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狼の気持ち『四』
俺は落ちた問題用紙を拾い
「どうぞ」 といいながらその子に問題用紙を渡そうとした。
その子はトントンっと
俺の肩を叩くと同時にメモを渡してきた
(なんだろう?)
そう思いつつメモを受け取り
そのメモを見た。
〝ありがとう〟
メモにはそう書いてあった。
まさか…こいつ
俺はメモからペンを取り出し
受け取ったメモの空いたところから書いた
〝お前、真衣なのか?〟
今、一番知りたい
本当にこいつは…
俺はそれだけメモに書いてその子に見せた
すると、その子はメモを見ると驚いた顔で俺の顔を見た。
そして急いでメモに書いて
〝もしかして『いっくん』?〟
「いっくん」
その言葉を聞いてまた、昔のことを思い出した