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廃墟ビル探偵事務所  作者: 残火拍都
3/3

「••••••篠なら今日は海里と一緒に依頼に行っている。まあ、海里には見えてないけどな」

「アハハ!見えてたらスゴイよ。篠は僕と眞矢ちゃんにしか見えない〝幽霊〟なんだからさ」


そう、眞矢と凍冴には幽霊が見えている。物心ついた時から見えていた。


自分以外、誰にも見えていない。それが一番、幼い頃は怖かったんだろうと思う。だから凍冴にも篠が見えていることを知った時は驚いた。


皆、死んだような目でいつも見てきたから。


ーーー誰も信じなかった。


そのせいで眞矢は笑うことを忘れてしまった。悲しみ、喜びも忘れた。怒りは凍冴がいる限り忘れないだろうが。


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