表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/137

第126話 最終決着

 前回のポイント・最終決戦に突入した!

「ゴレタ、〈雷神の鉄槌(トールハンマー)〉を撃ってくれ!」


「最大火力でしょ? 了解!」


 ゴレタは、俺の意図を察する。


「すべてをなぎ払え、〈雷神の鉄槌(トールハンマー)〉!」


 次の瞬間――


 雷神と化したゴレタの全身から、超極太の雷が放たれる。


 それは、光の巨人を消滅させる。

 それどころか、復活しても復活しても、光の巨人を消滅させる。

 

 このまま押し切れるかと思われた時――


「甘いよ?」


 ライトの呆れた声が聞こえる。


 直後――


 光の巨人は、消える。

 いや、消えたわけじゃない。

 そう見えただけで、バラバラになっただけだ!


「ゴレタ、〈必滅の神槍(グングーニル)〉に切り替えてくれ!」


「各個撃破でしょ? 了解!」


 ゴレタは、俺の思考の先を読む。


「すべてを滅ぼせ、〈必滅の神槍(グングーニル)〉!」


 主神と化したゴレタの体から、滅びの槍が放たれる。


 それは、バラバラになった、光の巨人を滅ぼしていく。

 徐々に、しかし着実に。


 このまま打ち勝てると思われた時――


「本当に甘いよ?」


 ライトの呆れ返った声が聞こえる。


 光の巨人は、超大型に戻る。

 それは、滅びの槍とぶつかり合い、互いに消え去る。


 残ったのは――


 人型のライト。


「今度は、僕の番だね!」


 ライトは悠然と微笑む。


『エクストラスキルの兆候を確認しました』


 不穏な言葉が浮かぶ。


「我の敵よ、消えろ。――〈 煉獄(ゲヘナ)〉!」


 ライトの体は極限まで膨れ上がると、溜め込んだエネルギーを解き放つ。


「まずいぞ!」


 俺は危機感を覚える。


 何しろ――


 そのエネルギーは、北の荒野を消滅させるだけの力を持っている。

 いや、それどころか聖域全体を消滅させるだろう。


「スラゾウ、〈戦女神の加護(モードアテナ)〉を使ってくれ!」


「守りたいものを、守るんですね? 了解!」


 スラゾウは、俺の意図を読む。


「クーを、ガルコを、人々を守りましょ。――〈戦女神の加護(モードアテナ)〉!」


 次の瞬間――


 戦女神が、地上に降臨する。

 それに伴い、服の裾が広がり続ける。

 それは、〈煉獄(ゲヘナ)〉のエネルギーを受け止める!


 果たして――


 二つの力は、完全に消滅する。


 残ったのは――


 超大型の光の巨人。


「タロウ、スラゾウ、ゴレタ、よくやるね! でも、終わりだよ?」


 ライトは、最後通告を突きつける。


「君たちに、力は残っていないだろう? さようなら、強く愚かな者たち!」


 超大型の光の巨人は、再度、エネルギーを溜め込み始める。


 それが終わった時、俺たちに訪れるのは、間違いなく死だろう。


「ご主人!」


「兄貴!」


「スラゾウ、ゴレタ、生き残るぞ!」


 俺の背中に、降り立ったのは――


「がるるるぅ!」


 待ちに待ったガルコ。


 俺は、ガルコに手を差し伸べる。

 ガルコも、俺に手を差し伸べる。


 双方の手と手が触れ合った瞬間――


 外からじゃなく、内から言葉が生まれる。


 ――汝、契約をよしとするか?


 ――我、契約をよしとする。


 問いに対して、頭じゃなく心で応じる。


 ――ここに契約は結ばれた、汝と仲間に祝福あれ!


 直後――


「アタシは、ガルコ! みんな、よろしくねん!」


 ガルコは自己紹介する。


「「「ガルコ!」」」


 俺たちの喜びの声が合わさる。


『異世界王の効果、発動』


 【ステータス】


 ネーム・ガルコ

 クラス・ガルーダオリジン

 ランク・NF

 スキル・ 神鳥(しんちょう)

 エクストラスキル・ 創世の光(ワールドエンド)


 【パラメーター】


 攻撃力・∞(限界突破)

 防御力・∞(限界突破)

 敏捷性・∞(限界突破)


「ガルコ、〈 創世の光(ワールドエンド)〉を発動してくれ!」


「マスターの敵を滅ぼすのねん? 了解!」


 ガルコは微笑む。


「〈 創世の光(ワールドエンド)〉!」


 次の瞬間――


 怒れる神と化したガルコの、第三の目が開く。

 それに伴い、周囲に光が満ちる。

 それは、すべてを滅ぼす光。


「それは、光の巨人の根源である、創世の光……反則だろ――」


 その光に包まれた光の巨人は――


 死につつある。

 そう、消えるんじゃない、死ぬんだ。

 本当の意味での死が、光の巨人であるライトを呑み込む。


 残ったのは――


 力を失ったライト。

 その目に、光はない。

 何かを求めるように、手を動かしている。


「僕は、負けたのか?」


「ああ、負けたんだ」


「僕は、死ぬのか?」


「ああ、死ぬんだ」


「……そうか」


 ライトは納得したように、手を動かすのをやめる。


「お前に、一つ言っておくことがある」


「逆だよね? 恨み言は、負け犬の特権だよ」


「お前に光を奪われた、少女たちからの伝言だ」


「……何?」


「光の御子を許してください」


「まったく、これだから人は、度し難い生き物だ!」


 ライトは毒づく。


「ライト、お前――」


「そんな生き物に魅了された、異端の言葉じゃないよね?」


 ライトはおどける。


「僕から、彼女たちに伝言がある」


「それは?」


「すまない、そしてありがとう」


 ライトは微笑む。


「彼女たちを始めとした人々に、光あれ!」


 ライトは、空に手を伸ばす。


 その手から離れた光は、どこかへと飛ぶ。


 それを最後に、ライトは死んだ。


「ご主人?」


「兄貴?」


「マスター?」


「帰ろう、いろいろ疲れたよ」


 俺たちは頷き合うと、はるか遠くに見える、大聖堂に向かって歩き出した。

 短くも激しい戦いは、終わりました。

 この後は、救済処置などが描かれます。

 その後は、エピローグに突入ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作へのリンクです
覚醒テイマーの成り上がり
設定を変えた別バージョンは、全部書き直してます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ