第122話 神々の武具
前回のポイント・ライトは、元光の巨人だった!
即時の決着を目指して、俺は切り札を切る。
「エクストラスキル発動!」
次の瞬間――
世界は、文字通り一変する。
『〈異世界王〉の効果、発動』
【ステータス】
ネーム・タロウ
クラス・キングテイマー
ランク・NF
スキル・異世界王∞ 騎士王∞
エクストラスキル・神曲
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
【ステータス】
ネーム・スラゾウ
クラス・スライムオリジン
ランク・NF
スキル・神化∞ 神器∞
エクストラスキル・戦女神の加護 神々の伝令
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
【ステータス】
ネーム・ゴレタ
クラス・ゴーレムオリジン
ランク・NF
スキル・神成∞ 神具∞
エクストラスキル・ 雷神の鉄槌 必滅の神槍
【パラメーター】
攻撃力・∞(限界突破)
防御力・∞(限界突破)
敏捷性・∞(限界突破)
見慣れない言葉が二つある。
もちろん、〈神器〉と〈神具〉。
俺の〈騎士王〉に伴う、新しいスキルだろう。
「奇跡は、一度で十分だ!」
グレゴールは、見覚えのない槍を突き出す。
「今度も、俺が勝つ!」
俺は、拳を突き出す。
拳と槍がぶつかり合う!
果たして――
「押し切られた……!」
一度目とは異なる結果。
ダメージこそないものの、俺は吹っ飛ばされる!
「ご主人、手加減したんですか?」
「兄貴、手を抜いたんすか?」
「もちろん、全力だよ!」
スラゾウとゴレタは息を呑む。
「今のは必然だ、キラタロウ!」
距離を詰めてきたスカーレットは、見覚えのある槍を突き出す。
「偶然に決まってるだろ!」
俺は、拳を突き出す。
再度、拳と槍がぶつかり合う!
果たして――
「うっ!」
「くっ!」
俺とスカーレットは、ともに吹っ飛ぶ。
「今度は、互角かよ!」
「本当に偶然?」
「本当は必然?」
スラゾウとゴレタは顔を見合わせる。
「俺が弱いんじゃない、敵が強いんだ!」
俺は認識を改める。
「〈異世界王〉により、対象の情報を把握する」
俺は宣言する。
『〈異世界王〉の指定効果、発動』
一人目は――
【ステータス】
ネーム・グレゴール
クラス・パラディン
ランク・EX
スキル・擬似英雄EX
エクストラスキル・竜騎士の魂
【パラメーター】
攻撃力・EX(限界突破)
防御力・EX(限界突破)
敏捷性・EX(限界突破)
【アーティファクト】
武器・ロンギヌスの槍(ランクEX)
防具・ミスリルアーマー(ランクSS+)
二人目は――
【ステータス】
ネーム・スカーレット
クラス・パラディン
ランク・EX
スキル・擬似聖女EX
エクストラスキル・戦乙女の心
【パラメーター】
攻撃力・EX(限界突破)
防御力・EX(限界突破)
敏捷性・EX(限界突破)
【アーティファクト】
武器・ロンギヌスレプリカ(ランクSS+)
防具・ミスリルアーマー(ランクSS+)
「エクストラスキルと武具の効果によって、限界突破してるんだ!」
俺の指摘に、グレゴールとスカーレットは頷く。
「ご主人、その戦闘力は?」
「フェンリル以上だ」
「……まずいですね」
スラゾウは頷く。
「兄貴、片方、それとも両方?」
「どっちもだ」
「……やばいっすね」
ゴレタは頷く。
「単体の戦闘力は、俺よりも劣ってるみたいだ」
「双方の戦闘力を合わせると、ご主人を上回ってる?」
「どちらか一方を潰せれば、勝利は確実だろう」
俺は指摘する。
「ただ、一方を狙えば、もう一方に狙われる」
「一方だけを狙うのは、無理そうっすね」
「結局は、両方とも叩く必要があるだろう」
俺は主張する。
「ゴレタ、〈必滅の神槍〉を発動してくれ!」
「〈必滅の神槍〉っすね、了解!」
ゴレタは頷く。
「〈必滅の神槍〉――」
ゴレタの行動は、邪魔される。
「発動させるものか――〈竜人の一撃〉!」
グレゴールの繰り出した攻撃によって。
ドゴン!
「ゴレタ、大丈夫か!」
「大丈夫っす! でも、エクストラスキルの発動はできません!」
ゴレタは、グレゴールの攻撃を受け止めている。
「スラゾウ、〈戦女神の加護〉を発動してくれ!」
「〈戦女神の加護〉ですね、了解!」
スラゾウは頷く。
「〈戦女神の加護〉――」
スラゾウの行動も、邪魔される。
「発動させるわけにはいかない――〈聖なる一撃〉!」
スカーレットの繰り出した攻撃によって。
ザシュ!
「スラゾウ、大丈夫か!」
「大丈夫です! でも、やっぱりエクストラスキルの発動はできません!」
スラゾウは、スカーレットの攻撃を受け止めている。
「エクストラスキルの発動を、邪魔するつもりか!」
「君のエクストラスキルに限れば、対応は可能だ!」
俺の指摘に、グレゴールは笑う。
「隙を突ければ、エクストラスキルは発動できるぞ!」
「その隙を突かれる前に、勝負を決める!」
俺の反論に、スカーレットは微笑む。
実際――
勝負は、決まりつつある。
「ご主人、まずいです!」
「兄貴、まずいっす!」
スラゾウとゴレタは苦境を訴える。
「このままだと、押し切られる。――どうする?」
思い当たるのは、〈神器〉と〈神具〉の新スキル。
「一か八か、試してみよう!」
俺は覚悟を決める。
「スラゾウ、〈神器〉を発動してくれ!」
「……〈神器〉ですね、了解」
「ゴレタ、〈神具〉を発動してくれ!」
「……〈神具〉ですね、了解」
スラゾウとゴレタは頷く。
「〈神器〉!」
「〈神具〉!」
グレゴールとスカーレットに邪魔されるよりも早く――
両者の新しいスキルが発動する!
それは――
『〈神器〉と〈神具〉の発動に伴い、あなた専用の武器と防具が装備可能です』
頼もしい言葉が浮かぶ。
「騎士王モード発動!」
俺は宣言する。
同時――
【アーティファクト】
武器・ミョルニル(ランク∞)
防具・アイギス(ランク∞)
「それは――」
グレゴールとスカーレットは、息を呑む。
「勇者スラゾウこと、絶対防壁アイギス!」
「勇者ゴレタこと、完全粉砕ミョルニル!」
アイギスとミョルニルと化した、スラゾウとゴレタは自己紹介する。
「神々の武具だ。擬似英雄なら、それに擬似聖女なら、相手じゃない!」
俺はアイギスを着込み、ミョルニルを構えた。
敵味方ともにインフレ気味ですが、打ち切りではありません。
強いて言うと、一つの区切りに向かっています。
その時には、タロウたちは名実ともに、「最強無敵」になると思います。