巫子とケルベロス
我が主・双木涼平は、死者の魂が流れつく冥界への入り口を守りし番人である。本来ならば女にしか務まらないお役目であるが、今は訳あって我が主が務めている。
そして私は、我が主にお仕えする三つ頭の番犬。人は私をケルベロスと呼ぶ。
今は我が主、そして我が主の父君からの命を受け、人に化け、我が主とともに男子高校生として生活しながら、本来の役目である番犬としても働いている。
冥界とは、死者の魂がゆっくりと浄化され、心安らかに過ごしながら生まれ変わりの時を待つ場所である。
脱走は御法度。私に与えられた使命は、我が主の許可なく冥界から脱走した者をとらえ、食い殺すこと。
……であるはずなのだが。
なにかとトロく、けれど頭脳は常に冴え、さらには超がつくほどのお人好しである我が主は、冥界からの脱走者がかかえる怒りや心の歪みを解消しようと奔走する。
私はそれに付き合いながら、我が主とともに脱走者の死の真相を追いかける。
この物語は、不本意な死と理不尽な人の心をめぐる、あの世とこの世の間を駆ける我が主による推理譚である。
※エブリスタにて同時連載中です。
※執筆中の作品であるため不定期更新となります。気長に応援していただけましたら幸いです。
そして私は、我が主にお仕えする三つ頭の番犬。人は私をケルベロスと呼ぶ。
今は我が主、そして我が主の父君からの命を受け、人に化け、我が主とともに男子高校生として生活しながら、本来の役目である番犬としても働いている。
冥界とは、死者の魂がゆっくりと浄化され、心安らかに過ごしながら生まれ変わりの時を待つ場所である。
脱走は御法度。私に与えられた使命は、我が主の許可なく冥界から脱走した者をとらえ、食い殺すこと。
……であるはずなのだが。
なにかとトロく、けれど頭脳は常に冴え、さらには超がつくほどのお人好しである我が主は、冥界からの脱走者がかかえる怒りや心の歪みを解消しようと奔走する。
私はそれに付き合いながら、我が主とともに脱走者の死の真相を追いかける。
この物語は、不本意な死と理不尽な人の心をめぐる、あの世とこの世の間を駆ける我が主による推理譚である。
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