表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あるひのVRMMO日誌  作者: カグツチ
第1章:テストプレイですの
6/6

第6部:一日目終了

・ハーブティー(解毒) ☆5

これを飲むと満腹度が3回復する。100%毒状態を回復できる。


どうやらギリギリイベント達成要件は満たしていそうだ。

ちなみにこれに限らず単発イベントは☆5でも☆10でももらえるものは変わらないので達成できればそれでいい。

☆が低いのは料理スキルがレベル1で補正効果がロクになかったためだろう。

あと満腹度だがこれはプレイヤーの行動によって減り幅が変わるゲージでレベルが上がっても常に最大値が100固定である。

これが10を下回るとプレイヤーの全ステータスが半分になり、0になるとHPにかかわらず死んでしまうので注意が必要である。

まぁ本気で戦い続けても一時間で30ほどしか減らないのでボスに見合った装備でさえいれば何とかなるものだ。

あと満腹度を回復するためには街でNPCが売っている携帯食料や井戸からくめる水を使ったりスキルで作った料理を食べたりすることなどがある。

もちろんスキルを使ったほうが満腹度の回復が大きい。


「完成だ……」

「おう……これならうちの母ちゃんもすぐによくなりそうだ。旦那に頼んでよかったぜ!ほらこれが今回の報酬だ」

渡されたのは一枚の紙。

・ホーム設立割引券β(引き継ぎアイテム)

この券を持っていればホームを建てたり、改装や増築するのに必要な金額が二割引される。

この券は正規版に引き継ぐことができ、正規版と合わせることで五割の値引きが可能になる。

ただしこの券は指定された建物一つにだけしか適用でききない。その建物を破壊してしまうとこの券は消えてしまう。

先着100人までのアイテム。


「おおう……なんというレアアイテム」

ホームはプレイヤーたちの拠点となる建物で一軒だけ好きな街に所有でき、許可したプレイヤーの間で共有できる家である。

効果は色々とあるが、ホームでログアウトをしていれば時間に応じてHPとMPが大幅に回復したり、倉庫のスペースを作ることで重要アイテムを保管できたりなどということがある。

他にも俺みたいな生産系プレイヤーのほとんどが欲しがる個別店舗もホームの一部を改築すれば経営が可能になってくる。

しかも個別店舗だけを買うよりもいい効果もたくさんついてくるのは魅力的だ。

ただしこれを建てるためには建設資金や土地代などに莫大な資金が要求されるので金入りの安定する中堅以降の設備でもある。

それが半額になってくれるらしい。これは正規版まで使わずに取っておいて正規版になったらさっさとホームを建ててしまえばいい。

料理スキルもレベル2に上がったし、良いアイテムも手に入った。今日は随分と良い日である。


そうそう、個別店舗で思い出したが生産系プレイヤーは個別店舗を持つ前にどこで商売をやればいいかという話だ。

これはどの街にもある五番通り、通称生産通りにて可能になる露店システムを使えばいい。

この通りでは土地の管理者のNPCに料金さえ支払えば一定時間商売をすることが可能になり、店もちでないプレイヤーは基本的にここで商売をする。

ここで商売をすると通貨での売買に限って店側には収入に一定の補正がかかるのである。ちなみにこの補正値は店舗を持つと遥かに良くなる。

あと店舗にも種類があり趣味の店から始まり仮店舗、店舗、人気店舗、名店、老舗とグレードが上がっていく。補正値もそれに関連して上昇する仕組みだ。

たしか人気店舗以上のグレードで総売上高に応じて色々な街に支店開設ができるようになったはずである。


こうしてホーム割引券を手に入れてご満悦の俺は街を闊歩しながらさらに料理スキルを高められるような場所を探しに行ったのである。




「うおおい、包丁忘れてんぜ旦那ぁ!」

「……すまん」

きれいに締めるってのはむずかしいな。


ログアウト後、蓮と夕食を取りつつ成果を話し合う。

「ほえー。割引券はありがたいね!」

夕食のうどんを食べながら蓮は俺の報告を聞き、その上でこういった。

「でも私は料理スキル取らないからシンちゃんと同棲するかな!」

「家賃は一月で30万ガルいただきます」

ブーブーとブーイングを聞きながらも彼女の成果を聞いてみる。

「とりあえずそっちはどうだったんだよ?」

「ぶーぶーって、こっちはねー、ケモノ会の知り合いが居たからPT組んでレベル上げやってたよ」

「お、懐かしい名前だな」


ケモノ会、それは黎明期から全盛期にかけてMSOをプレイしたことがあるプレイヤーなら大抵が知っているギルドである。

参加資格はケモノを心から愛してやまないこと、だったはずである。

メンバーはケモノ耳から獣使い、果てにはイベントで種族すらケモノに変える猛者までいたと記憶している。

ギルドマスターの名言が「新たなるケモノ成分を求めてシナリオを進めよう」だったはずだ。

確かに攻略組と言われるギルドの一つだったと思う。


ちなみにギルドというのは、簡単に言えば同族集団である。

一定のお金を支払って設立することができ、ギルド本部という建物の中に参加人数に応じた共有スペースを持つことができるシステムだ。

同じギルドのメンバーがPTにいるとフレンドと同様に補正がかかったり、ギルドチャットというシステムが使用可能になる。

そしてギルド対抗戦と呼ばれる定期イベントに参加する資格が発生する。

このイベントはギルドから指定人数内のメンバーを選出し競い合う競技で、団体戦部門と個人部門の二つがあり、その内訳も戦闘型や生産型と様々である。

優勝ギルドには運営から様々な特典が進呈され、連続三回又は通算五回の優勝で殿堂入りする。

殿堂入りすると以降の大会参加はできないがエキシビジョンマッチ等の余興に出場したりできる。

ちなみにこのイベントにおける優勝とは全部門制覇という事を追記しておく。

その他にも様々な特典があったりするが、ここでは割愛させてもらう。


こんな風な話で夕食は進み、ようやくお許しが出たので同衾して本日は眠りにつきたいと思う。

明日はフィールド探索でもう少しレベル上げでもやってみようかね。

主人公「ここからの描写は規制させてもらうからそのカメラをしまえ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ