異世界でのお仕事5
2日後
ようやく騎士団の訓練を、見学できる許可が下りた。ミスティ様の体の調子も良く、今日の午前中に見学することになった。
2日前、おやつの時間にお菓子を持っていくと、タリウスさんは朝の時よりも……やつれていた。
タリウスさんも大変だな……。
いや、ティグリスさんが大変なのか?
とりあえず、ミスティ様を連れにいかないとね……。
私は、ミスティ様を呼びにミスティ様の部屋へ行き、ミスティ様と一緒に騎士団の訓練場へ向かった。
「おはようございます、タリウスさん、ティグリスさん」
「おはようございます、ミスティ様、マイさん」
「おう、来たな」
「今日は、よろしくね。タリウス、ティグリス」
「はい、ミスティ様。今日は、騎士達を実践形式で闘わせます」
「実力をみるのですね」
「はい、ミスティ様とマイさんはこちらへ」
ティグリスさんに案内されたのは、訓練場を見渡せるところだった。そこに、テーブルとイスが用意されていた。
「いくら体調がいいといっても、無理は禁物ですから」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
私とミスティ様は、そのイスに座らせていただいて、訓練が始まるのを待った。
「これより、実践形式の試合を開始する。あらかじめ発表していた順にやっていくぞ」
「第一試合の者達は前へ!なお、今回は姫様が見に来られている。くれぐれも、無様な試合はしないで下さいね」
やっぱり、ちゃんとするときはちゃんとしてるんだな、タリウスさん。
男の人がこんだけ多いとやっぱり、熱気が凄いなー……。確か、騎士団で働いているのは男だけだって言ってたから、ミスティ様が来たことで気合いが入ったかな?
ミスティ様が手を振ってるから、騎士団の人達は顔が緩んじゃってるし……。
「皆……訓練したりない様子ですね。明日から訓練のメニューを増やしましょうかね」
ティグリスさんの、その一言で蜘蛛の子を散らすように、騎士の人達は第一試合の人達を除いて皆、訓練場の客席へ行った。
やはり、ここでも最恐ですね……ティグリスさん。
それから、ちゃくちゃくと試合は進み昼食の時間になった。
「ミスティ様、私達も昼食にしましょう。」
「やったー!今日は何?」
「今日は、オムレツですよ」
「わーい!」
「お、うまそうだな」
「ほんとですね」
「お二人も食べますか?」
「いいんですか?」
「はい、どうも作り過ぎてしまったので食べて頂けるとありがたいです」
「それでは、頂きます」
「はい、準備をしますね」
それから、4人で楽しくご飯を食べたあとタリウスさんとティグリスさんに、今日の見学のお礼を言ってミスティ様と部屋へ戻った。