第125話 最終決戦
前回のポイント・クーデリアたちは無事だった!
ヨハンとシモンの助力により、俺たちは大聖堂を脱出する。
その際、宗主に聞いたところだと――
「いずれの死体も、ライトと称している、光の巨人の仕業じゃ」
「どうして?」
「理由はいろいろあるが、基本的には自分に逆らったためじゃ」
「それだけで?」
「ライトの中では、よくも悪くも光の御子は絶対なのじゃろう」
宗主は、積み重なった死体の意味を語る。
「宗主様!」
グレゴールとスカーレットが、喜びの声を上げる。
「二人とも、喜んでいる場合ではないぞ?」
「どうしました?」
「ライトは、生きている。ヨハンとシモンが、食い止めているだけじゃ」
宗主は、ため息をつく。
「宗主様、どうすればいいのです?」
「二人とも、時間を稼いでくれ」
「……わかりました」
グレゴールとスカーレットは決心するように頷くと、俺たちの後ろに回る。
「我々が、時間を稼ぐ。その間に、宗主様を安全な場所に移してくれ」
「おそらく、敵はあなたを狙う。それを利用して、北の荒野に誘き寄せてくれ」
グレゴールとスカーレットは、大聖堂の中に入る。
「避難する場所に関して、心当たりはあるのか?」
「短時間なら、可能な場所はある」
「そこは?」
「ガルーダに伝えよう」
「ガルコ?」
俺は、後ろを振り返る。
すると――
ガルコは麻痺が解けたらしく、起き上がっている。
「ガルコ、大丈夫か?」
「がるるるぅ」
「大丈夫そうでよかった!」
「がるるるぅ!」
俺と同じく、ガルコも喜びを表す。
「タロウ、私の心配は?」
「クーデリア!」
「私、これでも一応、ヒロインよ?」
「どこの世界に、一応とつけるヒロインがいるんだよ?」
「ここにいるでしょ」
麻痺の解けたクーデリアは立ち上がると、安心させるように微笑む。
「ガルコ、二人を頼む」
「がるるるぅ」
「それから、駆けつけてくれ」
「がるるるぅ?」
「ライトを倒すのには、お前の力が必要だ」
「がるるるぅ!」
ガルコは、その背中にクーデリアと宗主を乗せると、飛び立つ。
「タロウ、負けないで!」
「キラタロウ、勝つのだ!」
「がるるるぅ!」
ガルコは、飛び立つ。
「俺たちは、北の荒野に向かおう」
「ご主人、本当に追ってきますかね?」
「兄貴、ライトはオレたちを狙うっすかね?」
「狙うよ。そうだろ――ライト?」
俺は、宿敵に話を振る。
「その通り」
声のしたほうを向くと――
ライトは悠然と微笑んでいる。
その足元には――
見覚えのある四人。
ヨハン、シモン、グレゴール、スカーレット。
いずれも息をしておらず、全員、死んでいる。
「光の御子の復活に当たり、君たちは邪魔になる」
「その場合?」
「この世の果てまでも、君たちを追いかけるよ?」
「光の御子に成り代わった後に、だろう?」
ライトは頷く。
「やれやれ、しょうがない。――エクストラスキル発動!」
俺は宣言する。
次の瞬間――
文字通り、世界は一変する。
『〈異世界王〉の効果、発動』
【ステータス】
ネーム・タロウ
クラス・キングテイマー
ランク・NF
スキル・異世界王∞ 騎士王∞
エクストラスキル・神曲
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
【ステータス】
ネーム・スラゾウ
クラス・スライムオリジン
ランク・NF
スキル・神化∞ 神器∞
エクストラスキル・ 神々の伝令 戦女神の加護
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
【ステータス】
ネーム・ゴレタ
クラス・ゴーレムオリジン
ランク・NF
スキル・神成∞ 神具∞
エクストラスキル・ 雷神の鉄槌 必滅の神槍
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
「スラゾウ、〈神々の伝令〉を発動してくれ!」
「北の荒野に向かうんですね、了解!」
スラゾウは頷く。
「北の荒野へ、〈神々の伝令〉!」
次の瞬間――
神々の伝令が、地上に降臨する。
俺とゴレタは、その翼に抱えられる。
そうして、北の荒野に向かって飛び立つ。
あっという間に、大聖堂が見えなくなる。
気づいた時には、北の荒野にたどり着いている。
神々の伝令を解除すると、荒れ果てた土地に降り立つ。
「聖域の外には、逃げないんだね?」
声のしたほうを向くと――
ライトは、意外そうに首をかしげている。
「そんなことをしたら、宗主とクーデリアを殺すんだろ?」
「どっちみち、殺すよ? 君たちは、心がけ次第だね」
「悪党っぽい台詞だぞ?」
「光の御子の復活に干渉しないなら、好きにすればいい」
ライトは、交換条件を持ちかけてくる。
「スラゾウ、ゴレタ、どうする?」
「無理ですね」
「無駄っすね」
「ライト、そういうことだから、決着をつけるぞ」
俺、スラゾウ、ゴレタは、ライトと向かい合う。
「分かり合えないんだね?」
「分かり合わないのは、お前のほうだろ?」
「それなら、どうする?」
「戦って、勝つよ!」
次の瞬間――
俺の拳を受けたライトは、爆発したように砕け散る!
「強いね。でも、強いだけだ!」
その言葉とともに、ライトは復活する。
今までとは違い、天空に届かんばかりの、光の巨人として!
長過ぎたために、分割します。
そのため、決着は次回です。
四名の死に関しては、後々救済があります。




