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心の声『二』
「あだ名かぁ…」
あの時から人と関わってなかった俺に
【あだ名】 というのは…
あいつがつけたのしかない。
だからと言って「いっくんって呼んで」 って言うもの
どうかと思うが…。
いや、ここはつけてもらお
いっくんって呼ばれるのも恥ずかしいし
と言うか「呼んで!」 なんて自分から言えない
「なんでも呼んでいいよ」
適当過ぎな答えだ。
「わかった!じゃあ…」
清水さんは自分の髪の毛をいじりながら
俺のあだ名を考えてる
「あっ!」と清水さんは声を出した
何かいいのを思いついたようだ
「ねぇ狼くんっていうのはどう?」
狼くん…『一狼』の狼を取っただけの
シンプルなあだ名だ
一匹狼みたいな性格の自分。
まさに自分に合うあだ名だな
そう思うと笑えてきた