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03 始まり


 天瞳歴(てんどうれき) 二百四十四年 八月三十日 四日月(よつひつき) 日曜日 午前五時四十二分


 ラビアント大森林最深部


 夏も終わりに差し掛かり、秋に近付こうという薄暗い早朝。

 深い雲海に包まれたラビアント大森林最深部に大きな唸り声が響き渡る。

 唸り声は一つではない。二つの大きな唸り声が、互いの縄張りを主張する様に、朝靄(あさもや)に包まれた森の中に響く。

 一つは、爬虫類の様な甲高く、ゴム同士を擦り合わせたような唸り声。

 もう一つは、分かりやすく、人であるならば一度は聞いたことのある音。

 獣の中でも、最も人の生活に馴染みのある動物の鳴き声に近い唸り声だ。

 イヌ科の動物の鳴き声に似た唸り声が、森中に響き渡ったのち後、無数の小さな唸り声が大きな唸り声に追従するように響き渡る。

 互いの唸り声は段々と大きくなり……突如、前触れも無く森が静まり返った。

 無音では無い、ミシミシと巨木が倒れる前触れの様でもあり、豪雨によって(あふ)返らんとする濁流を()き止める砂防堰堤(さぼうえんてい)が上げる悲鳴にも似た、迫り来る静かな音が(さざなみ)の様に、森の中に染み渡り――――弾けた。


 ――――最早、唸り声は必要ない。


 必要なのは……互いの存在を”許さない”という明確な敵意のみだ。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 ロート村 冒険者ギルド・ロート村出張所 午前九時十分


 「……」


 無言で冒険者ギルド・ロート村出張所の壁と壁とを繋ぐ様に設置された、カウンターの内側の天板に組み込まれた白い大理石に似た作業台の上で、色と形の異なる葉を丁寧に並べ調べている女性エルザを、艶のある短い黒髪の所々が外向きに跳ねた髪を持つ少年ミズハが興味深く息を殺して見つめている。


 「……」


 「……」



 エルザは屈めていた腰を伸ばし、少しずれた眼鏡を伸ばした薬指で”クィっ”と元の位置へと押し戻した。


 「……査定が終わりました」


 「は~い!!」


 カウンターに手を着き、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、輝き期待に満ちた眼差しを向けるミズハに、キラリと眼鏡の奥を一瞬、鋭く光らせるエルザに気付き飛び跳ねるのをミズハは止める。

 落ち着きを少し取り戻し、聞く態勢の整ったミズハを見て、エルザは話を続ける。


 「……まず、数も、形も、質も、揃えられている上に、質は申し分ありません。ですので、これらの買取は、いつも通りの十枚一組大銅貨三枚になります。ですが……ですが、ミズハ君? これは……どこで採ったのですか? 危険な事はしないと約束したはずですよ?」


 そう言いながらエルザは、ミズハの目の前のカウンターの上に、黄色い花弁が稲穂状に密生し、その周囲をヤリ形の五色五枚鮮やかな色の葉が取り巻いた花を置くと、他の日常薬草の葉の根元を紐で括り、十枚一組にし始めた。


 「ミズハ君? この花が何か知っていますか?」


 知るわけがない。ミズハは、ただ、この花を()()()だけだ。

 森の中で日課の最中に一度、傷ついた魔物に襲われ、手に持っていた――――当時は一キロの鉄の重りを先に付けていた。――――三メートルの棒を振り下ろし、叩いたのだ。

 当然、一度では無く。

 取り敢えず、ミズハは「自在で秒間五回」そう考えながら、傷ついた魔物を打ち据えて倒し、その後はきちんと埋め、手を合わせたのだ。

 問題は、それから三日後に起こった。

 魔物を埋めた場所から、鮮やかな黄色、緑色、青色、赤色、茶色の五色の色を持つ笹の葉状の五枚の葉を持つゼンマイに似た芽が出て来たのだ。

 ミズハは当然、原因を調べた。

 その結果、この植物が魔力を栄養に成長する植物だと分かた。それ以来、ミズハはミズハの力量で倒せる範囲の魔物を倒し、花の下に埋め続けたのだ。

 それから、四年という月日が経った昨日、花が咲き、それを取り敢えず持ち込んだのだ。


 「……ちゃんと約束守って……い~ま~すっ!!」


 正直、ミズハは薬草を取っていないときは、槍に見立てた棒を振って修練に励んでいる。

 たまたま、近くに()()小型の魔物を――――どう見ても、ミズハを食べようと近付いてきた魔物だと考えられるが――――倒して埋め、この綺麗な花の栄養にしただけで、ミズハが能動的に魔物を倒したのでは無く、あくまで受動的に倒しただけだ。

 それ故に、約束を守った、とミズハは主張しているのだ。


 小さな口をすぼめ、突き出すように尖らせながら、疑われている事に、拗ねるミズハに念押しするように。


 「本当ですか?」


 「本当に?」


 ミズハに念押しする声が、いきなり二つに増え、小さな肩をびくっと震わし、恐る恐る後ろを振り向くと、そこには……


 「お姉ちゃん……」


 ミズハの姉クウが分かりやすく両手を腰に当て、仁王の様な表情で立って居た。


 「ひっ!!」


 「な・に・が、「ひっ!!」よ! ミズハぁ~」


 仲睦まじい姉弟の――――姉の怒声と弟の悲鳴がギルド・ロート村出張所の中に響き渡る。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 ロート村 ギルド・ロート村出張所 十一時二十三分


 ギルド・ロート村出張所専用の制服であるエプロンを付けて、お昼時の食事の用意を手伝っているミズハの姿が、そこにはあった。

 クウは未だ昨日の事を完全には許しておらず、エルザもクウと同じ意見の様で、今日は朝から出張所で、お手伝いだ。


 「ミズハ~ちゃんと働きなさ~い。お給金も出るんだから~」


 「薬草採りの方が儲かるのに……」


 「はいはい、文句は後で聞きますから、手を動かしてくださいミズハ君」


 適当な愚痴をこぼしながら、仕事をこなす面々に声が掛かる。


 「お久しぶりです」


 「こんにちは~」


 「たっだいまぁ~」


 「久しぶりかな~」


 口々に挨拶をしながらギルド・ロート村出張所の中に入って来たのは、何処と無く似た顔立ちの男女二人ずつの四人組だった。


 「お久しぶりです、蒼の放浪者の皆さん」


 「ひっさしぶりね。皆」


 エルザとクウは彼らを知っているようで、親し気に挨拶を交わしている。


 彼らの服装は男女二人ずつで異なり、先に挨拶をして入って来た二人の姿は、動物の皮、骨、鱗と言った生物由来の素材を加工した鎧を身に着けている。

 それに比べ、後から入って来た二人の姿は特徴的だ。

 体に密着したフルスーツと呼ばれる種類のウェットスーツに似た、ゴムに近い素材の服の上に、プラスチックの様な滑らかな見た目でありながら、光を殆ど反射していない不思議な質感の素材で作られた、長方形や正方形の平たい箱や板を幾つも装着し、近未来的とも機械的とも取れる見た目をした軽装の鎧を身に纏っている。


 「……だぁれ?」


 「あぁ、そういえばミズハ君は彼らと会うのは初めてでしたよね? 初めてのはず……?」


 「初めてですよエルザさん。この子はみんなが来た時には大抵、薬草採りに行ってましたから、それに昔一度、会った事もありましたけど、まだこの子が二歳か三歳の時でしたから」


 「へぇ~この子がクウちゃんの弟君かぁ~おっきくなったね~」


 そう言ってミズハの目線に合わせる様に、しゃがみ込みミズハの瞳を覗き込んできた女性は、首から足元まで覆う外套を身に纏い装備が分からないような恰好をしている。

 外套の表面には、目を凝らさなければ見えない程の薄さのガラスのような透明の膜の下に、六角形の意匠らしきものが薄っすらと外套全体に均一にデザインされ、唯一顔以外で外套から出ている手には、厚手の白い手術用のゴム手袋に似た手袋の上に、細かく板状に加工されたセラミックのような素材を張り付けた、指先まで覆う小手を装備している。


 彼女は、少し癖のある水色の髪を肩甲骨の辺りまで伸ばし、深い緑の瞳の目の下には、横並びの泣き黒子が二つ。

 人をからかう様にも、見定める様にも見える、雰囲気を持った女性で、年の頃は二十代前半だろう。


 「えぃ!!」


 ミズハは、じっと見定められる様に見詰められる事に煩わしさを感じ、思わず彼女の両頬を、姉クウにいつもされるように、両手で挟み込んだ。


 「……むぅ、生意気ね。お仕置きが必要かな……?」


 彼女は、指を芋虫の足の動き蠕動(ぜんどう)する様に、”ワキワキ”させながら不敵な笑みを浮かべる。


 「うわぁ!?」


 「こちょこちょこちょぉ~」


 ミズハの脇やお腹を、彼女はこそばし、ミズハは逃れようともがくも、彼女は器用にミズハの動きに合わせて手の位置を変え、ミズハを追従し続けた。


 「くッ! 話して、この変質者!!」


 「変質者?」


 「あなたのような人の事をいう……あっ、ちょっわわわゎ」


 「もう、やめなさい。リーリナ」


 そう言って彼女を止めたのは、彼女と似た顔立ちの女性で、年の頃は同じだろう。

 だが、彼女の髪に癖は無く、真っ直ぐ伸びた水色の髪に、左目の下にリーリナと同じように、横並びになった泣き黒子が二つあった。

 彼女は、生物由来の何かしらの動物の皮をなめした鎧に、腰の辺りから足元までを覆うスカートに似た外套を纏い、機械的な見た目の棒の先端に、蓮の蕾に似た物体の付いた二メートル程の杖を手にしている。


 「分かったわ。リーリエ。それよりもマーカス、ゼシキ、依頼の此処での調査は?」


 「依頼内容に問題は無かった。問題なのは森の広さだ。いくら何でも、この広さの調査となると……骨が折れる」


 そう答えたのは、マーカスと呼ばれた男性で、生物由来のかなり大きな動物の鱗を素材として使用した重装の鎧に、二枚の身の丈ほどもある大楯を背負い、エストックとメイスを腰に装備している。

 マーカスは、彼女たちと同じ水色のサッパリとした小綺麗な短髪に、目の下には横並びの泣き黒子が二つある真面目な印象を受ける人物だ。


 「まぁ、依頼料はかなりいい。その上に、前払いで依頼料の三分の一。準備資金としても大金貨四枚。条件としては最高だ。それに国の依頼だ。完全に信用は出来ないが、これ以上の警戒はむしろ淀みに等しいからな。それに……恩は売れる」


 そう言ったのは、頭頂部を剃っていない落ち武者の様に伸ばした黒髪を、綺麗に切り揃え、背中に流した男性だ。

 白いセラミックに似た素材の上に透明な緩衝材を吹き付けた板を取り付けた機械的な見た目の鎧に、生物由来の和弓ほどでは無いものの、大弓に分類される大きさの弓を持ち、矢一本ほどの幅しかない長方形の色違いの箱を四つ重ねた機械的な見た目をした、あまり見ない形状の矢筒を装備している。

 予備武器として、柄を長くし両手持ちにしたインドのタルワールに似た武器とエストックの二本を装備しているのはゼシキと呼ばれた男性だ。

 彼も髪の色こそ違えど、先程の三人と似た顔立ちに、同じように横並びの泣き黒子が目の下に二つあり、年齢も近いように見える。


 「エルザさん。頼んでいた用意は……」


 「ええ、もちろん用意できていますよ。この子が、薬草類に関しては、採って来てくれましたからね」


 そう言ってミズハを指さし、エルザはカウンターの奥から、大きめのリュックサックに似た袋を、四つ取り出して四人の前に置いた。


 「取り敢えず。これは個人毎に分けた物です。ひとつ月分の食料に日用品。そして、生活必需魔導書と、一テラ(魔力保有量1000000)のプレート型の魔力充填地(魔力バッテリー)を十二」


 「「「「!!」」」」


 「プレート型!?」


 「それも、一テラなんて……」


 「待ってエルザさん! プレート型の魔力バッテリーの最新は、ギガじゃ……それに、(テラ)なんて、ボックス型でも確か、まだだったはず……」


 魔力バッテリーは、魔力を充填し溜めておける魔動具で、ボックス型は、縦二十、横三十、幅十五センチ近い車のバッテリーほどの大きさの樹脂製の箱だ。

 その大きさ故に、持ち運びには向くとは言えず。

 それに比べてプレート型は、プレート()と言うだけあって、長方形が主で、厚さが五センチ以下の物を指す。


 「あの……エルザさん、これは……」


 「気にしなくてもいいですよ。まずは、この秘匿契約書に目を通してください」


 そう言って、エルザは四人の前に一センチほどの厚さの紙の束を置いた。

 四人は、額を突き合わせ一塊になり、紙の束を読み始めること十分。


 「……なるほど、この内容なら納得だな……」


 「そうね。つまるところ、新型魔道具の試験運用と言う事ね……」


 「理解が早くて助かります。どうしますか? 断って頂いても構いませんし、受けて頂いても構いません。ただ、テスト運用に当たっての報奨金は発生しませんよ。ですから、『あらかじめ悪しからず』との事です。とは言え、当初の予定道理のボックス型を持って行った場合の総重量は、先程の袋を合わせ……約八十キロです。それに、あなたたちの、装備重量を合わせると……百二十キロ以上はあるでしょう。魔力を巡らせれば問題は無いでしょうが、常に魔力を巡らせる事は、いくらあなた達が冒険者ランク最高位次席の冒険者という事を考慮しても難しいでしょう。魔力を巡らせない状態でも、あなた達なら、この重量を背負っての戦闘も、七キロを十分以内に走破する事も可能でしょうが、体力の消耗率は激しいはずです。それに、強い魔物と出会った場合の戦闘はかなりの危険を伴う事になりますよ」


 釘をさすように言うエルザの言葉は、明確な事実だ。

 ボックス型の魔力充填地(魔力バッテリー)一つの重量は約十キロにもなり、それが四つとなると四十キロにもなる。

 ――――とは言え、それらを入れる袋はリュックサックに似ているが片肩から掛ける仕様で、いざと言う時には、すぐに放り出し身軽になれる作りとなった、緊急性を考えられた作りになっている。

 ただ、それでも袋の中の重量は数十キロにもなり、所有者の動きを制限してしまう事に違いは無い――――が、いくら重いからと言って魔力バッテリーを、新型のプレート型のみという事になれば、万が一プレート型が何かしらの不具合で動作しなくなった時の事を考えれば、両方持っておきたい。

 プレート型は、どれほど重くても最大重量が個人携行型の場合、一つ一キロ以下と規格が決まっており、この重量の差は、あらゆる点でかなり大きいと言える。


 「エルザさん……」


 だからこそ、四人は期待するような目を彼女に向ける。


 「大丈夫ですよ。本来なら難しかったですが、あなたたちが最高位次席の冒険者という事もあり、すでに許可を取っておきました」


 「「!!」」


 その一言に、四人の表情は明るくなり『流石です!! 辺境に舞い降りた女神様~』『辺境のパーフェクト・オペレーター、亀の甲より、年の功』『辺境に咲く一凛の薔薇』『全ギルド最高の辺境受付嬢』などと、口々に彼女を褒め称えた。

 明らかに寒い例えもあったが彼女は気にしておらず。


 「あなたたち兄弟は……子供の頃から変わってないですね」


 そう言われ皆一斉に静まり返り、先程とは打って変わった声で、年相応に……


 「いいえ、エルザさん。あなたのおかげで私たちの今があるんです。十歳で……」


 なんだか重くなりそうだと思ったミズハは、会話を断ち切りに行った。


 「ねぇ、もうお昼~お腹減った」


 「「……」」


 (この子は……話が長くなると思って切りに来たわね……あとで注意しておかないと)



 ◇ ◇ ◇ ◇



 ロート村 ギルド・ロート村出張所内 二十時四十四分


 日曜の夜だと言うのに、冒険者ギルド・ロート村出張所の中は、静まり返り普段の喧騒は無い。だが、人が居ないという事では無く、むしろ、普段以上の人数がギルドの中と、外に集まっている。

 集まった村人は、皆で椅子や机を用意し、机の上に色々な食べ物や飲み物を所狭しと並べていく。

 その中には、普段ならこの様な時間まで起きている事を許されないはずの子供達の姿も見受けられるが、今夜は特別だ。

 今宵は彼らの――――ニールヴェルン王国に四組しかいない、最高位冒険者たるエクサニウム級へと足を掛ける。

 この村出身の冒険者の中で、初のペタニウム級冒険者チーム・蒼の放浪者がラビアント大森林に長期調査へ出立する前の日なのだ。

 この依頼の調査結果の如何によっては、冒険者ランクの上昇も考えられる重要な依頼であり、だからこそ彼らは生まれ故郷へと立ち寄り、この様な催し物にも参加したのだ。

 本来なら、この様な大きな依頼の場合、近くの都市や町で準備し、それから馬車で近くまで護衛を着けて行けばいいのだ。


 ――――だが、彼らはそうはしなかった。


 彼らは自らの生まれ育った村へと帰り、世話になった人たちへの挨拶と報告……既に亡くなった両親へのお墓参りも兼ね立ち寄ったのだ。 


 集まった人々は皆、大人も子供も手にガラスのグラスや木のコップを持ち、彼らが話し始めるのを、今か今かと期待に満ちた表情を浮かべて待っている。


 四人は誰が演説(挨拶)するのか多少もめたものの、蒼の放浪者のリーダーでもあり、四つ子の長男と自負するマーカスが代表して口を開くことになった。


 「――――今宵は我々のために、お集まりくださり……」


 真面目な挨拶を始めたマーカスに村人たちは口々に、「マーカスちゃん真面目な挨拶はいいんだよ。いつも通りの――――」「坊主!! チャンバラやってた時と同じでいいんだぞ」「みんな大きくなって……あの子たち(両親)|が見たらどれほど喜んだか」っと、ヤジとも鼓舞とも取れる声援を送った。


 そうして、いつも以上に活気と熱気に満ち溢れた楽し気な夜も更け、時計の針が十二時を回ろうかという時刻になって、ようやく蒼の放浪者の送迎会はひと段落付き、お開きになろうとしていた。とは言え、未だ熱気の冷める気配は無く。

 皆まだ名残惜しげな表情を浮かべながら、家路に着き始めた最中(さなか)()()は聞こえた。


 「――――ヴォォオオ……ヴォオオゥゥゥウウウウオオオォォォオオオオ」


 地球の引力圏を脱出するのに必要な、第二宇宙速度を越えようとする、ロケットエンジンの噴射音にも匹敵する、大地を震わす唸り声が村の中(皆の意識)を通り過ぎ、お祭り騒ぎで和み、気が緩んでいら人々の意識を覚醒させる。


土日と、投稿する予定手す。

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