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偽りの花

あなたは幸せな日々が続くと思いますか?

あなたは気付くことができますか?

当たり前に生きる日々の幸せを。

あなたは気付くことができますか?

幸せな日々が有限であることに。



■花言葉

 人は嘘をつく。 

 人間だけが嘘をつける。

 なぜ?どうして真実を捻じ曲げようとする。

 自分のため?それとも誰かのため?

 それでも俺は・・・。

 

 時が止まっている。 

 いや、止まっているわけではない。

 脳が今この瞬間を現実として捉えたくないだけ。

 知らない俺が拒否している。

 夢。だと思い自身の頬をつねる。

 もう百回は繰り返したが、頬は痛く目は覚めない。

 

 誰かが泣いている。

 違う。泣いているのは俺自身・・。

 彼女達が泣くことはない。笑うことも。

 感情もない。

 ・・・どうして俺は泣いている。

 最期まで信じていたから?

 違う。”信じていたかった”からだ。  


 これ以上俺は何を失えばいい・・?

 自分自身に問いかけるが答えは返ってこない。

 そうか・・失うわけでも、捨てるわけでもない。

 眠る。そう、眠るだけ。ここにいる皆と・・・。

 

 

 難しいことは考えるな。 

 深呼吸しろ。

 息を吐く度に蘇る。


 当たり前にくる毎日が特別で。

 何よりも輝いて大切だった。

 

 それももう叶わない。

 でもこれが一番の・・・。

 俺の答えだった・・・。


 これでよかったんだ。他にどうすればよかった?


 俺自身を納得させようと俺自身に語りかける。


 そうだ。もしまたあなたに会えたなら・・・。

 今度こそ。


 でももういい。もう。

 自分の心を偽れ。

 それが俺にできる最後のこと・・・。



 窓から見える鬼灯の花は白く奇麗だった。 

 何かを誘うかのように・・・。

 嘘偽りの無いくらい真っ白な花だった。


 鬼灯。花言葉は「偽り」

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