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Kの読書記録  作者: K
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『僕とアンモナイトの一億年冒険記』 相場大佑 著



 自分は古生物好きなので、Twitterのタイムラインには、その界隈の人をたくさんフォローしているために、よく古生物の情報が表示されることが多い。そういう情報に触れる機会の中でこの本のことを知ったのかもしれないが、あいにくよく覚えていない。


しかし、「ポケモン化石博物館」のことならよく覚えている。タイムライン上が何やら騒がしく、実際に行って楽しんできた人のツイートも見た覚えがある。この本はその「ポケモン化石博物館」の企画提案、監修をしたアンモナイト研究者が今までの研究人生を振り返って書かれた本だ。まだ若い人らしいのでそこまで語ることもないのではないかと思った。実際そこまでたくさんの内容の研究結果を出しているわけではないのだが、それでも少ないながらも粒揃いの研究でなかなかに面白かった。


 大学の数学科を途中で辞めてアンモナイトの研究に入った著者が最初に関わった論文が縫合線の形の研究で、意外なところで数学が役に立つ。

 

 そこからいろんな人の協力を得たり支えられたりなんかしながら、北海道で見つかるテトラゴニテスの群衆化石の生態研究をしたり、異常巻きアンモナイト 「エゾセラス・エレガンス」の記載なんかをしたりと、研究していく。


この本では研究内容が初心者の自分にも分かりやすく説明されていて、論文に載せられている研究内容を知ることができることに大きな喜びがあった。


 自分は古生物好きなので古生物の論文に挑戦してみることがあるのだが、たいてい英語の専門用語連発に負けて読むのを挫折する。グーグルの翻訳を利用しても論文を読むのは難しい。


 また、一人の研究者がどのような研究範囲を持っているのかも知れたのが良かった。ネット検索だと、論文のタイトルだけ見て、内容は公開されていない場合が多いし、検索結果画面が英語で埋め尽くされてその段階で調べるのを止めてしまうことが多いかったのだ。


研究の裏話まで披露してここまで分かりやすく書いてくれたことがありがたい。

 

 後書きのところで関係者への謝辞を述べているところがあった。研究者というのはこんなにたくさんの人の協力なんかがあって、研究を続けているのだなと、引きこもりの自分は感嘆してしまった。


 自分はトイレが近い上に個室でないとできないため、フィールドワークが難しく古生物学者の夢は早々に諦めたけど、この数の人と関係を築いてやっと研究をしてきているのだから、コミュ障でもある自分には研究者という道はトイレの件を除外しても多分難しかっただろうなと思う。


 それでも、こうやって古生物の研究をしている人がいて、その人たちが古生物の新しい情報を届けてくれている。そのことで自分の大して良くない現状でも時々ワクワクできる。


 ありがたい限りだ。


 

 


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