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Kの読書記録  作者: K
7/11

『奇妙な論理2 なぜニセ科学に惹かれるのか』 マーティン・ガードナー 著


 この間「奇妙な論理1」を読んで、早速「奇妙な論理2」も読んだわけだが、疑似科学には様々な種類があるんだなあと。

 

 本書で取り上げられていたのは、オカルトで馴染みのあるUFO、アトランティスとムー大陸の話題から、ピラミッドの聖書考古学、怪しげな療法や治療器具、顕微鏡下における

無生物からの生命の創造、頭骨の形や筆跡から性格を診断する方法などなど。


 1ではほとんど語られなかった人がなぜ疑似科学に傾倒してしまうのかという問いは、今回も本文中ではまるで出てこなかったが、最後の池内了氏の解説文である程度の答えを提言していた。


 それによると、社会に閉塞感が漂うと何か信じるものが欲しくて人は疑似科学に飛びついてしまうのではないかと言う。

 

 ちょうどオウム真理教の事件があった頃に解説を書かれたらしく、疑似科学の負の側面に警鐘を鳴らしていた。


 疑似科学にも様々ある。UFOや顕微鏡下での生命の発生といったおそらく見間違いであろうものから、ギリシャの時代から脈々と受け継がれてきたもの、果ては金儲けのために作られた治療器具までその種類は二冊にまとまるくらいレパートリーがある。


 俺が思ったのは人って想像力がすごいなあと言うこと。疑似科学ってなんか読んでいると、イマジネーションが先にあって科学が後から証拠固めでついてくるって感じがしていて、最初のきっかけから論理の飛躍に至るまでの過程がすごい。


 UFOの章で書かれていた空飛ぶ円盤に乗っている宇宙人がいるとすれば、それは七色に輝くミツバチだろうという笑っちゃうような仮説なんかもはや想像力の塊だろう。


 さらにその想像力は疑似科学が攻撃された時の言い訳にも利用される。超能力が厳密なテストの場面では明確な結果にならないことがあれば、「それは超能力に疑いを抱く人間がテストに参加しているせいで、超能力に悪い影響を与えている」と。


放射線が出ていると触れ込みの治療器具にガイガー計を近づけても何の反応もないことに対し、「まだ見つかっていない未知の放射線が出ているのだ」と、追及をかわす。


 科学は現代の宗教だと誰かが言っているのを聞いたことがあるが、だとすれば疑似科学は異端ということになる。とはいえ、魔女狩りの時代みたいに科学に反対する異端を取り締まりまくって言論弾圧をすれば、それはそれでディストピアかもしれないし、結局のところ、誰かが疑似科学を常に監視していて悪い方向に向かうのを阻止するしかないというのが最も穏便な選択ではなかろうか。


 俺も怪しげな科学はすぐに信じたりせずに疑いの心を持って接したいと思う。

 

 


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