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5話

 火山猪は本来ならありえない進化をとげる。


 その7〜8mはありそうな巨大な体躯は3m程度になり、牙は鋭く硬く熱くなった、四足歩行だった獣の頃とは違い二足歩行で人のような形をとるそれはさながら神時代の怪物であった。


 神時代、それはまだ神や天使が地上に降り数多の魔から当時あまりにも無力だった人類を護っていたとされる時代であり、その時代の怪物達は神時代が終わりを告げた頃から数を減らしていったが、長い時を経てもなお人類という種に深く恐怖の感情を抱かせるほどに強大な存在であった。


 理性を得た怪物は自身の内側から溢れ出る強大な力を感じ恐怖を忘れ万能感を得る。そうして本能で感じとったその名を自らの同胞たちを葬った人間たちに敬意をはらい名乗る。


「我が名はチョウ、猛炎猪王チョウである!我が同胞達の仇この場で取らせてもらおう!」


 そう大きく叫ぶとチョウは身を低くし自らの必殺である突進を行う。


 2人は目の前で起こったことに戦慄し、恐怖を抱いた。

()()()()()次の瞬間にはそれはもう歓喜と興奮に変わり目の前に有る自分たちの体験したことがない未知へと、肌で感じる強敵の元へと力強く確かな足取りで向かって行く。


 「おい、なんだよこれ、普通進化ってこんなに急激には起こらないはずだろ⁉︎どうなってんだよ!」

 「俺に分かるのはあいつが強くなり、ここで倒さなきゃいろいろヤバそうだってことくらいだな」

 「っ━━━━そうか……そうだな、町を守るためにもアレはここで倒す、お前は逃げても良いがどうする?」

 「あ?馬鹿にしてんのかテメエ、こんなに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」 

 「ははっ。ま、そうなるよな!」


 闘争本能を剥き出しにして笑うホムラにつられるようにビセキルムも笑い、2人は突進してくるチョウに対して剣と拳を向け技を放った。


 【焔帝拳[爆振]】

 【鈍の嘶き 裁きの森[鉄槌]】


 ぶつかる2人の技とチョウの突進、突進と見せかけ徒手空拳で襲いかかるも攻撃の瞬間に合わせカウンターを入れるホムラとビセキルムだがしかし互いに大きな傷は負わせられず双方とも警戒を強めながら一度距離を取りまたぶつかる。そうして何度も突進と技をぶつけ合う中でチョウは更に変貌して行く。

 

 チョウは現在の自分では目のいる人間を仕留めきれない事に苛立ちを覚えていた。今ここで全てを使い切っても構わないという風にますます苛烈に突進をする、その思いに呼応し更に体が禍々しく、悪魔に魂を売ったかのように更に変貌する。全身に自らも焼いてしまうほどの黒炎を纏い、背骨が変化し太く硬く鋭くかすっただけでも致命傷になりそうな牙のようなものが背中に無数に生え元は丸太ほどだった手足は倍以上に大きくなった。そうして2人に向かい咆哮を上げながら突撃して行く。


 「ぐぁあおあおおあおおおおおOOooOOOoooo!」


 「ホムラ、アレは()()()!」

 「あぁ、ビセキルム次で倒しきるぞ、俺は時間を稼ぐそのウチにやれ!」


 2人は(チョウ)の攻撃威力は大きいが単調であるため受け流して隙を狙って反撃する防御よりの行動をしていたがしぶとく決定打に欠けていた所に変貌したチョウを見て危機を感じ攻撃に転じることを決意した。

 

 【焔帝拳[赫龍咆打]】


 拳をチョウに向け放つ。特殊な体運びと呼吸法で大気中のマナと体内の気功を練り上げ破壊力を爆発的に高めた拳から放たれる拳気が炎の龍を形作り攻撃していく。そうして稼いだ時間の中でビセキルムが詠唱し必殺を作り上げていく。


 【古き星狼の終を観る 龍の路の彼方を行く者よ 精霊の国を統べる王 嵐の神が奏でる曲の音 夢窮の空に浮かぶ暁 どうか我が剣に砕く力を[星煌昇牙]】 

 「よけろホムラ!」 

 

 碧く光る極大の刃をチョウ目掛けて勢いよく振り下ろす。そうして理性を失い目の前の敵を屠るために動いた未完の猪王の生涯は幕を閉じた。神時代の怪物に近づいた猪を相手どり人知れず人々の平穏を守り抜いた2人は力を使い果たしその場に崩れるように倒れ込んだ。

本日午後とか言っておきながら2ヶ月以上空けて大変申し訳ありませんでした!

エタる気はこれっぽっちもないので読者の皆様応援よろしくお願いします。

続きはよ書けとか面白かったなど思っていただけましたら下の星のところから

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