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3話

※2014/09/19 修正版と差し替えしました

 男は馬鹿だな本当に。あたしが何人でも相手してあげるってちょっといったら、本気にして手下の二十人全員が集まってくるし。

 どんだけ異世界の男は溜まってんだって話だよ。


 まぁおかげで一人一人相手するよりは楽だったけどね。

 それなりに時間使ったけど、だけど、色々とフル活用すれば一度に八人ぐらい相手にしても楽勝だった。あたしは身体が柔らかいのも自慢だしね。


 あ~あ、でもやっぱ最悪だな。身体中なんかくせぇし。顎も疲れていてぇし。


「なぁ。ここ服とかねぇの?」


「あ、はひ。この奥に、奪った服らぁ、はぁああん」


 男のくせに変な声出すなよ気持ちわりぃ。余韻に浸るって男のするこっちゃねぇよな本当。


 まぁいいや。とりあえず奥の部屋でっと、あぁこれか。チッ、やっぱだせぇのしかないな。異世界じゃしゃあねぇか。


 適当に選んで、いらない服を使って身体を拭いてっと――


 うん上等上等。鏡がないからわからないけどまぁこんなもんでしょう。

 スカートの丈なげぇし、なんか色も地味だけど。


 あぁでも胸だけは苦しいな。上乳はみでちまってるし。まぁ豆は見えてないからいいか。




◇◆◇


 で、宝箱もみつけて鍵もあけて。ここまではいいんだけどさ。どうやって持って行こうかって話だよな実際。


 宝石とか、金塊とかいろいろあっけど、流石に全部持っていくのはきっついというか無理だよなぁ。う~ん。


 でもちょっとだけ持って行くってのもなぁ。大体あんだけ身体つかってそれじゃあ割に合わないっての。


 ……そういえば、なんかあいつらサイズも皆違ったはずだけど、どうもみんな吸い付くっていうか、股の中がしまってた気がするんだよなぁ……なんか気になってたんだけど――


 金塊か、眩しいな。結構でかくて長いし。

 あんな男共よりずっと逞しい気がする。


――いやいやいや。何考えてんだあたし。ないって。それはないって。でもなぁ、なんでだろ、いけそうな気がするんだよなぁ。


 えい! ままよ!


 あたしは意を決して股を開き、黄金のソレを押し込んでみた。

 そしてぐいぐいと力を入れるといくと――


 入っちゃったよ完全に……


 ちょっとひんやりした感じが気持ちよかったかな。て、いやいやそれどころじゃないっしょ。何これ? は? どうなってんの?


 あたしは色々疑問に思いながらも再び金塊、宝石、王冠、尖った水晶突きの杖、握り拳大のダイヤモンド、七色に光る玉などを同じように収納していく。


 そしてそれらは慣れてくると何の抵抗もなくあたしの中に入っていき、最後の方にはまるで掃除機でも使って吸い込むような感じで取り込めてしまった。


 おいおい、まじかよ。


 そう思いつつも、じゃあ入れたものはどうなるのか? と考えたあと、何となく取り出したい物をイメージし膣に力を込めたらポン! とまるで出産でもしたかのように中から飛び出てきた。


 そこであたしは理解した。あの神様にそういえばなんかチートくれってお願いしたけど、きっとこれがその能力なんだと――




◇◆◇


 細かい事を考えるのは苦手だ。

 だからまぁ、そんな能力が手に入ったんだなぐらいで納得することにした。


 まぁ正直もっとマシなのを寄こせよとか思うが、今更文句をいってもしかたないだろう。


 しかしなぁ股座が四次元ポケットとはね、居眠り大好き駄目少年もびっくりだよ。


 とはいえこれで盗賊のアジトにも用がなくなって、これからどうしようかって感じだったんだけどね。


 とりあえず奴等の仕事内容から予想して、今あたしは洞窟を抜け西の街道を目指してる。


 どうやらそこはよく貴族の馬車が通るようで、賊の奴等はよく狙ってたようだ。


 ただ今日通る奴は、街道を北へ進んだ町の領主さんで護衛も本人も剣の腕がたつらしい。

 だからそういう時は狙わないようにしてるそうだ。


 奴等が今日に限ってあたしがいた場所にやってきたのも、行動範囲を広げるためだったとか。


 運が悪いのかいいのかよくわからないね本当。


 そんなわけで街道のそばまでたどり着くと、馬の蹄の音が聞こえてきた。タイミングいいなまじで。


 目を凝らすと、確かに中々豪奢な馬車が近づいてくる。


 あたしはは近くの林の中で、着ている服をびりびりに破り、半裸に近い状態で馬車の前に飛び出した。


 すると馬が嘶き、前肢を天高く突き上げるようにしながら、その動きを止めた。

 御者の顔も少し青くなってる。こんなんでびびるなよ。


「何事だ!」


 馬車の扉が開いて銀色の鎧を身につけた男が姿を見せた。うわぁまじでこんな格好してんだな。重くないのかね。


「も、申し訳ありません! この女が突然――」

 

 御者の奴は私を指さして、その騎士に理由を告げる。自分は悪く無いですよ悪いのはこの女だ! とでもいいたげだ。むかつくな。ま、間違ってもいないけど。


 と、なんかこっちを睨んできてるな。顔こえぇなこのおっさん。

 とは言え、流石にこのまま黙ってるわけにもいかないな。とりあえず土下座の姿勢で――


「ご、ご無礼をお許し下さい騎士様。ですが私、賊の者達に囚われてしまい、命からがら暴漢達が根城とする洞穴から逃げ出した次第でございます。何卒! 何卒お助けを――」


 あたしは思いつく限りの台詞を並び立て、騎士に懇願した。すると馬車の中から、賊だと! という声が上がる。

 強い口調だ。だが目の前の騎士よりは若い感じもする。


「娘よ。詳しく聞かせて貰おうか」


 外に姿を現したのは中々のイケメンであった。しっかりと纏められた上品な金髪に目鼻立ちも整っている。身長は騎士よりも低いがそれでも百七十センチ以上はありそうだ。

 着ている服も流石にそれっぽい。かなり立派な印象だ。


 そしてついでに言えば性格も良さそうであった――





◇◆◇


「ここがその賊のいる洞窟か――」


 入り口となる穴を見つめる二人の表情は怒りに満ちていた。

 あたしが二人に涙ながらに事の顛末を話すと、二人は表情を一変させその場所まで案内せよ、と言ってきた。

 

 一応賊の人数は伝えたが、賊がいくらあつまろうと烏合の衆! と言い捨て意に介しない様子だった。


 まぁ元々奴等も彼等には手を出さないようにしていると言っていたぐらいだしな。そうとう強いのかもしれない。


 因みに当然だが二人にあたしが話した内容には脚色も含まれている。でもまぁドラマなんかでも大げさに物語を変えることなんてザラだ。別に問題ないだろう。あたしが盗賊のアジトに連れて来られたのは事実だしね。


 あぁそういえば、この騎士の名前はアレックス。なんかよくある名前っぽいな、もう一人の立派な方はメルセルスといって件の街道から北へ二日ほど走らせた先にあるヨーシワラ地方の領主で伯爵様だそうだ。どうりで立派なはずだよ。因みにアレックスはその伯爵家の専属騎士だそうだ。


 やれやれ立派だねと。


 おっとそうこうしてる内にアジトの中についちまったな。あぁやっぱもう何人かは起きてるか。でもまだ疲れきって倒れてる奴も多いな。たく、だらしねぇ。


「な!? メルセルス拍に騎士のアレックスだと! どうしてここに!?」


「お、女! おまえ一緒にって! ど、どういうつもりだ!」


 うん。まぁ予想通りの反応だな。とはいえあまり余計な事は言ってほしくないし。


 あたしは泣くのは得意だ。どっかの子役なみに、いや、下手したらそれ以上に素早く涙をながすことが出来る。


 だから今も、瞬時に涙を溜め、奴等から顔をそむけ、嗚咽混じりに、

「あ、あいつらが、私を、私の身体を――」

とまぁこんな感じで悲壮感を出せば。


「こ、この腐れ外道共がぁあああぁあぁあ!」


 ほらあっさり。いやまじでチョロいわ。なんか本当問答無用って感じだな。

 あ、アレックスが大剣振るったら二、三人の首が吹っ飛んだな。いやすげぇ力だわまじで。


 伯爵様もやるね。なんか細長い剣で盗賊たちを斬ったり突き刺したりしてるよ。


 いや本当強いわ。殆どのやつ一発で仕留めていくからね。まぁと言ってもさっきまであたしと発情してた連中だ。未だ裸のやつも多いし武器もまともに持ってない。


 あ、あいつ粗チンがぶった切れた。うわぁ地面転げまわってるよ。ありゃいてぇわ。て言ってる間に頭ふっ飛ばしちゃったよ。本当異世界の男どもは容赦無いね。


 全くまだ始まって三十分もたってない気がするが、もう全滅だよ。あいつらがヘタレなのかそれともこの二人が強すぎるのかね。


 まぁそんなわけだから、あと残ってるのはあの頭だけって事になるわけなんだけど――。



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