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守護霊様は賢者様  作者: 桐谷鎭伍
第四章 動乱編
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逢魔が時~③

「洗脳って、そんな事出来るの?」


「そうだぜ。しかもこれだけの数を全部って無理だろ」


『出来る出来ないはともかく、一部の魔物達は確実に洗脳されているのは間違いない』



 魔物を洗脳できるのか、またどうやっってという疑問はともかく、ステータスにそう記されている以上は洗脳されているのは間違いない。 



「状態異常とは違うの?」


『そこは何とも言えんが、魅了(チャーム)の様な一時的な物では無いのは確かじゃろう』


「チッ!まったく次から次へと面倒くせぇ」


『終末教の連中も魔物を洗脳するという事は無かった、おそらくザービス教になってから開発された何かじゃろう』




 冒険者の基準で考えればオーク一体と戦うにはC級相当の実力かD級のパティ―で挑むべきとされており、これが複数のオーク達になればC級のパーティ、単独で戦うのならばB級相当の実力が必要と言われている。 オークとホブゴブリンが同程度の脅威度されておりハイオークともなればB級のパーティで挑むべきだろう。 


 因みにB級冒険者まではある程度の実力と貢献度があれば上がる事が出来るが、A級ともなればそう簡単にはいかない。 あくまでも階級としてB級の次がA級となっているだけであって、A級冒険者とB級冒険者ではその強さは比較にならない程の差が有る


 つまり、アルベルトやバイマトはハイオークを簡単に倒しているが一般の冒険者であれば既に複数で当たらなければなら無いくらいの魔物達が群れで現れているという事だ


 しかも、ハイオーク達が洗脳されている訳では無く後方に控える更に上位の個体に隷属しているに過ぎないという事は、どういった方法で洗脳しているかは不明だが洗脳の間上位種を抑え込めるだけの実力を持つ者がザービス教にいる事に他ならないのだった



「ゴチャゴチャ考えてても仕方ねぇ。マーリンさんよ、洗脳されてる奴を捕まえたら何か判るか?」


『ふむ、約束は出来んが詳しく調べれば判る事もあるじゃろうな』


「おし、アル。いっちょ派手にやるぞ」


「うん、洗脳されてるのを残せばいいんだね」


「ん・・・デッカイ奴?」



 ザービス教内部にいる実力者の事は考えても仕方が無い、今は洗脳の事を調べるのが先決であろう。 だが、それをバイマトが言うと至極単純な話に聞こえるから不思議であった


 目標は洗脳された上位種、その捕獲に絞る。 だが、その他の魔物達も放っておいていい訳では無い。 自然発生した魔物の群れでは無く洗脳という人為的な手段を使って集められた以上は逃げ出した魔物達がどこでどんな被害を齎すか判ったものでは無いのだ 



「早い者勝ちだかんな。ビッグインパクト!!」


「バイマトそれってメイスの戦技(スキル)じゃない!?」


「はっはっは、使えりゃ関係ねぇんだよ」



 大上段から振り下ろした一撃が大地に打ち下されると、衝撃と共に巻き上がった土砂が魔物達を吹き飛ばす。 本来はメイス等の打撃武器で使用される技なのだが、バイマトは自身の膂力に任せて強引に発動させてしまっていた。 並みの大剣や使い手で有れば即座に折れてしまいそうなものだが慣れているのか大剣には罅一つ入っていない



「まったく、あのバカ。また、なんかやらかすつもりみたいね」


「私達も前に出た方が良い?」


「そうね、フォローに回りましょう。ウマルもそれでいい?」


「ええ、おこぼれは任せておいてください」



 少し後ろで、アルベルト達の隙間を抜けてきていた魔物達を駆逐していたカイヤ達。 距離が有った為にどういった経緯でバイマトがいきなり攻勢に出たのかは判らなかったが、それでも彼が何かやらかすつもりなのは長い付き合いの彼女は読み取ったようだった


 バイマトが本気で暴れようとしている上に、アルベルトとヴィクトリアも同じように突っ込んで行った処を見ると何かしらの理由も有るのだろうとエリザベスと共にフォローの為に前に出る。 戦力的に少し不安のあるウマルは一歩下がるつもりの様であったが、嬉々として暴れるバイマトの様子を見れば雑魚の狩り残しくらいしか残っていないだろう



「マーリンさんよ、洗脳されてんのはどいつだ?」


『ふむ、後ろのオークキング、それにゴブリンロード。後は・・・マスターオーガじゃな』


「普通、先に確認しない?」


「細けぇこたぁいいんだよ」


「ん・・・ドラゴニュート?」


「ああ、さっきバイマトが吹き飛ばしちゃったよ」


『そう簡単な相手ではないんじゃがのう』




 テンションの上がったバイマトは正に無双状態であった。 マーリンが呆れるほどの勢いで敵陣深く突っ込んで行く様は二つ名の【剛腕】に恥じる物では無かった。 


 襲い掛かるハイオークの巨大な剣を躱すのも面倒とばかりに大剣をぶつけて吹き飛ばす。 よろけた処にチンピラがするような喧嘩キックで顎を打ち上げると浮いた身体に大剣を突き刺す。 それを隙と見做したホブゴブリンにハイオークが突き刺さったままの大剣を横に振るってハイオークをハンマーの様にしてぶつける


 金属の鎧を身に着けたハイオークに頭を潰されたホブゴブリンには視線すら向けずに次の得物を探して大地を踏みしめると、身体ごと捻って大剣を振り回す



「プギャー!」


「アル、止め刺しといてくれ」


「ん・・・こっちも」


「二人共もう少し丁寧に・・・っとあぶな!」



 バイマトの動きに触発されたのかヴィクトリアも小柄な体を活かして魔物達の隙間に身体を捻じ込む。 勢いを乗せて突き出された掌底がリザードマンの鱗に突き刺さると、突き抜けた闘気がその背中を吹き飛ばす


 彼女が操る浸透する打撃は相手の武器を弾いた際にも有効に働くのか、持ち手の肘が破裂する様に砕け怯んだ相手に背中でぶつかり吹き飛ばす


 競争する様に中央に向かって進む二人の通った後には斃された魔物に混じって手負いの魔物達が蹲っていた。 とはいえ、そんな状態でも隷属状態にある下位の魔物達は上位の命令には背けないのか二人の後に続くアルベルトに襲い掛かってくるので彼にしてみれば普通に魔物と対峙するよりも気を使う事になる



「ヒャッハ~、次はどいつだぁ?」


「ん・・・旋風爆裂拳!」


「もう!ちゃんと倒してよ!!」



 世紀末なお兄さんの様なセリフのバイマトが舌なめずりしながら敵を葬り、両手を広げて全身から放たれた闘気を放ったヴィクトリアが渦巻く風と共に魔物達を吹き飛ばす。 それにブツブツ言いながらもアルベルトが手負いの魔物の首を的確に刎ねていく



「ねぇ、私達必要?」


「ああなったら止まらないわね」



 フォローの為に前に出てきたエリザベスとカイヤはフォローが本当に必要だったのか呆れ半分でその姿を眺める。 バイマトとヴィクトリアが暴れた残りをせっせとアルベルトが倒して回っているので彼女たちの出番はまるでなかった



「まさか狩り残しすらいないとは思いませんでした」


「ま、こんなもんでしょ?一応魔法の用意だけはしておいてね」


「う~ん必要かな~?」



 百を超えると思われた魔物達は既になく上位種たちを残すのみとなっていた・・・

時間が無くて取敢えず投稿しますが、まるで遂行していないので後で直します


申し訳ありません

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