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第79話 ペガサス(女好き)

前回のポイント・タロウは、暗殺者の罠を逃れた!

「うぉぉぉ!」


 俺は悶絶している。


 不用意に近づいたところ――


 ペガサスに、股間を蹴り飛ばされて!


「ご主人、大丈夫ですか!」


「兄貴、大丈夫っすか!」


「だ、大丈夫だ……」


「大丈夫そうじゃないですよ?」


「大丈夫じゃなさそうっすよ?」


「し、心配するな、ほ、本当に大丈夫だ……」


 俺は立ち上がる。


「クーデリアは、心配してくれないんだな?」


「私は、無関係だろう?」


「無関係でも、普通は労わってくれるよな?」


「私を、冷酷のように扱うな!」


 クーデリアは憤慨する。


「スラゾウとゴレタは、大丈夫か?」


「大丈夫ですよ」


「大丈夫っすよ」


「クーデリアも大丈夫だから、被害は俺だけ?」


「ご主人だけですね」


「兄貴だけっすね」


 俺たちは首をひねる。


「このペガサスは、気性が荒いのか?」


「特に気性が荒いということはないはずだ」


「そうなのか?」


「ただ、私は利用していない」


 俺の問いに答えたのは、ペガサスを用立てたドーソン。


「テイマーじゃないから?」


「利用しているのは、妻子だ」


「奥さんはいいとして、子供さんは?」


「娘だが?」


「当たりだ」


 俺は答えに行き当たる。


「当たり?」


「そいつ、女には優しいんだと思う」


「逆に言うと、男には厳しい? うおっ、危ない!」


 不用意に近づいたドーソンは、ペガサスに蹴り飛ばされそうになる。


「まぁ、何とかなりそうだから、ありがたく使わせてもらいます」


 俺はペガサスに歩み寄る。


「おとなしくしないと、タルタルステーキにするぞ?」


「ペガァァァ?」


 ペガサスは震える。


「ご主人、ペガサスを食べるんですか!」


「兄貴、ペガサスは食べられるんすか!」


「ドラゴンを食えるなら、ペガサスを食えない道理はない」


「なるほど?」


「屁理屈?」


「細かいことは気にするな、テイマーらしい交渉術だ」


 ペガサスは不満そうに地面を蹴る。


「不満そうだな、本当にタルタルステーキにするぞ?」


「ペガァァァ……」


 ペガサスは脅しに屈したように、おとなしくなる。


「一応、能力を確認しておこう」


 スラゾウとゴレタは頷く。


「(異世界王)の効果により、対象の情報を把握する」


 俺は宣言する。


『(異世界王)の指定効果、発動』」


 言葉が響き、文字が浮かぶ。


 【ステータス】


 クラス・ペガサス

 ランク・A

 スキル・飛行A 抵抗B 適応B 女好きB(男嫌いB)

 エクストラスキル・天空疾走(ブーストダッシュ)


 【パラメーター】


 攻撃力・E

 防御力・D

 敏捷性・A


「契約していないんですね?」


「魔物を利用する場合、テイマー以外は基本的に野良だ」


 俺の問いに答えたのは、クーデリア。


「原則的に魔物の譲歩は、不可能なのだ」


「原則的?」


「一族に代々引き継がれる、魔物などは可能だ」


「一部の例外を除くと、契約した魔物は契約した主人の管轄?」


「ゆえに、テイマー以外が魔物を利用する場合は、野良なのだ」


 俺は納得する。


「そういうことなら、ペガサスを借り受けます」


「譲り受ける、の間違いだろう」


「それならそれで、構いません」


「君の好きにするといい」


 ドーソンは了解する。


「好きにする、か」


「好きにするのは結構だが、わきまえる点もあるだろう」


「わきまえる点?」


「売り飛ばすのはもちろん、食べるのも論外だろう」


 ケインは指摘する。


「タロウ君、絶対に死ぬなよ!」


「キラ君、生きて帰りたまえ!」


 ケインとドーソンの声援を背にして、俺たちを乗せたペガサスは飛び上がる。


「それじゃあ、行くぞ!」


 俺たちは頷き合う。


 飛び上がったペガサスは、町の外を目指す。


「今更だけど、順番逆だよな?」


 ペガサスの手綱を握っているのは、クーデリア。


 俺は、荷物を挟んで後ろにいる。


「逆?」


「俺が前、クーデリアが後ろ」


「その場合、どうなる?」


「背中に胸が当たる、ラッキースケベイベント!」


 シーン、と静まり返る。


「貴殿、状況を理解しているのか?」


「呆れずに叱ってよ!」


「呆れる以外の選択肢はないだろう?」


 クーデリアは呆れている。


「ご主人、空気読みましょ?」


「兄貴、雰囲気感じ取りましょ?」


「お前らに言われたくない!」


 スラゾウとゴレタも呆れている。


 会話の間も、俺たちは順調に町の外を目指している。


「さすが、〈飛行〉スキルA!」


 俺の賞賛に、ペガサスは誇るように鳴く。


「ペガァァァ!」


 無事に町を抜け出せると思った時――


 無数の飛行物体を確認する!


「UFO?」


「何だ、UFOとは!」


「未確認飛行物体だね」


「何だ、未確認飛行物体とは!」


「アメリカ軍の秘密兵器?」


 俺の見解に、俺以外の面々は呆れる。


 遠目に確認できるその姿は――


「ドラゴン?」


 そのドラゴンは、空を飛んでいる。


 それも、ペガサスに劣らない速度で!


「ワイバーンだ」


 指摘したのはクーデリア。


「ワイバーン?」


「背中には、人が乗っているはずだ」


「言われてみると、乗っているぞ!」


「グレゴール殿の指揮下にある、第一騎士団だ!」


「敵!」


 俺たちは息を呑んだ。

 読んでくださって、ありがとうございます。

 ブックマーク等の応援、ありがとうございます。


 ペガサスとのやり取りは、前回の話との落差のために設けました。

 ペガサス自体は、戦闘力に乏しいものの、機動力に長けています。

 そういう意味では、今のタロウたちには、何よりありがたい存在です。

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覚醒テイマーの成り上がり
設定を変えた別バージョンは、全部書き直してます。
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