第11話 逆サイド
黒木乃有
南高校 1年、モテ男
黒木乃有side
「私、黒木くんのことが好きです!
付き合ってくださいっ/////」
「ごめん。今、誰とも付き合う気ないから。」
聞き飽きたセリフだ。
何回このやり取りをした事か。
つまらない。
別に彼女がほしいくないわけじゃない。
ただ、彼女にしたい子がいないだけだ。
だから今のままで不満はない。
今にも泣きそうな女を置いて、
俺は歩き始めた。
「おーい、ノア!
お前、また振ったのかよ!」
「覗きか?悪趣味。」
「違うわ!今日、俺ん家来るって言ってただろ!
待ってたんだよ!」
「そーだったな。帰るか」
「でさ、それであいつがーーー…」
ダイスケがひたすら話してる。
つか、歩くの速いな。
話に夢中で、俺を置いて先に進んでる。
「んで、面白かったのが………?」
急に走り出すダイスケ。
数m走って、
「おーい、ここに人が倒れてるんだけどーー!!」
「早く来てくれ!」
とか叫ぶから、仕方なく走って近づいた。
「なんだよ?」
「ほら、こいつ↓↓」
ダイスケの指の先を見る。
え、なにこれ。
なんでこの女、田んぼの脇で寝そべってんの?
流行りなの?JKってそーゆー感じなの?
なんか知らんけど、頭抱えてるし。
興味本位でしゃがみこみ、そいつを覗いてみる。
「大丈夫か?お前」
いや、もちろん頭のことだよ。
どう考えても、おかしいでしょ。
女が顔を上げ、俺を見る。
…見るだけで何も言わない。
やっぱ頭、やばいのか?
「おい、大丈夫なのか?」
「あ、はい!大丈夫です!」
普通に元気じゃん。
まじで何してたの?
ふと、名札を見た。
…女子校か。
「桃原…るい?」
あ、やべ。声出てた。
「うん、そーだけど…?」
まあ、合ってるよな。それぐらい読めるし。
ま、いいや。変わった女だったな。
「ふーん。そっか。
ダイスケ、帰ろう。」
帰って何するか喋ってたから
てきとうに返しながらダイスケの家に向かった。
ダイスケの家に行ってゲームしながら
俺はあの、変な女が気になっていた。
『女』と言うよりは『未知の生物』みたいな?
そういう、興味があった。
「おい、ノア!!
やめろ!死ぬ死ぬ!!
やめっ、ちょ!ああああああああああ!!!」
うるさいな。
そして、やっぱ下手くそだな。
ラインッ♪♪
LINEが来た。めんどいな。
LINEを無視して、Twitterを開く。
…あいつ、Twitterしてんのかな?
検索 [女子校 桃原瑠衣]
…検索っと。
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