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第69話 タロウ追放

 前回のポイント・勇者様と呼ばれた!

 勇者様?


 予想外の事態に、俺は興奮する。


「スラゾウ、ゴレタ、聞いたか?」


「聞きましたけど?」


「聞いたっすけど?」


「俺は勇者だから、これからは勇者パーティからの、追放ごっこができるぞ!」


「勇者パーティ?」


「追放ごっこ?」


 スラゾウとゴレタは首をひねる。


「スラゾウ、お前をパーティから追放する!」


「追放?」


「お前は、その役割を果たしてない。よって、パーティから追放する」


「役割?」


「お前、軍師だろう?」


「オイラは、マスコットですけど?」


 スラゾウは反論する。


「俺のパーティに、マスコットはいらない!」


「そうなんですか?」


「だから、お前をパーティから追放する」


「無茶言ってません?」


「無茶言ってるよ? 追放前提のお話だし」


「やらせですね」


「お約束と言いなさい」


 俺は訂正する。


「追放する際には、身包みをはがすのが決まりだ」


「オイラ、何も持ってませんよ?」


「小遣いぐらいはあるだろ?」


「没収するつもりですか!」


「芝居だよ? 怪しむんじゃない!」


 俺は釈明する。


「お金は親孝行のために貯めてますから、他のものにしてくださいよ?」


「それなら、体で払ってもらおう!」


「体?」


「風呂に入ってもらい、出汁を取るぞ」


 俺は商売を思いつく。


「そして?」


「ミソスープとして売り出す」


「今度、本当にやりましょ!」


 俺たちは盛り上がる。


「ゴレタ、お前もパーティから追放する!」


「兄貴、一人っすよ?」


「一人じゃない、二人だ」


「仲間を捨てて、彼女とイチャイチャするんすね?」


「真の道を歩むだけだ」


「それ、すっごく嫌われるっすよ?」


 ゴレタは忠告する。


「追放の理由は、もちろん役割を果たしてないからだ!」


「オレ、役割を果たしてるっすよね?」


「いや、果たしてない。なぜなら、お前は攻守を兼ね備えてるからだ」


「むしろ、喜ばしいことでしょ?」


「どっちも、中途半端だ」


「どっちも、高水準っすよね?」


 ゴレタは指摘する。


「追放する際には、所持品を没収するルールがある!」


「そのルール、絶対におかしいっすよね?」


「俺も、おかしいと思う。たぶん、零から再出発させたいんだろう」


「そのくせ、すぐにいい武具が入るっすよね?」


「テンプレとは楽しむものだから、問題ないだろ」


 ゴレタは頷く。


「そういうことだから、贅肉を置いていけ!」


「贅肉?」


「お菓子を(形成)して、無限に増やすんだ!」


「その心は?」


「無限チョコレート!」


 俺は商品を思いつく。


「不純物、混じってるっすよね?」


「騙して、売り飛ばせるぞ?」


「今度、本当にやるっすよ!」


 俺たちは盛り上がる。


「勇者様?」


 少女は律儀に待っている。


「待たせたね、用事は?」


「貴様に、用事はない」


「はっ?」


「貴様に、用事はないと言ったのだ」


「俺、勇者でしょ?」


「貴様は、勇者様ではない。勇者様は――」


 少女が、指差したのは――


「この方々だ!」


 スラゾウとゴレタ!


「スラゾウとゴレタ?」


「スラゾウ様とゴレタ様、か」


「スラゾウ様? ゴレタ様?」


「そう、勇者スラゾウ様と、勇者ゴレタ様だ!」


 少女は宣言する。


「ご主人?」


「兄貴?」


「何だ?」


「追放ですね!」


「追放っすね!」


「マジ?」


 スラゾウとゴレタは頷く。


「ご主人、追放ですよ!」


「追放の理由は?」


「役立たず」


「お前……」


 俺は絶句する。


「ご主人風に言うと、役割を果たしてないことです」


「俺は、役割を果たしてるだろ?」


「ステータスオープンしかできないのに、よく言えますね?」


「ステータスオープンは、重要だろ?」


「重要でも、必須じゃないですよね?」


「それは……」


 俺は言葉に詰まる。


「兄貴、追放っすよ!」


「追放の根拠は?」


「意味なし」


「お前……」


 俺は落胆する。


「オレたちとは違い、兄貴には役割がないんすよ」


「司令塔だろ」


「自称っすよね?」


「たとえ自称でも、司令塔は必要だぞ?」


「オレは(形成)、先輩は(変化)……兄貴に役に立つスキルはあるんすか?」


「それは……」


 俺は言葉に詰まる。


「もう追放ごっこはやめて、本題に入ろう」


「ご主人、逃げるんですか?」


「兄貴、逃げるんすか?」


「……冗談だよな?」


「小遣いアップ!」


「おやつ増量!」


「了解!」


 俺は約束する。


「念のために聞くけど、本当にこいつらは勇者なのか?」


「こいつら?」


「スラゾウとゴレタ」


「敬称は?」


「スラゾウ様とゴレタ様は、勇者なのですか?」


「もちろん、勇者様だ」


 少女は断言する。


「根拠はあるのか?」


「もちろん、ある」


「それは?」


「光」


「光?」


「私は光に導かれ、ここにやってきた。そして、私は光に導かれ、目覚めた」


 少女は主張する。


「その光が、スラゾウとゴレタから感じられるのか?」


「スラゾウ様とゴレタ様」


「その光が、二名の勇者様から感じられるのですか?」


「その残滓が、感じられる」


「残滓ねぇ」


「お前、私のことを疑っているのか?」


 少女は不機嫌そうだ。


「そもそも、勇者とは何だ?」


「勇者様は、我々を導く存在だ」


「我々?」


 俺は引っ掛かる。


「私は聖堂教会所属、聖堂騎士クーデリアコローナだ!」


 少女は名乗る。


「くっころ騎士ね!」


 直後――


 俺は、床に転がる。


 もちろん、くっころ騎士に張り倒されて。

 読んでくださって、ありがとうございます。

 ブックマーク等の応援、ありがとうございます。


 更新もそうですが、話の進行も緩やかです。

 第一部などとは違い、急ぐ必要がないからでしょう。

 ただ、話自体はきちんと前に進めるつもりです。

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覚醒テイマーの成り上がり
設定を変えた別バージョンは、全部書き直してます。
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