17話
※2014/09/19 修正版と差し替えました
絶景を眺めながらの橋渡りも終わりをつげ、更に馬車は走り続ける。峠を超え、後は下っていくばかりだ。ユニコーンも速度をます。
そして後ろの巨大猪もその衝撃で跳ねまわる。本当に大丈夫なのかコレ?
で、そうこうしてる内に麓近くに到着。と、そこであたしは馬車を止めてほしいと願った。
理由は綺麗な川が流れているのが見えたからだ。どうせ風呂は期待できないし、できれば水浴びしていきたい。
「そうですな。予定ではこの先の麓の村で一晩明かす予定ですし、それもいいでしょう」
そう言って犬が、小窓から御者に告げ適当な河原の空いた場所に馬車を止めた。
てかこの馬鹿、下りの勢いでまた酔ってやがる。どんだけ乗り物酔いしやすいんだよ。
「私、お水を汲んでまいりますわ」
アリスが水筒持って川に向かった。上流側で汲んでくるようだ。犬は横に付いているつもりみたいだな。さすが専属騎士。
「それでは私は少し身体を清めに……」
ようは身体を洗ってくるぞって話だ。お花を摘んでまいりますと似たような表現だな。
「マ、リヤ、私も一緒に……」
いや馬鹿は無理だろ。てかそのまま入ったら変なもの流し込みそうだ。勘弁してくれ。身体を洗いに行くのに汚してどうする。
「その調子では無理をしてはいけませんわ。そこでゆっくりお休み下さい」
そう言い残して川に向かう。てか犬も残念そうにしてやがる。いいから馬鹿みとけ。あたしもたまにはゆっくりさせろ。
◇◆◇
本当に混ざりっけのないクリアーな川だった。透明感ハンパねぇ。魚とかめっちゃみえるし。てかこれ食えんのかな?
とりあえずあたしは生まれたままの姿になって、川に脚を入れる。冷た! でもそれがいい! て何いってんだか。
流れは急じゃない。水深もそうでもないかな。川の半分ぐらい進んで、お腹よりちょっと上って感じだ。
いやぁやっぱお風呂も入らないと気持ち悪くて仕方ないしね。身体を流すだけでもだいぶ違うし。髪もしっかりっと。……あぁでもせめてシャンプーぐらい欲しいよな。
まぁこっちの世界に来てからは、屋敷でも石鹸だったけどね。
それにしても犬のおかげで、今夜はちょっとはマトモな食事が楽しめそうかな。
……食事か。肉もいいけど折角だから魚もあるといいかなぁ。と、なんとなく水面をみる。川魚が泳いでいる。う~ん釣り道具でもあればとれたかもなぁ。でもそれは流石に積んでなさそうだったし。せめて網とか……。
もしくは……いやいやいや。それは流石に。でも……いけっかな?
あたしは、なんとなく腰を落とし股を開いてじっと待つ。自分自身が魚を捕らえる罠になった気分だ。
で、じっとしてたら魚が寄ってきたから、股間に精神を集中させてっと……ひゃ! スポッと……思ったとおり入ってきた。んだけど……生き物だしちょっと慎重に入れてるんだけど、ぬ、ヌメヌメしてなんだか……ひゃうん! ば、馬鹿! 尾を動かすな! バタバタさせるなぁあぁああ~~~~!
◇◆◇
危なく夢の世界に旅立ちそうだったけど、まぁ慣れたらそんなに難しいこともないし、とりあえず七、八匹吸い込んだ。今あたしの膣の中には財宝やら神の宝やら活きのいい魚やらが入っている事になる。よく考えたらすげぇな。
さてっと。そろそろ上がろうかな、と思ってたら――
「マリヤ様、あたしもご一緒に……」
て! ここでスラパイ登場かよ! しかも既に裸だし!
「ふふ、マリヤ様お背中お流し致しますわ」
「あ、いや、もう私は自分で洗いましたから」
「そんな、ご遠慮なさらず……」
そう言って川に入ってくるなり、スラパイは正しくそのスラパイを背中に擦りつけてきた。おい! 背中流すってそっちでかよ!
うわぁ、スラパイがたゆんたゆんしてるから速攻で背中で広がっていく……相当に柔らかいスポンジみたいだ――
「あ、アリス。いくらなんでも。それにこれをカグラちゃんにでも見られたら」
「大丈夫ですわ。あの人はまだ回復してませんし、二人がしっかりみてくれてます」
そういう事か。てかだったらあの馬鹿を心配してやれよ! 水汲んで終わりかよ!
て、もうこいつ完全にその気になってんな。そんな気分じゃなかったんだけどな……まぁしゃあないからさっさと――て、え?
「ひゃ!?」「キャッ!?」
あたしとアリスが声を上げたのはほぼ同時。な、なんか変なのがあたしのアソコを突っついてくるんだけど、な、何だこれ? 川の中にウナギ? でも鱗もあるから蛇か? なんかそんな黒長い生き物がいる……。
「こ、これは……ウナ蛇ですわ」
そのまんまじゃねぇか! て、突っ込みそうになったけど、振り向いたらアリスがなんか身悶えて、頬も紅潮してんだが……。
でよく見るとウナ蛇ってのがあたしにもスラパイにも絡まってきて大変な事になっちまった。
スラパイも危なくダウン寸前だったけどね……それでもなんとか、ウナ蛇をあたしの中に収める事で難を逃れた。
「はぁ、はぁ、はぁ、あ、ありがとうございましゅ、マリヤしゃまぁ……」
まだちょっとアヘってんな。息も荒いし、腰もくだけてんのか、完全にあたしにもたれかかってる。
「で、でゅもマリヤしゃまは、やひゃり素晴らしいでしゅわ……興奮したウナ蛇は、完全に入ってしゅまうまでやめない筈でしゅのに、追っ払ってしゅまうだなんて」
ちなみにアリスはイキッぱなしで、あたしが何をしたかも気づいていない。
まぁあたしも別に隠してるつもりはないんだけど、犬がまだ言わないでおいたほうがいいっていうしね。
あたしも面倒は避けたいし、だから能力の事は言ってないわけで。
「――このアリス。助けて頂いたお礼はこの身体で……」
口調も戻ったみたいだね。って、いや! 何でそうなる! てかそれ最早お礼になってないし、第一お前いまさっきイキまくったばかりだろ!
「……オホン」
「あら、アレックス」
咳払いに気づいてアリスが声の方に顔を向けた。あたしもみたら確かに犬がいた。一応は身体を背けて見ないようにしてる体のようだがこいつ絶対みてんだろ。
「その、伯爵様も回復されたので、そろそろ出発したほうが宜しいかと……」
「そ、そうですわね! そろそろ出た方が宜しいですわ。ね? アリス?」
ふぅ、全く。流石にここでコレ以上したくはないわな。アリスはなんか残念そうだけど。
で、しかしまぁ一つ気になったのは――
「犬、てめぇいつから見てやがった?」
耳元で囁く。脅し口調で。もし最初からならてめぇは黙って見てたのかって話だ。
「え? いや、な、何もみてませんよ。ウナ蛇の事など……」
こいつはどうやら、後でお仕置きが必要なようだ――




