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06話 「なつ」


この子は……見たことある気がす……

「すみません!知りません!離してください!」

「待って待って!少しだけでいいから!」

「月雲家なんて知りません!」

さっきまで菊野歩の話をしていたんだから知っているものかと思ったけど……違ったか。


ん?待てよ。


「何回待てっていえば気が済むんですか!やめてくだ……。」

ダメもとで聞いてみよう。

「空乃舞夜の家知ってる?」















あっさり案内させてもらえた。

空乃舞夜は同級生の中でも雨璃の次に印象が強い人だ。覚えていてよかった……。

「ありがとう。もうじき日が暮れるね。攫われないようになー!」

「私は高一だっ……ですっての!」

「……」

少女は歩いてきた方向とは逆に走っていった。

さっきの『私は高一だっ……ですっての!』という叫びを聞いたのか窓から月雲雷が顔を出した。

「誰だお前は……。」

「ちょいと家に入れてくださいな!」

「知らない人を入れる馬鹿がいるか!?帰れ!」

「菊野歩についてお前を問い詰めに来た。」

「!?」

窓がピシャリと締まり玄関のドアが開いた。



「どうぞ。」















部屋が整いすぎててスースーする。



「アンタと菊野はどんな関係なわけ?」

「私が問い詰めるって言ったのに質問されちゃったし……。いいよ、教えてあげる。公園で会った仲よ。」

「公園ってどこ?」

「私が通ってた中学の近く。彼女はよく1人で走ってたわ。あまりに見てて可哀想だったから話しかけたら仲良くなったの。価値観が合ったとか……そんな感じ?」

「へぇー、でも途中から来なくなったんじゃないの?」

「うん。飛び降りたことが分かったのは1年後くらい。本人が言いに来たの。『生きているのが不思議。動けているのが謎。私の恨みの先は月雲雷とその他。』と言い放ってそれ以降姿を現さなかった。しばらくして私はあなたを探そうと思ってここまでたどり着いた。」

「私が犯人?笑わせないでよね。何もやってないわよ。」

「呆れた。大体そんなこと言うやつが主犯なんだよな……。最近の子はもっと陰湿で隠したがるけど。」

「何を言いたいのか分からないけど、私は犯人じゃないし飛び降りたのも自業自得。早く帰って頂戴。」

「そうね。夜になりそうだし。」

スースーしていた部屋がどんよりとこもった。








するといきなりインターホンが鳴り出した。

次回の更新は明日とさせていただきます。

遅れてしまい申し訳ございません。

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