13話
2014/09/19 修正版と差し替えました
メイド長の言ってる意味が判ったのはそれから二日後、三日後、五日後といったところか。
で、まぁ何があったかと言えば、また別の村の代表とか言うのがどんどんやってきたって感じかな。
よくよく考えたらこれも当たり前なわけで、いくら弱小といっても車や電車が走ってる世界じゃないしね、皆移動手段は徒歩かもしくは馬車なわけ。
で、各農村は当然距離もバラバラだからね。地区ごとにわかれた代表が別々な日にやってきたってわけさね。
そして、メイド長のいうようにねぇ、流石にちょっと簡単にはいかず――
「あん。そこ、そこもっと……」
「ここですかな」
「う、ん、あん、そう、もっと、もっと強く! あぁそう握って! つねって!」
「こうですかな! こうですかな!」
「あぁああぁ! だめぇあたしもうら、らめぇ~~~~~~~~!」
て、はぁん。マジで気持ちいい~いや、流石に腰がちょっとキツダルだから犬のマッサージ受けてるわけだけどね。
「あまり変な声を出されると興奮してしまいますが……」
「じゃあ、もっと気持ちよくさせてくれたら、あとでたっぷりご褒美やるよ」
「こうですか! こうですか! こうですな!」
「そう、そこ、んぅ、もう、さいこ~~~~う」
気分良かったからその後、三発射たせてやった。
で、それはそうと、やってきた各村代表との交渉は全部性交で成功ね。いやぁほんとみんなチョロいんだわ。もはや自分との戦いでしかないねこりゃ。
しっかし、おかげでなんか入るお金も増加したらしいけど、あたしの部屋の調度品やら装飾品やらが色々増えたなぁ。高そうなのばっか。だって交渉後も皆して贈り物だって持ってきちゃうんだもの本当。
別にあたしそんなん求めてないからね。ちょっと、あぁなんかもっとキラキラしたドレス欲しいなぁ、とか、この指にはダイヤが似合うと思わない? とか、実は田舎のお母さんが病気で治療費が……とかなんかしゃべってたら勝手にもってくんだよマジで。
「しかしマリヤ様。メイド長は最近ずっとイライラしてるようで他のメイドも心配されております」
「そんな事言われても別にあたしのせいじゃないじゃ~ん。てう~ん、気持ちいいん。本当上手いねあんた」
「恐れいります」
いやしかし、やり終わってから肩揉んでもらうのもオツなもんだね。全く大きいと肩こるのが難点だよ。揺れまくるし。
でもコイツ、あたしが犬ってつけておいてなんだけど、実際かなり万能だ。
例えばあたしが盗賊から盗んだ財宝も、盗賊の品は表の業者は中々まともには撮り合ってくれないからと、知り合いの伝をあたってくれている。ほんと、こいつが領主になったほうがいいんじゃねぇの? ってレベルだ。
「そういえばマリヤ様。一度その盗賊から手にした品々を拝見しても宜しいでしょうか?」
「うん? あれ? 犬に見せてなかったっけ?」
「いえ。まだ見ておりません」
なんだよ。そういうのは早く言っておけよっての。まぁそんなに手間じゃないけど。
「判ったじゃあ出してくよ」
「お願い致します」
さてっと。それじゃあ、膣に力を……て、なに座って凝視してんだこいつ! ストリップ小屋かよ! 股開いてから出すって、ショーとして見るんだったら金欲しいレベルだよ!
まぁマッサージの上手さに免じて許してやるけど。
「うんじゃ、先ずはっと、はい金塊」
「なんと! これはまた見事な!」
金塊がなのか、あたしのココなのかが判断しづらいな。
まぁいいや。とりあえずどんどん出してっと、水晶付きの杖や宝石、王冠と、そのたびに驚ろかれたり拍手されたり、なんか恥ずかしくなるな。
「――で、これが拳大のダイヤに……」
「おお! そんなものまで!」
で、最後にっと。
「はいこれがラストっと七色に光る玉っと」
「おお、なるほ、りょぉおおおおぉおお!」
うわ! ビビった! 急に妙な声で叫ぶなよ! 出してる途中に締まりそうになっただろうが。
全く、犬のくせにご主人様を驚かすなんて不敬だよ不敬。てかなんか固まってるな? どうしたんだ一体? 眼球もなんか飛び出そうな勢いだし、何これキモい。
「なんだかよくわかんないけど満足? もうしまっちゃっていいか?」
「ままっまままっっまっっっちゅるりなちょりえまっちよりえ」
キモ! 何だ突然! 発作か? 年取って心臓麻痺でもなったのかい? それともさっきやりすぎちゃった? まぁ確かに、咥え裏筋三回転舐め五重おとし、はやりすぎだったかもしんねぇけど。
「ま、マリヤ様! しばしお待ちください!」
て、なんだ突然猛ダッシュで部屋を出て行ったぞ? なんだってんだ一体……。
◇◆◇
「これですマリヤ様」
そう言って、犬があたしに古そうな書物を見せてきた。羊皮紙ってやつ? やけに大きくて厚い書物だな。
で、犬が指さしたページに何か玉が載ってた。うん、あたしの持ってるのに似てるねっと。
「七彩の神玉? 何これ?」
あたしが質問すると、犬が顎に指をそえ、えぇ、と応えたあと更に続けてきた。やけに真剣な顔してんな。
「これはこの大陸で神宝と呼ばれているものです。七彩の神玉は神の瞳の色をあらわしていると、これには書いてありますね。そして全ての神宝を集めたものは神の力を手にできるとも……」
随分と仰々しい事をいってるけど、神ってあの神だろ? ドングリそんな眼してたかなぁ? 駄目だブヒブヒ言ってる姿しか思いつかんわ。
「で? これ高く売れんの?」
「いやいやいやいやいやいやいや!」
何か両手振ってやたら慌てて、犬のクセに大げさな奴だな。
「とにかく貴重とかそういう話で済むものでもないのですよ。しかしこんな物まで盗賊風情がよく持っていたものだ……」
「でも貴重でも売れないんだろ? だったら意味ないよねぇ」
「それでしたらこの犬が一旦――」
「嫌だ」
冗談じゃない。売れないにしても貴重だっていうなら犬に渡すのも勿体無いし。まぁよく見れば綺麗だしね。
「じゃあしまうね」
すると犬が生意気にも、そ、それもそこにしまってしまうのですか? なんて聞いてきやがった。
あたしのココじゃ不満なのかって話だよ。むしろドングリだって一応神様だし、そいつがくれた力でしまうんだからピッタリだろうがって。
まぁでも今の言い方はムカついたから。
「三回まわってワン百セットね」
「えええぇええ!」
というわけで犬へのしつけを眺めてると、息を切らしながら犬の奴なにか言ってくる。
「ワン! はぁはぁワン! あ、そういえば、ワン! 明後日には、ワン! マリヤ様、ワン! この屋敷を出て、ワン! チヨダーク侯爵様の宮殿に、ワン! 行くことになりますので、ワン!」
なんか最早飽きてきたな。ってうん? 何それ?
「言ってる意味がわかんないんだけど?」
「ワン! メルセルク伯爵様がワン、パーテイーにワン、お呼ばれしてますのでワン、アリス夫人とマリヤ様も同行するんだワン」
何か途中から語尾がワンで済ましてんな。まぁ面白いからいいけど。てか――
「パーティとかめんどい」
「そう言われてもワン。伯爵の立場もあるワン。聞いて欲しいワン」
と言ってもなぁ。確かに前も企業の社長と付き合ったら、見せびらかす為に付き合わされた事もあったけどなぁ。なんかニコニコして行儀よくとかマジかったるいんだよなぁ。
「第一、また遠いんだろ?」
「ワン。確かに普通の馬車なら十日はかかるワンですがワン。今回はユニコーンを使うので、三日で着くワン」
それでも三日かかるのかよ――て、うん?
「おい、犬、今なんていった?」
「ワン! 三日で着くワン!」
「そうじゃなくて、何で行くから三日だって?」
「ユニコーンだワン」
ユニコーン? はて? そんなのを聞いたことあるような。確か間違いでなければなんだけど。
「ユニコーンってあの伝説の? 角を持った白馬?」
「伝説ってほどではないワンが、貴重な種だワン。侯爵の好意で迎えにくるんだワン。見た目はそのとおりだワン!」
マジ! マジか! マジですか! ユ・ニ・コ・ー・ン! キタァア~~~~~~!




