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理解不能

このお話の内容は架空のものです。実在する個人、団体とは全く関係ありません。

おK?

 …前回のあらすじ、私と久澄さん、後一人一年生が資料室なる場所に呼び出されたでゴザル。うん、これで前回を忘れた読者にもオッケーだね。…ん?読者?誰のこと?何故か言わなきゃいけないって電波と、怨念じみた圧力がビビビってきたんだけど。

 そんな感じで呼び出された私達は今、その資料室へ向けて移動中。廊下はまだ帰宅の支度をしていない学生や、それを待っている学生、わいわい騒いでいる学生もいる。それにしても私はともかく何で久澄さんまで呼び出されたんだろ…。不思議に思った私は隣に居た久澄さんにそのことを聞いてみる。

「それにしても何なんだろうね…。」

「私だって知らないわよ。大方、姉さん絡みでしょうけど…。」

「そっか…お姉さん愛好会の人だもんね…。」

 今はっと思ったのだけれど、久澄さんは本当に小さい…。背は私の肩の位置より低いし、歩幅も私より断然小さい…。これは可愛い。萌える。

 …ん?待てよ。久澄さんのお姉さんは愛好会の人?

「じゃあ私久澄さんのお姉さんに会えるんだ!」

「アンタ今すぐ帰りなさい。自治会長には私から早退だって言っておくわ。」

「ちょ、どんだけ会わせたくないの!?」

「自己紹介で彼女募集とか言う女を会わせたい訳無いでしょ。」

「何ならプードルちゃんが彼女になってくれてもいいのよ?」

「寝言は寝て言いなさい。あとプードル言うな。」

 ただださえ不機嫌な表情の久澄さんが、一瞬氷のように冷たくなる。少しからかいすぎたかしらん。仕方なくそれ以上の言葉は話さずに久澄さんの隣を黙々歩く。

 一年生の教室のあるのは二階から、階段を下りて一階へ、その後一年から三年までの教室があるHR塔から、渡り廊下を通って隣接している、専門教室が固まって存在する専攻学科塔を華麗にスルー。また渡り廊下を使って専攻学科を挟んでHR塔の反対側、様々な教室が混在する多目的塔へ。主に文化部の部室や教材の倉庫に使用されているこの校舎の三階の一番端に第二資料室はある。ちゃんと学校のパンフレットで確認したから間違いない。

 さして迷うこともなく資料室前に到着すると、先客が居る。どうやら資料室に入るのを戸惑っているようだ。その先客は私を見つけると、此方に歩み寄ってきた。…何処かでみたような笑顔を此方に向けて。

「小百合ちゃん、良かった…やっと会えた…。」

「ちょ、ちょっとさゆみん?何でこんなとこに居るの?」

「放送で一緒に呼ばれてたよ、聞いてなかった?」

「う、ま、まぁ…自分の事で十分吃驚だったしさ…」

 驚いた表情で戸惑っている私に目の前の女生徒…さゆみんこと淡路佐弓は苦笑を浮かべて事情を説明してくれる。それにしても全く分からない、何でさゆみんまで…?

 さゆみんは私の中学時代…いや、小学校の時からの無二の親友で、お互いの事なら何でも知っている仲である。住んでる場所、好きな食べ物、癖やスリーサイズまで…読者諸君には公開しないけど。長い黒髪をいつも一本に編んで垂らしており、眼鏡がトレードマークの可愛い女の子で、いかにも文学少女って感じで護ってあげたくなる。線も細くて華奢、性格も大人しく女の子っぽくて、女子の間でも人気だった。もちろん、親友としてだよ?あ、後ちょっぴり私と同じ趣味。つまりオタクだ。

 とにかくそんな感じでさゆみんと会話していると、不意に私の袖が数回引かれた。違和感のあった袖の方を向くと、そこには不平そうな顔をいつもの三割増しにしたプード…久澄さんが居た。久澄さんは振り返った私に、目線だけで[紹介しろ]と言ってくる。うん、こっちを見上げてる久澄さんに不覚じゃないけど萌えたわ。私は鼻から溢れ出しそうなパトスを必死で手で押さえながらさゆみんに久澄さんを紹介する。

「さ、さゆみん。こちらプー…久澄明日香さん、同じクラスで、放送で呼ばれた三人目の人…。」

 紹介を終わらせた後、さゆみんは久澄さんに向かってお辞儀をする。礼儀正しい親友を持って私は幸せ者だ。

「あ、そうなんだ…よろしくお願いします、久澄さん。私は淡路佐弓です。」

「…よ、よろしく…」

 にっこり笑顔を浮かべているさゆみんと、私の影に半身隠しなが目線を逸らし小声で挨拶をする久澄さん。やばい、可愛い。その一瞬で私のパトスは崩壊し、鼻から赤い液体が…。ふう、ポケットティッシュに感謝しなきゃ。……はっ、やっぱり私が主人公じゃない方が読者は楽しいんじゃ!?ってだから読者ってだれ!?

 一人で自問自答を繰り返しているうちに、だいぶ二人ともお互いに慣れたみたいで、二人とも簡単に自己紹介を終えたところだった。

「…ところで、淡路さん…は、何故呼ばれたの…?」

「あ、そうだよ。さゆみんはどうして…?」

 もう既に自分の姉や愛好会の事を話した久澄さんは私の影に隠れながらも、さゆみんに質問をした。うん、確かにそれは私も分からなかった。部員(仮だけど!)の私や、お姉さんが愛好会に居る久澄さんならともかく、全く関係ないさゆみんが何故呼び出されたのだろう?

「あ、それは……」

「れに関しては私の方から話すから、とりあえず中に入って貰えるかしら?ドアの前に陣取られたんじゃ入れないじゃない。」

 さゆみんが口を開いたのと同時に、私達の背後、しかも真後ろから声が聞こえてきた。慌てて私達は振り返る。そこにはすっっっっごく嫌な笑みを浮かべた朝の美女…自治会長と、その一歩後ろ、栗色のフワフワの長い髪の…久澄さん大人ヴァージョン(バージョンじゃない、ヴァージョンだ)が居た。こ、この二人っ…戦闘力が段違いすぎるっ…!

 あまりにも眩しい二人に私は思わず目元を腕で隠す。もちろん本当に眩しい訳じゃない、自治会長一人の時はこんな事なかった…。なのにこの二人が揃うと何故か直視出来無いっ…!

「…ね、姉さん…」

 私が原因不明の眩しさに目を細めていると、私の隣から久澄さんの声が聞こえた。かなり驚いた様子である。その呟きにも似た言葉に誰かが…恐らくだが久澄さん大人ヴァージョンが応えた。透き通った声で…女神の囁きの用に優しく、それでいて凛と張った声で。

「明日香、よく来たわね…。小説愛好会の部室へようこそ。」

 私達三人は何を言って良いのか分からずに全員が黙ってしまっている。やっと目が慣れてきたのか、それともそもそも私の妄想だったのか先ほどの眩しさは無くなって、今は私も会長達をじっと見ている。すると自治会長が意味深な笑みを浮かべたまま、私達にこう告げた。

「何をボーっとしてるの?さっさと入って頂戴。この第二資料室はあなた達の部室なんだから…。この、小説愛好会五人の、ね…。」

…やっと、やっとはじまったぁー!はい、でもまだ一日目が終わってないという罠!自分でも吃驚しました!

現在、2000~3000字程度、長くても4000字程度の短い話を上げていますが、如何なのでしょうか?長い方がいい!という方が居た場合は考えますので、どうかお気軽にご指摘ください。

それでは、今回も読んで頂きありがとうございました!

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