに薔薇の彫刻を彫っているんだから相当な技術が必要なはず。当時のインドではそう言う技術もあったんだなあと。
物語の最後に、宝石を手に入れると言うミッションだけでなく、「孤独な心に語りかけよ」と言うミッションがあったことを作中の二人と同じようにすっかり失念してしまっていたことに気付かされた。
タージ・マハルを建てたことで帝国の財政が悪化したと言う話も聞くが、現在も立派に残っているから、シャー・ジャハーンの残した愛は時を超えても消えることはなかったんだなと、感慨深く思った。