105話
申し訳ありません運営から通達が届きましてこのままでは掲載出来ないとのことです
修正しなければ17日以降に削除されることになるようです
対策は考えようと思いますが修正となると殆ど書き換えとなるのです……
ただ物語は現状後半に差し掛かってます
そのため対策を考えながらギリギリまで更新は続けてまいります
楽しみにしていただいた皆様には本当に申し訳ありませんです(´;ω;`)ウッ…
「なんだよ犬。これからいいとこなのにさぁ~」
近くまでやってきた犬に、あたしは腕組み文句を言った。
だけど犬は少し困った顔をしながら言葉を返してくる。
「マリヤ様。ここ最近カジノにずっと入り浸りではないですか。流石にマリヤ様にお願いしたいことも溜まっております。各地の視察にもマリヤ様がいかねば民も納得いたしませんし」
心の中で思わずため息がでちまう。全くメルセルクに全て任せるっていってから半年以上経って、ようやくカジノも楽しめるぐらいになったってのにさぁ。
何せあのオタデブから領地の権利もらってからあたしも結構いそがしくなってたからね。
細かい事は殆ど犬とか馬鹿とか火の玉とか、後、側近だった変髪にもやらせたんだけど、あたしがいなくてもいいって話でもないって事で、なんだかんだで付き合わされた。
その上、約束した三千人以上の連中とも相手しなきゃいけなかったしね。
あたしは約束を破ったりはしないし。
でもそれはそれで何せ数が数で結構時間かかったし。
おまけに馬鹿と犬曰く。この領地は管理が全くなってないとかでね。
まぁ盗賊は溢れてるわ田畑は荒れに荒れてるわ貧富の差は激しいわでそりゃそうだったんだけど、それで馬鹿が妙にやる気になっちまってね。
まぁでもおかげで犬の報告だと、例のゴブリンを投入した農耕改革? そんなのやほぼ盗賊ギルドと化してた冒険者ギルドの立て直し。
それに盗賊連中を解散させて開墾や灌漑させたり土壌改良やらに当てたりと急ピッチで色々取り組みだしてね。巨チンとその仲間の巨人連中も協力して領地は目をみはるほどに豊かになっていってるって話だよ。
食うに困っていた連中も随分と有難がってるって話でね。
てかそもそも最初のうちは文句を言っていた変髪が今ではすっかり態度を改めて、馬鹿を様付で賛美する毎日だよ。
で、そこで話に出てくるのはドングリ教。領地改革の立役者があたしだなんて火の玉が言いふらすものだから、このタイトウ領ではすっかりドングリ教が広まっちまって、更にライオンの後押しもあってこの領内の教会連中も事実上ドングリ教の信者らしい。
おかげで火の玉も更にホクホク顔だよ。このままいけばトーゲン教を凌ぐのは時間の問題ですな! とまで言ってやがる。
いいのかそれで?
「で、流石に本日はこのまま準備して頂いて視察の方を……」
はぁ全く面倒だねぇ。
「それどうしても行かなきゃダメ?」
「マリヤ様。ここ数ヶ月程城にも顔を出しておりませんよね? グランドオーク殿も会いたがっておりますし――」
「おお! そうであった! 妾もその事があったから態々愛する夫を置いてここまで来たのだぞ。いい加減顔ぐらいみせぇ」
そういえばそんな話だったな。
「だったらいとしの旦那様も一緒にくれば良かったのに」
「そうしたいのは山々であったと思うが、成長したオークの指導、それに……妾とあの人との愛の結晶の世話もあるしのう」
両手をあてた頬をポッと染めて、身体をくねらせ始めたよ。たく惚気けるならスラパイにでもしとけよ。
「それにマリヤ様も子供たちをまだみておらぬであろう? 一度ぐらい見にまいれ」
えぇ。と言ってもなぁ。改めて豚の子供みてもなぁ――
「マリヤ様なの!」
うん?
「どうしたロリン?」
「ロリンも豚さんの子供みたいなの! とても興味がありやがるなの!」
……どうでもいいけどこいつ妙に口調が変わってきてる気がすんなぁ。
前は自分のこと名前では言ってなかった気がするし、時々変な口癖も加わってるような……まぁいいか。
「しゃあねぇなぁ。じゃあいくとすっかねぇ」
「やったなの! 流石マリヤ様なの! クラウンの野郎もきっと喜ぶなの!」
ピョンピョンってデカメロン揺らしながら無邪気な顔で妙な口癖みせてんなマジで。
◇◆◇
視察には二台の馬車で行くことになった。思ったよりも人が増えちまったのが原因でね。
ロリパイとクラウンは聞いてたけどスラパイも一緒に来ることになってね、であたしの乗るユニコーン馬車には犬とエロババァも乗ってる。
御者はマセコだ。
「マリヤおねぇ様と一緒に旅行ふふ~ん」
「マリヤ様と一緒に旅行ですわ~ふふ~ん」
スラパイとマセコが外と内で妙なハミングを奏でてるね。何がそんなに楽しいんだか。
ちなみにもう一台のユリコーン馬車には火の玉と変髪が乗ってる。御者はダークエルフでね。
てか、あいつらお互いに魔法が使えるとあってあれから妙に意気投合したみたいでね。
それからは変髪も一緒になってドングリ教の布教に力入れだしたんだよ。
全く何やってんだか。
あぁそういえば馬鹿も来たそうだったなぁ。でも仕事が忙しすぎて無理みたいだけどね。
こればっかりはしゃあないよね。
でもあいつ忙しくてもしっかり夜を求めてくるんだよなマジで。
◇◆◇
「まもなく最初の村に到着でございます」
犬がそう言ってマセコも、見えてきましたよマリヤ様! と指をさす。
村の入口の前では一体のオークが見張りに立っているね。
馬車が近づくと、マリヤサマ、ヨクキタ、って片言で挨拶してきたよ。
一応もと盗賊達も今では村でしっかり働いてるらしいけど、念の為見張りはオークにまかしてる形だ。
ただ言葉が通じないと不便だからね。ダークエルフなんかが教師になって、オークに言葉を教えてたりするらしい。
だからダークエルフも村には何人か常駐している。
で、あたしが中に入ると村の連中が目を輝かせて、マリヤ様! マリヤ様! とかいってあたしを崇めてきた。
たく火の玉達は一体何を教えてるんだか。
「この村は一時は飢饉に苦しみ、みな明日も知れない命でしたが、マリヤ様のおかげで息を吹き返されたのです」
火の玉がそんな説明してくるけど、あたしは特に何もした覚えはないんだけどね。
「神様! お久しゅうございます!」
て、ゴブリンの長こんなとこで何してんだよ!
「マリヤ様。ゴブリン長は他のゴブリンと共にこの村の農耕の手伝いをしております。また村人にゴブリン流の耕作を教えているのでございます」
成る程ねそれでか。ちなみに今ゴブリンが喋ってるのも人語だ。こいつはもともと頭がいいからすぐ理解したみたいだね。
「マリヤ様のおかげで皆幸せそうですわね。流石ですわ」
「さすがビッチのマリヤ様なの! ビッチは世界を救うなの!」
「マ、マリ、マリヤ様、す、すご、すご――」
親子揃ってそんな事を言ってくるけどね。あんま実感ないよあたしにはね。
で、ひと通り見終わってから村を出た。
でも犬の話だとこういう視察が城に行くまでであと十数件あるらしい。
……やっぱ面倒だね。
四日間掛けて行きの視察とやらが終わり、ようやく城にたどり着いた。
ちなみに帰りも同じだけあるらしい。
……意外と大変だねこれ。
「マリヤ様! 私寂しかったですわぁあぁ!」
城に入るなりメイド長があたしに抱きついてきた。
メイド長は時折城のメイド指導に派遣されてるんだよね。
今回は丁度それにあたしの予定が重なった形だ。
「メイド長も元気そうですな」
「うふっ。犬もお元気そうで何よりですわ」
あたしに抱きついてるメイド長に犬が話しかけると、メイド長があたしから離れて犬に笑顔を向けた。
メイド長も今じゃすっかり犬を犬呼ばわりだね。まぁ犬がそれを望んだらしいし、何かメイド長にそう呼ばれると嬉しそうなんだよこいつ。
「これは! ドロドロの三角関係の予感がしやがりますなの!」
どこでそんな言葉覚えてるんだロリパイ。
「マリヤ様と今夜はお城でうふふふん」
「マリヤおねぇ様と~ふふ~ん。今夜はお城で~素敵な夜を~ふふ~ん」
……あれ? なんかこのふたり思考一緒?
「マリヤ様お久しぶりでございます」
うん? 何か見たことあるような女とオークが近寄ってきたけど――
「マリヤ様。このふたり覚えておるか? オークはブヒュリュックス。この娘はジョセフィーヌ。二人共マリヤ様のおかげで結ばれたから是非とも御礼と子供を見てほしいと言っておってのう」
……あぁそういえばそんなのもいた気がするねぇ。やたらチュッチュしあってたあいつらか。
「マリヤ様のおかげで、あたし達は無事結婚の儀も執り行う事が出来ました。もうこの領内ではオークと結婚することを忌避する者もおりません。本当になんと言ってよいか――」
ふ~ん。まぁ良かったねっていうぐらいしか出来ないけどねぇ。
「ほら、ビッチ! ピック!」
「コッチキテ、マリヤサマ、アイサツスル!」
ふたりがそう言って誰かを呼んだね。てか何だよその名前!
で、なんでもビッチはあたしの二つ名を使わせてもらったとか……別に二つ名じゃないよ!
てか、まぁやってくるのはオークの子供ってやつなんだろうけどね。でも一度みてるしねぇ。豚の子供を見ても――
「マリヤしゃまはじめましゅて!」
「おかあさま、おとうさまからお話はきいておりました。お目にかかれてとてもこうえいにおもいます」
……え? はい? え? マジでこいつらがオークの子供かよ!




