幕間1 聖堂騎士一行
前回のポイント・宿から、聖堂騎士の一団は去った!
ボードレスの大通りを闊歩する、聖堂騎士の一行――
人目を引くのには、十分。
周囲の好奇の視線に、しかし聖堂騎士は反応しない。
目的のために、議事堂を目指している。
「グレゴール様」
「何だ?」
「このまま議事堂に向かうのですか?」
「不満か?」
「不満ではありません、ただ気がかりなんです」
「気がかり?」
グレゴールは反応する。
「本当にあの宿には、クーデリアコローナ騎士は、いなかったのでしょうか?」
「いただろうな」
「やはり、目撃証言は正しかったのですね!」
「問題は、証言よりも対応だ」
グレゴールは指摘する。
「対応?」
「宿の関係者として、出てきた少年を見ただろう?」
「異人の少年ですね」
「テイマーだっただろう?」
グレゴールは根拠を示す。
「自称・宿の関係者が、テイマーだ。おかしいとは思わないか?」
「おかしいですね!」
「クーデリアコローナ騎士の存在を隠しているのは、間違いないだろう」
「それなら、どうして引き下がったのです?」
「宿に、被害を出したくなかったのだ」
グレゴールは告白する。
「グレゴール様なら、被害を出すことなく鎮圧できるでしょう」
「クーデリアコローナ騎士のみなら、可能だろう」
「異人の少年を加えると、不可能? そんな馬鹿な!」
「人づてに、ある噂を聞いたのだ」
「噂?」
「隷属のルイスが、討たれたという噂だ」
グレゴールは噂話を持ち出す。
「隷属のルイス……元Sランクの厄介者ですね」
「厄介者であると同時に、強者だ。そうそう討たれるものではない」
「確かに討たれませんね。我々の仲間も、幾人も返り討ちにあっています」
「その隷属のルイスが、討たれたのだ」
グレゴールは声を落とす。
「表向きは、元騎士の傭兵団長の成果になっている。だが、実際は違うだろう」
「その根拠は?」
「お前たちは、隷属のルイスを討てるか?」
グレゴールは逆に尋ねる。
「団長を抜きでは、討てませんね」
「隷属のルイスを討てる者など限られている。該当者がいないとしたら――」
「新参者……異人の少年ですか!」
「おそらく、当たりだ。握手した時にわかった、あの少年は強いぞ」
グレゴールは楽しそうに笑う。
「さぁ、議事堂に着いたぞ。評議会の面々に、城門の封鎖を頼もう」
グレゴールの言葉は、不吉に響いた。
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この作品では初となる、敵側の視点です。
そのため、『幕間』として入れました。
今後、必要に応じて『幕間』を入れます。




