STORY:3【衝撃告白】
『響には唯しかいないの!だからお願い!!』
……天然とアホは紙一重なんだな。いくら何でも唐突過ぎるだろ。オイ。ってか、それはあんたの弟の…響くんが言わなきゃいけない言葉でしょ。
『ごめん。意味がわかんない』
『だーかーら!響と付き合ってあげて!!』
『なんで私?』
『響のタイプだから』
私が大きく溜め息を付いたのと同時に、美優の弟・響くんが走ってきた。
その第一声が……
『お願いします!!』
……やっぱりアホだ。
姉弟って嫌でも似るんだな。可哀相に…(泣)
『唯、返事は!?…やっぱりダメ?』
『えーっと……響くんのこと、よく知らないからー…まだ付き合えない(汗)』
私が上手く交わして、一件落着で終わるかと思ったその瞬間、
『榊さん』
声をかけられた。バスケ部の3年生で、背は高く、人を真っ直ぐ見る瞳に凄く引き付けられた。
『なんですか…?』
『重なっちゃうけど………好きです』
は?何、一度に2人から告られてんの自分。
しかも、今日初めて逢った人だし……。
『あの…』
『あ!俺の名前は渥美 翔って言って…』
渥美 翔と言う名の青年は、ツラツラと自己紹介を始めた。とにかく不思議な青年だった。髪の色からはハーフに見えるが、顔つきは完全な日本人だ。
引き付けられる瞳も、青緑色をしている。
初めはカラーコンタクトかとも思ったが、違うみたいだし……。
全てが不思議な青年だった。
…この告白とこの青年の出現で、私達の関係は捻れてしまったのだ。