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あるひのVRMMO日誌  作者: カグツチ
第1章:テストプレイですの
5/6

第5部:小休憩

テストプレイの章である程度の設定などを書くつもりなのでしょっちゅう話が横道にそれますがお許しを。

正規版になったらイベントや攻略もガンガンやっていくつもりです。

それまであと数部ほどこの章にお付き合いをお願いします。

「とりあえずプレイヤーだとまだロクな装備もないのに高いからNPCで全部売買しちゃうね」

「わかっ……いや、うむ」

つい元の口調でしゃべりかけたがリリーの強力な一睨みによって爺くさい喋り方へと変更した。

「よろしい」

これまでの会話で分かったかもしれないがリリー=蓮はこうやって役柄になりきることがよくある。今回はなりきらせる方向に働いてはいるが。

そのため学生時代に劇をすれば「一人だけレベルが違う」とか「まわりしっかりやれよ」みたいな感じになったことも多い。

それゆえに今回のような暴走を起こすこともよくありその全てに俺が巻き込まれていたと記憶している。

「おーい」

「ん?もうか」

「そうだよ。これが取り分ねー」

そういうとリリーからアイテム売却のマネーを山分けした分とそこそこに長めの牛刀にそっくりな剣が送られてきた。


・銅の短剣 atk+10 攻撃時、低確率で出血の状態異常

リーチもなければ威力もない、ないない尽くしの短剣。

ただし切れ味だけは凄い、凄いったら凄い。


「無茶苦茶な説明文だ……切れ味だけとは」

「クスクス、料理には使えそうだし良いんじゃないかなぁ?あ、お昼なんだけどおかゆの残りでいいよね」

「うむ」

「じゃあ時間も微妙だし生産系のスキル育てとく?」

「そのつもりだ」

十二時まで半時間もないので俺たちはフィールドではなく街でスキルを育てることにした。


街の中心へ戻ってくると朝よりも人の数が増えていた。やはり昼前に合わせて戻ってきているプレイヤーも多いのだろう。

その中で俺は料理スキルを上げるためにリリーとは別行動をとることになった。

リリーは魔法の威力やMPを削減する詠唱のスキルを強化するべく教会に行き、俺は料理に必要な「初心者用料理セット」を購入して料理のできそうな場所を探していた。

説明書によると料理中には現実と変わらないような音や匂いがするらしく、周りの迷惑になると判断したためである。

あと料理を売ってくれと頼んでくる面倒事を避けるためでもある。

そのまま街中を探索して回ったがどこもかしこも人だらけでなかなかいい場所がなかった。

途中からは他のプレイヤーと目が合うと慌てて逸らされるという事もあったがどういうことなのかわからない。

酷いときには「ヒィ!」を言う声とともに逃げ出された。何故だ。


「と言うわけで全くスキルが上がらなかった」

「それは災難だったねー」

そうしてそのまま何の成果もなく一旦ログアウトして蓮と昼食を取っている。

昼食は言っていた通りおかゆになった。ちなみに蓮もおかゆを食べている。

「昼からの予定は?」

「んーと……買い物とお洗濯してからゲームかな」

「じゃあ買い物は一緒に行こうか」

「そだね」

そうして予定を決め、昼食が終わった後に近くの商店街へと買い物に行き快復祝いと称されつつ滅茶苦茶サービスを受けて帰宅した。

サービスの内容は一品追加からカニ一匹までと様々だった。ちなみにカニはズワイだった。魚屋のオッチャンすげぇ。

帰宅したら蓮が洗濯をするし合流はしないから先にゲームしてるといいよと言われたのでそれに従わせてもらった。

そうそう、とりあえず仕事もしないといけないのでゲーム課課長に誤字の件をメールしておいた。

即座に処理して置くと連絡があったので安心だ。


「へい旦那!ちょっといいかい」

「ん?」

相も変わらず人が多い街で料理を作れる場所を探していたとき突然NPCらしいキャラに話しかけられた。

もう道端で作れば良いじゃないと思ったが、先にそれをやってしまったプレイヤーが色々なキャラにたかられていたのを見てやめておいたのだ。

そんな中で話しかけてきたNPCの男。見た目は筋肉質で捩じり鉢巻をまいて紺色のハッピらしいものを着たてっぺんハゲである。

「一体何の用だ?」

「あんた見たところ料理作れるだろう?」

「そりゃあつくれるが……」

そう言うと突然電子音が響き俺の前にウィンドウが姿を現した。

『 NPC単発イベント:親方のお願い がはっせいしました。このイベントを受けますか?』

どうやら料理スキルを持っていると発生するNPCからのイベントのようだ。

このようにこのゲームでは一定の条件を満たせばイベントが発生し、クリアすることで報酬がもらえる。

さらにイベントには種類があり、今依頼されている単発イベントの他に突発イベント、ゲームイベントといったものが存在する。

簡単に言えば単発イベントはこれをクリアするまでは延々と受けることができるイベントで突発は拒否不可能なイベント、ゲームイベントは運営による期間限定のイベントである。

時々特殊イベントと言って断ると次がないイベントも存在する。

「ま、料理イベントだしスキル上げついでに調度良いだろう」

そういうことで俺はYesを選択した。


「おお受けてくれるか!じゃあ詳細を話すからうちに来てくれ」

そういってハゲ改め親方は彼が経っていた建物の中へと俺を案内する。

どうでも良いことだがこのイベントは昔はやった覚えがないし、覚えのあるイベントも発生していないことから外見以外の内容はことごとく変わっているらしい。

「おう、じゃあそこに座ってくれ」

「ああ」

俺が座ったところで親方がイベントの詳細を話し始めた。

ちなみにイベントの詳細は受けるまで分からないので特殊イベントでない限り調べてからやったほうが良いらしい。


そうして親方の話す詳細をまとめると、親方の奥さんが病気で寝込んでいるが妻思いの彼は元気の出る料理を食べさせてあげたい。

だがしかし彼は物を建てること以外に関してはてんで駄目なのでどうしようもできない。

だから代わりに元気の出るおいしいものを作ってやってくれないか、厨房なら貸してくれる。という事らしい。

この場合、元気の出る料理=毒回復効果のついている料理、おいしい=最高で☆10がつく料理の評価のうち☆5以上の料理がおいしいもの、を作れば良いのだ。

病気なのに毒回復効果でいいのかといわれると微妙だが病原体の出す特に効くと考えればいいし、ゲームなんだからそこまで考えなくてもいいと思う。

ともあれ調理である。


ではここに市場で買ってきた毒消し草とハーブがあります。

これらを包丁代わりの短剣で細かく刻みます。

ここで見切りスキルを発動すると微妙にではありますが第六感的にここを切ったら成分が漏れにくそうなところがわかるのでそこを狙います。

これがわかるかどうかはその人の集中力しだいです。

そして細かくしたものをティーパックに詰めて湯呑に入れ、これまた絶妙な温度にしておいたお湯を注ぎます。

少々待って成分が抽出されるのをまちます。

しばらくしてからティーパックを出して完成です。

スキルの観察を使いブツを鑑定します。


さてさて結果は……?

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