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05話 「くも」


なぜ逃げているのか分からない。

でも……なんとなくあの人達とまだ関わらない方がいいって思ったんだ。





「これ一つください。」

「はいどうぞ。いつも買ってきますね。」

「なんとなくだよ。」

この地域で有名な『カラフルアイスクリーム』は咲先輩……羽場咲の母親が経営している。

ゆっくりとおばあちゃんが近寄ってくる。

「おや、有亜ちゃんかい?」

「は、はい!」

なぜ私の名前を知っているのか聞いてもはぐらかされそうで聞けなかった。

「元気そうで何より……あぁそうだそうだ。前髪がやたら長い子を見かけんかったかね?凄い勢いで走っていって分からんので……。」

前髪がやたら長い子?走ってたら前髪が吹き飛んでそうだけど。

「すみません。知りません。」

「そうかい、じゃあさようなら。」

おばあちゃんが歩き出そうとした時、冷たい手が動いた。

「お客様……その子は菊野歩さんではないでしょうか?」

「そうそう!ありがとね~。また来るよ。」

「いえいえ!」

菊野歩?誰それ。

「あの、店員さん。」

「はい!何でしょう?」

「菊野歩って誰?なんでその人のこと知ってたの?」

「こらこら……有亜。人に尋ねる時は敬語で話すんだよ……」

あんたも何者なんだよ!と聞きたいがとりあえず先に菊野歩について知ろう。

「菊野歩さんは私の娘の今の友達が中学時代の時によくここに来て話をしていた時に出てきた人よ。特徴なら覚えてるわ。」

「えーと……咲先輩の友達である雨璃先輩がカラフルアイスクリームに来てて、その時によく話していた人が『菊野歩』という事ですね。」

「すごーい!流石有亜ちゃん!」

「で、何者なんです?彼女は。」

「長話になるから有亜ちゃんのお祖母様は帰って下さい。熱中症になると大変ですし。」

「分かったよ。じゃあね、有亜。」

「あの人私の祖母なの!?」

なるほどね。

















「彼女は昔スポーツ万能の天才少女だったの。しかし必ず嫉妬するものが現れる。それがクラスの女子。雨璃さんを除いてね。とある日に球技大会のバレーの練習をしていたんだけど、菊野さんは女子にボールを散々に投げつけられてね……笑顔で返してたみたいだけど。でも……彼女は突然飛び降りた。」

「え……。」

「幸い助かったものの、体はあまり動かなかった。それから彼女がどうしたかなんて聞いてないわ。」

「その人って……3年くらい前に新聞に載ってた気がする……。」

「なんて?」

「『死にかけの少女が蘇るかのように走り出した!校内初の記録更新!』です。」

「どうやって死にかけにまでなったのかは当然言わないでしょうね。はぁ……。」



「私はさがしません。」

「え?」

「追われてますので!それじゃあ!」

「待って!ちょっと待って!」

座っていた席を立ち、去ろうとした時。

茶髪のツインテール女がいた。

「私を月雲家まで案内して!」

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