異世界でのお仕事3
次の日
私は、ミスティ様の部屋の前に居ます。
トントン
「おはようございます。ミスティ様。入りますね」
中からの返事は無かったけど、私は昨日と同じく扉を開けて中へ入った。
相変わらず、部屋はぐちゃぐちゃのままだった。
ミスティ様、そうとう暴れたのね……。
部屋を見回していると、ミスティ様が窓辺のイスに座っているのに気付いた。
「ミスティ様、昨日言っていたお菓子です、チーズケーキって知ってますか?」
「チーズケーキ?……」
「はい、私の世界の“牛”という動物からとったミルクで作った、チーズというのをたくさん使ったケーキです。いくつか種類があるのですが、今回はベイクドチーズケーキという種類です。」
説明をしながら、テーブルに用意をしていると
ミスティ様が、イスから立ってこちらに来ていた。
「他には、どんな物があるの?」
「他には、レアチーズケーキといってこれよりもさらに、濃厚な味の物。あとタルトのようにしたものがあります」
「今まで、生クリームのケーキしか食べたことが無いわ……そんなに種類があるのね」
このルチーナ王国でのお菓子は、生クリームをたっぷり使った物が多いらしい、だから女性でもお菓子をあまり好きになれない人が、多いらしい。
私もこっちのお菓子を厨房の人に食べさせてもらったんだけど……生クリームが多過ぎて、途中で胸焼けするほどだった。
ミスティ様は、健康のためと言われあまり食べていなかったらしい。
「さ、用意できました。どうぞ、ミスティ様」
「……頂きます」
ミスティ様は、フォークで小さくして口元まで持っていて、少し躊躇いながらも口の中に入れた。
「!!おいしい!」
「それはよかったです」
「口に入れた途端、チーズ?がふわって口の中で広がって……おいしい!」
たいそう気に入ったみたいだ、目をキラキラさせて美味しそうに食べている。
そして、ミスティ様はあっという間に完食した。
「本当においしかったわ、ありがとうマイ」
「いえ、喜んで頂けてよかったです。」
「明日も食べたいんだけど……」
「分かりました、作ってきますね。」
「やった!」
「……さて、ミスティ様。とりあえず今日は、お部屋を片付けましょう」
「そう、ね。せっかくマイがおいしいお菓子を作ってきても、部屋がこんなんじゃダメね」
「はい、ミスティ様は簡単な物の片付けをお願いします」
それから、ミスティ様と私は部屋の片付けに一日を費やした。