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第67話 スラ子とゴレ美

 前回のポイント・ギルドに依頼達成を報告した!

 目覚めると、ベッドに女がいた。

 それも、二人。

 左右に、一人ずついる。


 一人は、大きい女。

 一人は、小さい女。

 もっと言うと、大人の女と子供の女。


 二人は、眠っている。

 ぐうぐうと、くうくうと、寝息を立てている。

 安心した様子から、二人は知りたいみたい。


「知り合い?」


 この世界に、俺の知り合いはほとんどいない。

 合わせても、十名にも満たない。

 その中に、この二人は含まれていない。


 そもそも、昨日は食事をしないまま眠ってしまった。

 依頼の達成をギルドに報告した後、宿に取って返した。

 その後、ベッドに横たわるなり、睡魔に襲われたんだ。


 だから、この二人は知り合いじゃない。

 本当に?

 俺の中の何かが引っ掛かる。


「それより、スラゾウとゴレタは――」


 俺は言葉を呑む。


 左右の女は、どちらも裸だったから。

 そのくせ、色っぽさは一切ない。


 その理由は――


「目覚めたの、ダーリン?」


「目覚めたの、パパ?」


 前者は大人の女の、後者は子供の女の言葉。


「ダーリンじゃねえよ! パパじゃねえよ!」


「ダーリン、私を忘れるなんて、ひどいスラ」


「パパ、あたしを忘れるなんて、ひどいゴレ」


「ひどいスラじゃねえよ! ひどいゴレじゃねえよ!」


 俺は二人の抗議を封殺する。


「お前ら――」


 俺は二人の女を睨む。


「スラゾウとゴレタだろ!」


「スラゾウじゃなく、オガ娘スラよ」


「ゴレタじゃなく、ドワ娘ゴレよ」


「オーガ女? ドワーフ女? 嘘つくなよ!」


 俺は反論する。


「ダーリン、ドワ子スラよ」


「パパ、オガ子ゴレよ」


「入れ替わってる!」


 俺は叫ぶ。


「いい加減にしろ! スラゾウとゴレタだろ?」


 俺は問い詰める。


「もちろん、スラゾウです」


 大人の女は、スライムになる。


「もちろん、ゴレタっす」


 子供の女は、ゴーレムになる。


「どういうことだ?」


「朝、起きたら――」


「なれたんすよ――」


 スラゾウとゴレタは答える。


「お前ら、何なんだよ? ファンタジー世界の生き物にしても、デタラメだろ!」


「普通のスライムですけど?」


「普通のゴーレムっすけど?」


「お前ら、本当にスライムとゴーレムかよ?」


 俺はため息をつく。


「まぁ、いい。ここ、なんちゃってファンタジー世界だし」


「ご主人、それ、言っちゃ駄目!」


「兄貴、それ、禁句っすよ!」


 スラゾウとゴレタは、苦言を呈する。


「ともかく、女体化後の名前を決めておくぞ」


「ワクワク」


「ドキドキ」


 スラゾウとゴレタは茶化す。


「スラゾウの変身後は――」


「はい!」


「スラ子」


「…………」


 スラゾウは黙る。


「ゴレタの変成後は――」


「ほい!」


「ゴレ美」


「…………」


 ゴレタも黙る。


 二人とも感激のあまり、言葉にならないらしい。


「そういうことだ、スラ美とゴレ子」


「入れ替わってる!」


 スラゾウとゴレタは叫ぶ。


「ご主人、美しい名前をお願いします!」


「兄貴、可愛い名前をお願いするっす!」


「よし、決めたぞ」


 俺は頷く。


「スラゾウの新形態は――」


「はい!」


「スラリーヌ・邪(じゃ)」


「おい!」


 スラゾウは怒る。


「ゴレタの新形態は――」


「ほい!」


「ゴレアンテ・弱(よわ)」


「おい!」


 ゴレタも怒る。


「いい名前だろ?」


「スラ子じゃねえよ! スラリーヌ・邪(じゃ)じゃねえよ!」


「ゴレ美じゃねえよ! ゴレアンテ・弱(よわ)じゃねえよ!」


 スラゾウとゴレタは憤る。


「こんなに、美しいのに!」


「こんなに、可愛いのに!」


 スラゾウとゴレタ、いや、スラ子とゴレ美は主張する。


「スライム娘とゴーレム娘なんて、嬉しくないんだけど……」


「さては、なろうアンチだなオメー」


「もしもし、ナイトメン?」


「このネタ、大丈夫なの……」


 俺は心配する。


「でも、これなら、いろいろごまかせますよね?」


「ほら、狙われなくなって、よかったすよね?」


 スラ子とゴレ美、いや、スラゾウとゴレタは喜ぶ。


「あー、そーゆーことね、完全に理解した」


 俺はベッドに倒れ込む。


「悪い夢だ、悪い夢だ、悪い夢だ――」


 俺はシーツをかぶる。


「ご主人、現実を直視して!」


「兄貴、現実逃避しないで!」


 スラゾウとゴレタは、俺を揺さぶる。


「目覚めれば、元の世界に戻ってる――」


 俺は枕を抱く。


「ダーリン、起きてスラ!」


「パパ、起きてゴレ!」


 スラ子とゴレ美は、俺を揺さぶる。


 もちろん俺は――


 不貞寝することに決めた。

 次回は、第三部「光の御子編」が始まります。

 内容的にも、文字数的にも、完全に合間です。

 ブクマ、感想等、励みになっています。

 いくらでも変えられますから、ポイント評価してくれると嬉しいです。

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