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第81話 スカイドラゴン

 前回のポイント・グレゴールが、先回りしていた!

「グレゴール騎士!」


「クーデリアコローナ騎士!」


 二人の聖堂騎士は、お互いの名前を呼び合う。


 それに伴い、一定の距離を置いて、俺たちは空中に静止する。


「何のつもりです?」


「それは、こちらの言葉だ。宗主様の命を狙うなど、何のつもりだ?」


「私は、暗殺者ではありません。宗主様は、祖父なのですよ!」


「為政者の命を狙わなくても、身内の命を狙うことはある」


 グレゴールは反論する。


「そもそも、私は宗主様の命を受けて、旅立ったのです!」


「それが、真実なのかどうかは関係ない」


「真実は、不要?」


「真実は、不要だ。必要なのは、事実だ」


 聖堂騎士の言い合いは、激しさを増している。


 そんな中――


 俺は欠伸を噛み殺している。


「ご主人?」


「兄貴?」


「何だ?」


「茶々を入れないんですね?」


「口を挟まないんすね?」


「無駄の上に、無理だ」


 俺は言い切る。


「無駄?」


「無理?」


「言ってみれば、信念のぶつかり合い。そこに、妥協は見出せないよ」


「冷静ですね」


「冷徹っすね」


「何しろ、俺たちのことじゃないだろ?」


 スラゾウとゴレタは苦笑する。


「それよりも、情報を集めよう。対象はもちろん、風のブレスを吐くドラゴン」


 俺は行動を開始する。


「(異世界王)の効果により、対象の情報を把握する」


 俺は宣言する。


『(異世界王)の指定効果、発動』


 言葉が響き、文字が浮かぶ。


 【ステータス】


 クラス・スカイドラゴン

 ランク・A+

 スキル・飛行A+ 適応A 抵抗A ブレス(風)A

 エクストラスキル・不明


 【パラメーター】


 攻撃力・A-(プラス補正)

 防御力・A-(プラス補正)

 敏捷性・B+(プラス補正)


「Aランクのスカイドラゴン……乗ってるドラゴンまで強いのかよ!」


 俺は表情を引き締める。


「ご主人、逃げられませんか?」


「難しいだろう」


「その根拠は?」


「〈飛行〉スキルが、A+。ペガサスでも、追いつかれるぞ」


 スラゾウは頷く。


「兄貴、叩き落せないっすか?」


「難しいだろう」


「その根拠は?」


「攻防ともに高水準だ。叩き落す前に、叩き落されるぞ」


 ゴレタは頷く。


「真実と事実は、同じでしょう?」


「同じではない。真実は理想、事実は現実……おとなしく捕まりなさい」


「……断ります」


「それなら、力ずくで捕まえよう。――覚悟しろ、反逆者クーデリアコローナ」


「反逆者……」


 クーデリアは、ショックを受けたように肩を落とす。


「ほら、決裂しただろ!」


「ご主人、楽しんでますね?」


「兄貴、喜んでるっすね?」


 スラゾウとゴレタは呆れる。


「どんな時でも、予測が当たるのは嬉しいものなんだよ?」


「嬉しくなることでもあるまい。――また会ったな、キラタロウ」


「初対面じゃないでしょうか、グレーゴール殿」


「全身甲冑を皮肉っているのかね?」


「仲間に対する冷たい仕打ちに、憤ってるんだよ!」


 俺とグレゴールは睨み合う。


「一時の激情に身を任せて、聖堂教会を敵に回すのか?」


「敵に回してるのは聖堂教会じゃない、聖堂騎士団だ」


「自分たちに味方する者がいると、言いたいのか?」


「味方はいるんじゃない、味方は作るものだ。それこそ、あんたさえも」


 俺は挑発する。


「面白い発想だ。できれば敵対したくないが、仕方あるまい」


「その割に、喜んでるね?」


「強者と相対するのは、武人の誉れ。――行くぞ、キラタロウ!」


「強者扱いは、光栄だね。――来い、グレゴール!」


 スカイドラゴンの周辺に、風が渦巻く。


 直後――


 ブオォ!


 音を立てて、突風が吹きつける!


 音の大きさからして、直撃したらペガサスでも耐えられない。


「ゴレタ、風のブレスを利用して、風を〈形成〉してくれ!」


「了解!」


 直後――


 ウィンドゴレタが、ペガサスの先頭部分に陣取る。


 その姿は――


 ファイアゴレタとも、ウォータゴレタとも異なる。


 木の体はそのままに、風の鎧をまとっている。


「来る!」


 風のブレスが、ウィンドゴレタにぶつかる寸前――


 グニャリ!


 空間が、歪む。


 それに伴い、突風は真横を吹き抜けていく!


「受け止めたのではなく、受け流した……厄介極まりない!」


 グレゴールは驚愕する。


「スラゾウ、大弓に変化してくれ。グレゴールを撃ち落すぞ!」


「了解」


 スラゾウバリスタを固定すると、薪の塊をセットして、撃ち出す。


 ヒュン!


 音を立てて、薪の塊は飛ぶ。


 それは瞬く間に距離を詰め、グレゴールに直撃する!


「くっ!」


 ダメージこそないものの、グレゴールはよろめく。


 さすがのグレゴールも、スカイドラゴンの上だと、バランスを保てないんだ。


 一発ならともかく、何発も当て続ければ、撃ち落せるかもしれない。


「バリスタに変化しただと……こちらも、厄介極まりない!」


 グレゴールは警戒する。


「さすが、勇者様!」


「勇者様?」


「勇者スラゾウ様と、勇者ゴレタ様です」


「後、一名は?」


「ゲスの極みタロウ」


 クーデリアは紹介する。


「俺は、エノンじゃねえよ!」


 俺は怒る。


「エノンとは違い、才能ないですよね?」


「エノンとは違い、モテないっすよね?」


「お前ら、ぶん殴るぞ?」


「勇者への暴力!」


「勇者への脅迫!」


「勇者のくせに、人に頼るな!」


 俺は憤る。


「たとえ勇者様であろうと、私の役目は変わらない。反逆者を捕まえることだ」


「反逆者……」


「言葉を重ねても、空しいだけだ。君の場合は、悲しくなるだろう」


「それは……」


 グレゴールの主張に、クーデリアは言葉を失う。


「さぁ、戦いを続けよう。――行くぞ!」


 その言葉に従い、スカイドラゴンは突っ込んできた。

 読んでくださって、ありがとうございます。

 ブックマーク等の応援、ありがとうございます。


 グレゴールがよろめいたのは、バリスタのためだけではありません。

 ウィンドゴレタによる、風の流れができているからです。

 そのため、威力が跳ね上がりました。

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覚醒テイマーの成り上がり
設定を変えた別バージョンは、全部書き直してます。
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