嵐が来た3
「お茶会、ですか?」
私は、今、ミストラス王子の執務室にいる。
いつものように、ミスティ様と一緒に午後のティータイムをしていた時に、ティグリスさんとタリウスさんを伴って、ミストラス王子が来て私に話があるというので執務室に来ている。
「あの、なぜ私が?」
「それが、何故かマイとご一緒に来て下さい。という手紙が多くてね」
「そう、ですか……」
「気が向かないのなら、無理にとは言わないけど」
「私なんかがお茶会に出てもいいんでしょうか?私は、侍女という立場ですし」
「それは問題ないよ。あっちがマイを誘ったんだからね、それにこっちからもマイは侍女だということをちゃんと伝えているからね」
「そうですか、なら大丈夫ですね」
「出るかい?」
「はい、断る理由もありませんしね」
「なら、ドレスを作らないといけないね。明日は仕事はお休みしてね」
「仕事を休む、ですか……」
「ドレスを作るのは、1日かかるからね」
やっぱり、それぐらいかかるんだ……。コルセットあったら嫌だな。ギュウギュウに締め付けられたら、お茶を飲むなんて無理だな~。
でも、なんで私のことを知ってるのかな?
私のことは、必要最低限でミストラス王子とティグリスさん、タリウスさん。あと、国王夫妻ぐらいにしか話してなかったはずだけど……。ベルリーナ様が何か言ったのかな?
だとしたら、本当に面倒なことになったな。
「とりあえず、明日職人を城に呼ぶからそのつもりで準備していてね」
「はい、分かりました」
「それじゃ、もうミスティのところに戻ってくれ」
「では、失礼致します」
私が執務室から出ると、ティグリスさんとタリウスさんが待っていた。執務室に入る時、ミストラス王子がここで待つように言っていたからだ。
「なんの話だったんだ?」
「私にお茶会のお誘いが来たらしいので、それをどうするか聞かれました」
「どうするんですか?」
「出ることになりました。断る理由もなかったので」
「そうですか」
「はい、それで明日は1日お休みをもらいました。」
「何かあったか?」
「明日、ドレスを作るそうなので」
「あー、なるほどな」
「それで1日かかるんですね」
「はい、それじゃ私はミスティ様のところへ戻りますね」
「はい、お茶会頑張って下さい」
「ありがとうございます、では」
私は、ミスティ様のところへ向かった。
その後ろで……。
「まさかとは思いますが、ベルリーナ様が仕向けた訳ではありませんよね?」
「さあ、どうだろうな……とりあえず、ミストラス王子にそのお茶会に、誰が出席するのか聞いといた方がいいかもな~」
「面倒なことにならないといいのですが……」
「そうならないように、祈っとくよ」
こんな会話がされているとは、思ってもみなかった……。