〆切間近
この作品はフィクションですので、それを踏まえて見てくださいねっ♪
不味い、まずいまずいまずい…。
周防小百合、物語冒頭からピンチです。何がピンチって、もう何もかもがピンチです。このままじゃ貞操のピンチです。部長に処女を奪われて一生慰み者にされちゃいます。……あれ?何の問題も無くない?あんな美人のお仕置き、私には御褒美にしか思えないんだけど…。いや流石に校内隅々清掃とかは拷問だし、問題大有りだね。
えっと、何が問題かって言うと…いや、至極簡単な内容なのでお話するほどでも…え?説明しなさい…?…はい、分かりました。ご説明いたします…。では、分かり易いように三行で纏めましたのでそちらをご覧下さい。
・締め切りまで後一週間
・まだ、まだ大丈夫なハズ!
・え…締め切り明日?まだ三枚しか終わってないよお!
……実に分かり易い三行文。流石私。……なんて考えてる場合じゃない、何とか明日の締め切りに間に合わせなきゃ。幸いにも今日は早く帰ってきて、時間は夕方の五時。後五時間くらい確り机に噛り付けば形にはなるはず!夜からはさゆみんが応援に来てくれるって言ってたし、百人力だね!…二人はもう提出済みらしいけど。いつの間に出したのだろうか。
まあ、そんな訳で書き始めた私の小説…勘の良い皆様はご理解頂いているだろうが、この世界の中世に酷似した異世界でのファンタジーもので、青年と世界との関わりを描いていく物語になる予定である。何故この物語にしたかと言うと…色々話さなければ為らないのだけど…まぁ、何となくだ。うん、何となく。別によくある設定で資料が沢山あるから、とかじゃないんだからね!
……はぁ、とはいえ私は小説なんて初心者な訳で…。正直自分でも何で三枚書けたのかわからない位だ。まぁ、ノルマが五枚だからあんまり誉められたものじゃないけど。とりあえず頑張って後二枚、頑張りますか!
…という訳でまず最初に書いた三枚を読み返してみることにした。私は三枚の作品に目を通す。
「…何度見ても稚拙だよね…。」
……はい、文才なんてありません。こういうとき普通の主人公だったら隠れた才能が開花して…的な流れになるんだろうけど、生憎私にそんな才能は無いらしく、文章も稚拙なら内容も薄いものだと用意に気付く事ができる作品だった。…まぁ、この作者も同じくらいの文才だと思って貰うと分かり易い。…だから作者って誰?
とりあえず、さゆみんが来る前に下書きくらいは完成させておきたい。私の稚拙な文章じゃ添削箇所だって無数にあるだろうし。とりあえず、新しい原稿用紙を用意してっと。…やばい、筆が一文字も進まないんだけど。もう三枚で完成でいいんじゃないかな?なんて考えてしまう。うーん…。
悩んでも仕方ない、まずは糖分を身体に入れて力をつけよう。という訳で、既に用意していたお菓子がこちら。ジャガイモを薄くスライスして味付け後、油で揚げた例のアレと、棒状のクッキーにチョコレートを塗った件のソレである。…まあ、これ以上は面倒だし、いっか。何だか言ったらこの話終わりそうだし。…うん、やっぱり美味しいね。この身体に全く良くなさそうな油マシマシな感じとか、間違いなく丹精込めたとは良い辛い雰囲気が堪らない。…別に愚痴ってる訳じゃないよ?美味しいし、私はこの手のお菓子大好きだし。
お菓子を少し食べたところで、とりあえず麦茶を飲みながら一服。…さて、書き始める前に少し勉強をしよう。といっても教科書は有名ライトノベルだけど。まぁ、小説の教科書は小説しか無いよね。私は先人達の知恵を学ぶため、本棚の裏に手を伸ばす。ふっふっふ、実はこの本棚、奥行きがかなりあって文庫本なら楽に縦に二冊入れることができるのだ。参考書や教科書、後は有名週刊誌の漫画を前に置き、ちょっと親には見せられない小説や漫画は裏に置いてある。小学生が考えるような幼稚な隠し方だけど、親に絶対、死んでも見せられないような作品は別場所に隠してある。裏にあるのは比較的易しい作品(趣味は露呈しちゃうけど)だから、もし見つかっても全然問題ない。世間体の問題はあるから隠しているだけだ。
という訳で、取り出したりますは某有名作家さんのアクションファンタジー作品!私がこの道に入るきっかけになった作品で、今も未だ連載中の作品である。タイトルは「フィズロイ傭兵戦記」、架空の世界で傭兵になった主人公が、いろいろな人たちと交流して戦う意味について考える様を描いた作品である。…ここでお気づきの方が多いかも知れないが、私の作品はこの作品の影響を大きく受けている。というかオマージュ。世界とか国とかを全部丸パクリした上で、主人公を代えた、いわば二次創作だ。
…ま、そんなことはいいとして。私は一巻を手に取り、ベッドへだーいぶっ。とりあえず、一巻を読めばプロローグの書き方のイメージに繋がるかもしれないしね。それに、この作者の作品を読んでいれば何か新しい発見があるのかも。…これは関係ないけど、読み返して驚くことって、たまにあるよね。一巻の伏線が十巻辺りで出てきたりとか…。うん、関係ないけど読み返すのはお勧めする。
ベッドに寝転がって、小説に読みふける私。本当に好きな作品って、凄く集中しちゃうよね。うん、やっぱりこの作品は面白い。ちゃんと構成も練られてるし、文章だって綺麗に作られてるし…うん、凄い。でもやっぱり第一話な訳で、ちょっと荒削りな感じがあって作者の悪戦苦闘が垣間見える。…おぉ、今のわたし、凄く小説家っぽい。あ、この描写好きかも、私の作品でも使えるかな………………。
「小百合、これはどういう事?」
「…小百合ちゃん、原稿は…?」
………散らかった部屋と手付かずの原稿に、二人の背後にオーラが出たのは言うまでもない。
…遅くなって申し訳ありません、本業の方がなかなかに忙しいです。
これからもっと更新が遅くなるかも知れません。すみません…。
それでは、最後まで有難う御座いました。