第6話 巫女様と呼ばれて
「計算不能・理解不能・再計算・・・・再計算・」
防衛AIが凄い速度で計算をしている。
「嘘だろ?
何事も無いだろうみたいな
地雷の踏んだセリフは吐いたが・・・・」
ゼルダ侵略団長がハイドに尋ねる。
「私も、やってくれれば楽しい、みたいな
地雷を踏んだセリフを吐いた気もしますが、
間違いありません。
黒アンドロイド軍団が全滅です。」
ハイドは真剣な顔で答える。
「全軍だぞ。ありえないだろう」
ゼルダ侵略団長も未だに信じられない様子。
「相手は何かしらの力をつかって爆発させることが出来るようです。
たまたま、バリアが破られて
たまたま、倉庫だけが残っていて
たまたま、倉庫の超圧縮ハイドロゲンが満杯で、
たまたま、タイミングよく爆破したようです。」
ハイドは真面目な顔でゼルダに報告する。
「たまたま、が続いたのか。
仕方ないと言えば、仕方ないのか」
ゼルダ侵略団長はハイドの報告に納得する。
「ただ、危険人物も爆発に飲み込まれて
死亡した可能性もあります。
おそらくAIが計算していますが、
何故か、防衛AIの計算が終わらないようで・・・・
大体、一人の人間に全軍を送り出すなど・・・」
ハイドが何か言いたげそうだった。
「防衛AIの計算が終わらない?
故障しているのかもしれないな。
そうだよな、全軍を送り出すなんて頭がおかしい。
わかった。
マイクにすぐに見てもらう。
各施設の監視ドローンは強化しろ。
危険人物が生き残っている可能性もあるからな」
ゼルダ侵略団長はそう言って、マイクを呼んだ。
「こんな時に、防衛AIが故障しているらしい。
すぐに確認してくれ。」
ゼルダ侵略団長はマイクに命令する。
「わかりました。多分、どこかの基盤が劣化
しているだけかと。
新しいのに交換すれは大丈夫だと思います。
1日もあれば・・・・」
マイクはゼルダ侵略団長に進言する。
「ハイド、本部に連絡を。
そして、黒アンドロイドの補給を要請してくれ」
ゼルダ侵略団長は困った顔つきでハイドに命令した。
基本的に作戦の失敗はAIの判断ミスによるものだ。
自分達が攻められることはない。
責められるとすれば、AI開発者たちなのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エレナの星には、敵の資源採掘場が5か所だったが
1か所はエレナが爆破したから今は4か所
何か作っている工場が3か所
山のてっぺんに敵の基地が1箇所とのことだ。
「どうしよう」
俺は再び呟いた。口癖になりそうだ。
「とりあえず、全部、爆破しようよ。」
無能な俺の代わりにエレナが作戦を立ててくれる。
あれから1日たったが、敵は現れない。
つまり、敵に俺は見つかっていないのであろう。
ハニーは森の中を高速で飛びながら監視ドローンを
パンパンと叩き潰し、
ジュリアンは暴風を吹かせて監視ドローンを
吹き飛ばしている。
この広場に監視ドローンが来ないようにしてくれているのだ。
思った以上にハニーとジュリアンの能力は高かった。
因みに、アンは俺たちの洗濯をしてくれている。
たまに俺のパンツの匂いを嗅んでいて、恥ずかしいのだが。
しかし、困ったことは敵の戦力分析だ。
エレナ達も黒アンドロイドしか見たことが無いらしい。
まさか、俺一人に全軍を送り出すことはないだろう。
あの軍団の何十倍、いや何百、何千倍もの軍隊があると
俺は考えている。
ならば、この森に被害が及んでも悪いし
当初とおり、俺がどこかの施設で暴れて死ぬ作戦か?
つまり、エレナの作戦どおり。
問題は、俺やエレナの体が肉片になった場合だな。
「さすがに、俺やエレナの体が肉片になったら蘇生はむりだろう?」
俺は洗濯をしているアンに聞いてみた。
アンは洗濯係なのだ。
洗い終えると、ジュリアンが風で乾かしてくれる。
「うーん。何とかなるんじゃないだすかね」
アンが俺のパンツを手にもって回しながら答えた。
赤髪のアンは、見た目は神秘的だが、どこか抜けた感じだ。
「ハハハハハ、さすがに無理だろう?」
俺は、馬鹿げた答えに、笑ってしまった。
「いやいや、私たちを舐めないで下さいだす。
エレナが死んでばかりだったので、今では私たちは
プロだす。この星一番のテクニシャンだすよ。」
アンが誇らしげに教えてくれた。
そんなことが可能なのか?
物理的に考えて無理。
いや、出来るのか?
いやいや・・・・・・・・・
「だって、不足している肉片や内臓とか血液は?」
俺は素朴な疑問をアンにぶつけてみた。
「まあ、そのへんのウサギや昆虫や
何か合いそうなものの奴をくっ付けて。
あっ。でも、アソコはやったことないだす」
アンが恥ずかしそうに、俺のパンツで顔を隠しながら答えた。
絶対に無理だ。
「そんなこと心配してたの。ユウスケ」
エレナが俺に言ってきた。
「大丈夫よ、私なんて何回も死んでいるんだから。
エヘン。」
エレナが偉そうに教えてくれるが、不安でしかない。
しかし、帰ってきたハニーやジュリアンにも聞いたが
アンやエレナと同じ答えだった。
まあ、疑っていても仕方がない。
しかし、蘇生が出来るとなると
絶対に守るべきはこの、お馬鹿3人娘ということになる。
ハニー、アン、ジュリアンだ。
蘇生は3人揃わないと難しいらしい。
まあ、確かにエレナの体は凄い力で保存されていた。
保存するために、毎日、相当なエネルギーを費やしていたとか。
とりあえず、今のうちに色々と整理してみる。
ここの星は、俺の星より小さい感じだ。
体が軽いのだ。
恐らく、1/3程度な感じか。
思い切りジャンプすれば、自分の身長以上は飛べる。
その小さい星で資源を採掘するのは危険性が高い。
敵が資源を奪うのは、自分の星の資源を使いたくないから。
宇宙侵略を拡大するのに使っては、自分の星に影響が出てしまう。
つまり、他所の星で侵略するための宇宙船の素材や燃料、資源など
を略奪し、その星で加工するのだろうと勝手に推測している。
それでは、敵がやられて一番つらいのはどこだ?
造船工場だろう。
ドミノを大量に並べている最中に
壊されたら、もうやりたいくないと思うのと一緒だ。
ということで、造船工場を破壊することを優先にする。
それと、エレナである。
俺が使えてエレナが使えない力はあるし
エレナが使えて俺が使えない力もある。
それが爆発だ。
今回は、エレナがいたから大丈夫だったが
常に2人で行動しなくてはならない。
「なあ、エレナ。爆発って、どうやって出来るの?」
俺は、近くでカエルと遊んでいるエレナに聞いてみた。
「簡単よ。イメージでドカーンって感じ」
エレナ先生の教え方は明快だ。
わかるか。ボケッ
「見てよ、このカエルさん」
エレナが、猫ほどの大きさのカエルさんを両手で持って言った。
ゲコー・ゲゲゲゲコー
なんか、可愛い。
「やめてあげて下さい。可哀そうです。」
俺は、エレナからカエルさんを奪い取った。
こんな可愛いカエルさんを爆破するなんて
なんて外道な女なんだ。
「違うわよ。私だってカエルさんを爆破なんてしないわよ。
アソコよ。
ユウスケがいざとなったら使えそうじゃない。」
エレナ博士がカエルさんのアソコを指さしている。
よくみると立派なものが。
何故か、カエルのくせに腰を振っている。
まあ、俺と大きさは変わらないか。
この星のカエルさんは両生類ではないらしい。
そして、オスはメスを奪い合い勝ったものだけが
子孫を反映できるそうなのだ。
確かに、俺の星の人間もそうかもしれない。
強いオス、つまりはエリート層だ。
エリート層は良い女を捕まえて子孫繁栄できる。
しかし、生活支援者だった俺は、子孫繁栄なんて
きっと出来なかったであろう。
まあ、生活支援者でなければ子孫繁栄出来るとも
言えないのだが。
でも塀の中では、何かが違った。
お金持ちとか、力が凄いとか、知恵があるとか
生活力があるとか、何か、そういったことでなくて
何かに惹かれ合って男女が付き合っていた気がする。
あそこでは、弱肉強食とかではなく、人間らしさの
何かがあった。
この星ではどうなんだろう?
「なあエレナ。この星は、結婚とかってあるのか?」
俺はエレナに聞いてみた。
「あるわよ。女ひとりで生きていくのは大変だからね。
力の強い男がモテるのよ。
養えるなら、奥さんを何人ももらっても大丈夫よ」
エレナ博士が、カエルたちのアソコを比べながら教えてくれた。
うむ。やはり塀の中とは少し違うのかな?
「でも、あれね。体とか心の相性が最初かもしれない。
それが良ければ、力のない男も結婚出来るわ
女は苦労するけどね」
なるほどね、やっぱりあの塀の中と同じ感じなんだ。
まあ、でもこの星でも恋愛とか結婚とかはあるんだな。
「なあ、みんな好きな男に挨拶しとかなくて良いのか?」
俺は、目の前でキャッキャッはしゃいでいる3人娘に話しかけた。
「何でですか?」
金髪のハニーが聞いてくる・
「だって、もしかしたら、もしかするじゃん。」
俺は、みんなが死んだときのことをオブラートに
包んで言った。
これからの行動では、俺とエレナ以外の
3人娘も狙われる恐れがある。
黒アンドロイドが相手では、3人とも瞬殺だろう。
そしたら、誰も蘇生も出来ない。
まあ、そうさせないために努力はするのだが。
「別に男どもに興味はありませんし、
男というなら、ユウスケ隊長といますし。」
ハニーが何でもないように話す。
「私もだす。」
「私も」
アンとジュリアンも同意する。
な、何なんだ?
生活支援を抜けてから何かモテ期がきているような気がするが
この星なら、女性関係で失敗しても大丈夫かな?
前の星では、とても出来なかったが。
「勘違いしない方が良いよ。
間違えて無理やり手をだしたら
恐ろしいことが起きるからね。」
エレナは、俺の心が読めるのか?
というか、確かにこの3人は見てくれは良い。
見た目だけなら美しいのだが、特別な感情がわかない。
なんというか、エレナと同じ匂いがするのだ。
何かこう・・・・・からかわれているような
そう言えば、芳子さんや百恵さん、明菜さんも・・・・
とりあえず、準備は整った。
あれから5日たったが、相手からの動きはない。
俺が爆発で死んだと思ってくれているのか?
そんなことは無いと思うが。
「うーん。大丈夫だろう。3人とも合格だ」
俺は、ハニー、アン、ジュリアンに言った。
「御武運を。ユウスケ隊長、エレナ」
3人娘が跪いて俺達に言う。
うん、やっぱり何か恰好が良い。
「じゃあ、行こうか」
俺はエレナに告げてテレポーテーションする。
とりあえず、俺とエレナは敵の造船工場の敷地内についた。
バリアを破壊しなくてもテレポートできることは証明できた。
「派手にやって、派手に死にますか」
俺がそんなことを言っていると、あっという間に
黒アンドロイドが100メートル先に現われた。
何故か、今回は5体だけだ。
「余裕だな」
「余裕だね」
俺とエレナは笑みを浮かべる。
黒アンドロイドが一斉にこちらに向けて、手のひらを
かざすのと同時に
俺は跪いて黒アンドロイドに向けて右手をかざす。
エレナは、立ったままでアンドロイドに向けて左手をかざす。
左足を同時に前に出して。
俺とエレナは、カッコ良いポーズを2人で決めてきたのだ。
俺が、遠方から黒アンドロイド5体のバリアを破る。
前回破壊したので、コツはわかっているのである。
手を触れなくても出来るのだ。
当然、こちらもバリアを張っている。
あとは、エレナ様の登場だ。
ドカン、ドカン、ドカン、
現われて一瞬で黒アンドロイド5体は爆破されてしまった。
数十秒後に
また、200体くらいの黒アンドロイドが500メートル先に現れた。
敵は何をしたいんだろう?
5体だろうが、200体だろうがやることは一緒だ。
俺とエレナは、手のひらを黒アンドロイドにかざした。
黒アンドロイドは、横に分散し、四方八方からレーザーを
打ち込んでくるが、
俺の3重のバリアによって意味をなさない。
敵もこちらのバリアを破壊しようと、レーザーとは
違う波動も打ち込んでくるのである。
当然であろう。
しかし、俺のバリアはすぐに修復するので
3重バリアにしておけば、こちらに被害はない。
俺が手をかざす方向に、エレナも手をかざして爆破する。
その繰り返しだ。
数分後
黒アンドロイドは全て爆発され全滅していた。
エレナは、ゆっくりとメインデッシュの造船工場を
爆破していく。
そして、宇宙船の造船工場はかわいそうなほどに
跡形もなくなっていた。
「次、行ってみよ―」
「おーう。」
「テレポーテーション」
俺とエレナはノリノリだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「危険人物が現われたか、まだ防衛AIが治っていないのに。
何が1日で直るだ。マイクの奴め」
ハイドの報告で、ゼルダ侵略団長が慌てている。
「如何なされますか?」
ハイドがゼルダの命令を待つ。
「とりあえず、仕方ない。
黒アンドロイドを5体くらい
送ってやれ。余裕だろう。」
ゼルダがハイドに命令する。
「一瞬で5体全部、余裕で、爆破されちゃいました。」
ハイドがゼルダに報告する。
「アホな。そんなアホな。
チ、チクショウ。全軍、送り出して
一気にぶっ倒せ。」
ゼルダが狂ったようにハイドに命令する。
「・・・・・・・・・・全滅です」
ハイドが報告する。
「うん。全滅だね。」
ゼルダも頷く。
「建造中の宇宙船、全て、なくなりました。」
ハイドが報告する。
「うん。そうだね。やばいよね。」
ゼルダは、感情のない人間のように呟いた。
しかし、しばらくして、ゼルダは気を取り戻す。
「本部に、この星で戦争状態に入ったと報告してくれ。」
ゼルダは、ハイドに命令をするのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お疲れ様です。ユウスケ隊長。」
3人娘が俺に跪いてくる。
よかった。こちらでは何事も無かったようである。
とりあえず、敵の造船工場3か所は全て破壊してきた。
最初の造船工場には黒アンドロイドが出現したが
何故か、残りの2か所は、敵の交戦が全くなかった。
なんでだろう?
まさか、あれで全軍ということはないであろう。
そして、
俺も、最後の1箇所で爆発能力を試してみた。
「あの、デカい宇宙船はさすがに1発では無理ね」
確かに大きいし頑丈そうだ。
母船というやつかもしれない。
エレナが珍しく弱音を吐いたので
「じゃあ、俺がやって見るか。」
「無理、無理。
ユウスケには無理だよ。」
エレナが完全否定したので、腹が立った。
悔しいので、エレナに教わったイメージをやって見る。
「無理よ。絶対に」
エレナはそう言ったが。
ドドドドカーン!
「テレポーテーション」
すごい爆発が起きてしまったので、テレポーテーションで
逃げ帰ってきたのだ。
「わたしだって、あのくらい。あのくらい」
俺の横で、半べそのエレナがうるさい。
「フフフ。これから俺のことは爆発のユウスケと呼んでくれ」
俺がそう言うと、
「なんで、あたいの爆発を盗むのよ。
私の名前どうするのよ。
爆発(小さいほう)のエレナに改名しなくちゃいけないの?
返してよ、倍にして返して、」
エレナが泣きながら俺の首を絞めてきた。
「冗談です。冗談・・・死ぬ・・・」
俺は、本当に死ぬかと思った。
「仕方ないわ。嫌だけど、私もユウスケから能力貰う。」
エレナが半べそをかきながら、俺を睨みつける。
嫌だったら、やらなくて良いのに。
俺から能力を貰うということは、俺と寝なくてはならない。
俺だってエレナと寝るなんて・・・・・
寝ると言っても、ただ抱き合って寝るだけなのだが。
何故か、エレナをはじめ3人娘は、俺と抱き合うと
俺の能力やエネルギーの一部を吸収することができるらしい。
だから、敵の施設を攻撃する前に3人娘とは
毎晩、交代で抱き合って寝た。
そのおかげで、3人娘は、今ではバリアを破壊したり
バリアを纏わせることぐらいは
出来るようになった。
まあ、俺達もバリアを手で触れないで解除する
練習が出来たのだが。
俺たちがいない時に黒アンドロイドが
3人娘に襲ってきても
バリアを纏わせたり、破壊できれば何とかなると思ったのだ。
あとは、距離を取っていれば良いのだから。
俺にとっては地獄でしかなかったのだが。
そりゃそうだ。
胸を当てられながら抱かれ続けて寝るのだ。
しかし、俺も、何故か精神エネルギーが半端なく
強くなったのだが。
しかし、エレナだけは拒んでいたのだ。
プライドが許せないとか
病気がうつるとか言って・・・・
しかし、そのエレナが・・・・
「じゃあ。貰うわ」
そう言って、俺の後ろから、いきなり抱き着いてきた。
エッ?
何だろう、ちょっとドキッとした。
エレナなのに。
胸が背中に当たって・・・
10秒後
おいおい。
どれだけ、もらっていったんだ。
あれだけあった俺の精神エネルギーが・・・
というよりも、これだけで出来ちゃうものなのか?
「エレナは、これだけで俺からもらえちゃうのか?」
俺はエレナに聞いてみた。
「うん。大分レベルアップした。
倍くらいになったかも。
他の3人も、これでもらえたはずよ。
抱き合って寝なきゃもらえないなんて、
あるわけないじゃない。」
エレナはさりげなくチクッた。
3人娘は、明後日の方向を向いて
知らんぷりしている。
やっぱり俺をからかっていたのか。
耳元に息を吹きかけられたり
色々と、関係ない事をされていた気がする。
チクショウ。
しかし、こいつら結構すごいな。
俺では出来ないぞ。
「なあ、他の奴等も、こんなこと出来るのか?」
俺はエレナに聞いてみた。
そう、抱きついて能力を貰うことだ。
「うーん。聞いたことないかな。
私が発明して、3人には教えたの。
楽して、レベルが上がるじゃん。」
エレナは簡単に答えるが、結構エレナ達って凄いのかもしれない。
そんなことを話していると
何やら、大勢の人の気配を感じた。
すごい、意思のある集団だから気が付いた。
「何か、この森に大勢の人が向かって来てないか?
500、いや1000人くらいいそうな感じだ。」
俺は、焦って4人に話しかけた。
「あー。この星の住人達ですね。きっと」
ハニーが答えてくれる。
「何で、いきなり俺たちのところへ?
何か、俺、不安なんだけど。」
俺は、ハニーに疑問を投げてみた。
「じゃあ。私が聞いてきますね。ユウスケ隊長」
そう言って、ハニーはビュンと高速で飛んで行った。
あまりの速さで、布で隠したお尻も見えなかった。
ぶっ飛びのハニーって、あんなすごい能力持っていたんだ。
音速までは大げさだが、あっという間に見えなくなった。
「なんだろう。敵の基地を破壊したから、みんなでお礼を
言いに来るのかしら?
手土産くらい、ちゃんと持ってくるでしょうね。」
エレナが呑気に言っているが、
俺は、大勢で向かってくるのに違和感がありすぎだった。
革命軍は解散している。
現在、この星の人たちは敵と良い関係でいるのだ。
闘っているのは、4人の馬鹿娘と俺だけ。
不安でしかない。
10分後
ハニーが帰ってきた。
「どうだった。何かわかった?」
俺は、戻ってきたハニーに聞いてみた。
「あの、ダイス大将め。ハゲ頭野郎のくせして。」
ハニーが、怒った顔で報告してくる。
ハゲ頭野郎って。
味方の大将でしょ?
「どうしたの?
禿げ頭のセクハラ?
でも、禿げ頭の人って、結構、すごいのよ。」
エレナ博士もハニーに聞いてみる。
「セクハラくらいだったら許せたけど、
ユウスケ隊長を探しているらしいのよ。
何でも、敵が危険人物を殺して差し出せとか言っているらしくて。
でないと、敵がこの星の住民を全滅させるとか騒いでるらしいの。」
セクハラくらい許せるハニーが話す。
「ユウスケ隊長を?」
アンは、とても驚いた表情だ。
「それで、私達と一緒のことは話したのか?」
ジュリアンもハニーに聞いてみた。
「話したわよ。
私達と一緒だって。」
ハニーが話す。
一緒だって言っちゃったの?
お前たちに迷惑がかかっちゃうじゃん。
「ハゲ大将は、それで何だって」
ジュリアンが聞く。
「ユウスケ隊長を、差し出して欲しいって言うから
私たちは、あなた方の敵になりますよ
って言ってやったの」
ハニーは怒り心頭のようだ。
いや、敵になるって。
ヤバいんじゃないかい。
「それは、ヤバいんじゃないか。
俺だったら、別に差し出されても良いよ。
お前たちが捕まったり、ひどい目にあったりするくらいなら」
俺は、ハニー達に言った。
「良いんです。ユウスケ隊長は関係ありません。
でもさ。
ずいぶん、あの禿げ頭、偉くなったもんだと思わない?
防衛軍とか作って大将だよ。
ダイス教だけでもウザかったのに。」
ハニーが腰に手をあててエレナ達に同意を求める。
防衛軍?
ダイス教?
「そうだすね。
珍しく男のくせに、
私達同様に生まれ変わりが出来るからって」
アンもだんだん怒ってきたような。
ダイス大将とやらは、エレナ達と同じように生まれ変わりが
出来るのか?
ダイス教と関係があるのかしら
「ハゲには、
私達、数えきれない人生とは比較にならないことを
教えてあげないといけないかな。」
ジュリアンが軽い笑みを浮かべて言った。
「数えきれない人生って?
数字を数えられないの?
いったい、ジュリアン達は何歳ぐらいなんだ?」
俺は、思わず声に出して聞いてしまった。
「数字は、数えられるよ。
それと、ユウスケ隊長。
女性に年齢を聞くのはさすがに隊長でもセクハラになるよ。」
ジュリアンをはじめ、みんなが一斉に俺を睨みつけた。
やばい。怖いです。
何か怖いです。この人たち。
「話をしても仕方ないと思って、
あまり調子にのらないで言って帰って来たわ」
ハニーが怒った顔をして言葉を吐いた。
ほえー。そんな偉そうな言葉を。
「あのー。エレナさん達って
元革命軍の第13小隊ですよね。
なんで、みなさん、そんなに偉そうなんですか」
俺は隊長なのに、小さくなってしまっている。
「別に、私達、偉くはないのよ。
巫女として一部の集落に祀り上げられているだけだし、
革命軍に、私たちの下になる希望者がいなかっただけよ。」
エレナが説明してくれる。
うん?
何か、わけがわからなくなってきた
巫女として祀り上げられている?
この4人って、このあたりで凄い人たちなのか
こんなに馬鹿なのに。
「では、今、こちらから引き上げて帰っている防衛軍とか
元革命軍の人たちって
皆さんより、あまり能力は無いということでしょうか?」
俺は、エレナ様達に聞いてみた。
「そうね。能力があっても、
良くて、ユウスケの留置所にいたときレベルね」
エレナが答えてくれた。
俺の留置所レベル?
物を動かしたりするくらいのレベルか。
しかも重量級は無理ということか。
それでは、敵と戦うレベルではないだろう。
「よく、それで革命軍とか作りましたね」
素朴な疑問だ。
「最初、男どもの一部が女にモテようと勇ましく作ったんだす。
でも、結局、敵の前に行くと弱腰で逃げて帰るんだすよ。」
アンが説明してくれた。
「腹が立つのは、逃げ帰っているのに
女たちには、めちゃくちゃ勇ましく戦って来たとか嘘つくんだよ。」
ジュリアンが追随して説明してくれる。
「私達も洞窟で暇だったので、勝手に革命軍に参加したんです。
勝手に小隊を作ってエレナを隊長にしたんですけどね。」
ハニーが革命軍に参加した経緯を教えてくれた。
なるほど。
簡単に言えば、男どもの革命軍が頼りないから
後からエレナ達が勝手に参加したということか。
「4人は勇ましく戦ったのですか」
俺は丁寧な口調で聞いてみた。
「はい。
はじめ、黒アンドロイドたちがレーザーで、森や岩山を
破壊していたのです。」
金髪のハニーが話をはじめる。
なるほど。
敵は、はじめから実力差を見せつけてきていたのか。
交渉を優位に進める方法だな。
「私は、敵地の上空偵察をする係、
アンは、つむじ風をおこす係
ジュリアンは、そよ風をおこす係
エレナはあちらこちらを爆破して土埃だらけにする係
として、勇ましく戦っていました。」
何か、敵に全く被害がなさそうだけど。
こちらの被害はどうだったんだろうか?
「それで、こちらの被害は?」
俺は聞いてみた。
「敵の攻撃では、死者や怪我人は出ませんでしたね。」
ハニーが誇らしげに説明してくれた。
敵の攻撃では?
何か、ひっかかるな。
「そっか、死者や怪我人は出なかったのは良かったですね。
エレナが仲間を庇って死ぬくらいですもんね。
みんなが仲間を守ったからですね。」
俺は、4人娘たちを尊敬する眼差しで言った。
「仲間を庇って死んだ?
エレナが?
違うよ。
エレナは、自分がいる場所を爆発しちゃって
大木に踏まれて死んじゃったんだよ。
クスクス」
青髪のジュリアンが笑いながら教えてくれた。
エレナが遠くを見つめて、こちらを見ない。
俺の敬語タイムは終わった。
こいつらが、そんな偉いはずがない。
「そんなことよりも。
ユウスケ隊長を・・・殺して引き渡してくれなんて」
赤髪のアンが、怒りを再燃している。
どうも、アンは感情的になりやすいようだ。
「いや、いいんだ。俺は。
でも、困ったな。
俺のせいで、敵に皆がやられても心苦しいし。
俺、敵の方と話し合ってみるよ」
俺は、さわやかな笑顔で、4人に言った。
そう、まずは話し合いが重要なのだ。
いきなり、武力行使はいけない。
そんなのは低能な奴がすることだ。
俺はそんなこと・・・・・・・うん?
「さすがに、相手の基地をぶっ壊すのは大変かもよ。」
エレナが言う。
だから、話し合いだと言っているのだが。
本当に人の話を聞かない子である。
「私たちは、どうしたら良いですか?
さすがに相手の基地には最大戦力が。
それに、私達では足手まといかと・・・・・」
3人の小娘達も跪いて言った。
みんなで、一緒に行くという案もあるが。
みんな死んでしまったら、蘇生が出来なくなるし。
それよりも、こいつら、絶対に何かやらかしそうだ。
「とりあえず、皆は、街の仲間達を守っていてよ。
人質とかとられても面倒くさいし。
じゃないと、俺も安心して話し合いが出来ない」
俺は、何とか、俺ひとりで行けるように、説得してみた。
「わかりました。
そうですね。街は基地のふもとにありますし、
危険が無いとはいえません。
では街まではご一緒に行きましょう。」
ハニーが答えてくれたが、
他の巫女様達も理解してくれたようだ。
「その前に、ご飯食べよ」
エレナは本当に呑気です。
俺は、疲れている体に鞭をうって、みんなの料理をする。
エレナにエネルギーをとられてしまっていることも忘れて。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、エレナから町のイメージをもらいテレポーテーションした。
何故か、エレナは俺にイメージを伝えることができる。
しばらく、一心同体だったからであろうか?
街は賑やかだった。
相手の基地のふもとである。
水路などインフラも整備されていて
エレナから聞いていたよりも文明がありそうだ。
エレナが俺の星にいた時間の進み方と
この星の時間の進み方が違うようだ。
エレナが死んでから、相当の時間が経っていたようだ。
女性は、エレナ達よりも、ふくよかな感じの人もいる。
男性は、ゴウゾウさんみたいな体型が多いようだ。
驚きなのは服装だ。
俺の星によく似ている服装の人たちもいる。
ファッションという文化があるようだ。
たまに、エレナ達と同じような恰好の者たちがいるので、
貧富の差があるように感じる。
それにしても、俺は、今、エネルギーを回復したい。
食事をしただけでは、エネルギーが回復しないのだ。
せめて、一晩、
いや、一晩では無理かな?
せめて、万全な状態で敵の基地に行きたい。
話し合いと言っても、何が起こるかわからないのである。
ここで宿をとれるのかなと俺が考えていると、
街の女性のひとりがエレナ達に気づいた。
「みんな、エレナ様達が地上に降りてきてくれたわ。」
その声に、エレナ達のことを囲むように人々が寄ってきて拝んでいる。
「ありがたや、ありがたや・・・」
地上に降りてきた?
洞窟に住んでいただけですけど。
しかし、エレナ達は、すごい人気だ。
俺は、
何故かシカト状態というか、時々、睨まれている気が。
「エレナ様、すみません。よろしければ赤ちゃんに
御加護をいただければ」
どこかの女性が赤ちゃんを抱っこしながらエレナに頼んでいた。
エレナ達のように布切れの服だが、熟女のエロさを感じる。
御加護?
エレナに出来るわけない。
赤ちゃんが
爆破されないように気を付けた方が良いと思うのだが。
「はい。よろこんで。神の祝福がありますように。」
そういうと、エレナは赤ちゃんに右手をかざした。
ほのかな光が赤ちゃんに
アレッ
エレナだよな。
巫女というか天使のような雰囲気があるような。
「ありがとうございます。」
その女性は、涙をながしながら喜んでいる。
ジュリアン達も何か、跪いている人たちに
向かって手をかざしている。そして、柔らかな光が。
おかしい。
絶対におかしい。
ユウスケ隊長とか言っているこいつらが?
女性とは思えない食いっぷりのこいつらが?
男をどうやって下僕にするか考えてばかりのこいつらが?
ありえない。
そんなことを俺が呆然となって考えていると。
「私たちは、今夜、宿を探しています。
どこか、お願いできませんか?」
ハニーが優しい声で人々に問いかける。
「では、私にホテルまで案内させてください。」
男性の中でも美形な感じの者がひとり歩いて近づいてきた。
「私は、ホテル管理長のジョニーと申します。」
白いスーツの服装、
切れ目の奇麗な顔で美男子だ。
「うむ。では頼みます。」
ハニーが偉そうに言っている。
巫女様達は、その美男子を見ても反応しない。
美男子に興味がないのであろうか。
しかし、ここにきてから4人の小娘の様子がおかしい。
気品があるというか、女神のような。
4人は道の真ん中を並んで上品に歩いている。
道のわきによけて跪いている人もいる。
俺は、使用人のように、コソコソその後を歩いていくのだが。
しばらく街から歩いて海の方へやってきた。
潮の匂いが心地よい。
泳げない俺は、海水浴など行ったことはないけれど。
「こちらになります。普段は満室でございますが、
しばらく客人は来ませんので、ご自由にお使いください。
何かありましたら、
こちらのボタンを押せばメイドがやってきます。」
ジョニーは礼儀正しくそう言うと、
一礼して部屋から出て行った。
このホテルは、街の建物とは異質な感じだ
異文化の人が建てたような感じなのである。
俺の星でいえば、エリート達が住むような豪華な部屋。
シャンデリアのような照明に、
ソファーや、ベットなども置いてある。
窓を開ければ、奇麗な海岸が見える。
「なあ、エレナ、ここには前にも来たことがあるのか?」
俺は、
ソファ-で足を広げてくたばって座っているエレナに聞いた。
先ほどまでの、神々しさは何処に行ったのか?
「はじめてよ。知らないわ、こんなところ。」
エレナが、捨て台詞のように答える。
「いつの間に建てたんでしょうね。
昔はありませんでした。
街の連中ではこんなの建てるのは無理でしょう。」
ハニーがベットに横たわりながら補足説明してくれる。
多分、敵が建てたのか。
何で、こんなところに。
そういえば、ホテルとか言っていたな。
まさか、敵のリーゾートホテルだったりして。
「疲れた。だから、嫌なのだすよ。街に来るの。」
アンもソファ-でエレナと同じような恰好でくつろいでいる。
上品な巫女を演じていたのが疲れたのだろう。
「そういえば、エレナ、御加護とかって何なんだ?
精神エネルギーでも分けたのか?」
俺は、くつろいでいるエレナに聞いた。
「あれは、祈ってあげたのよ。元気に育ちますようにって」
エレナらしからぬセリフである。
「私たちも、一応、巫女だからね。
みんなの、幸せを常に祈っているんだよ。」
ベットに寝そべっているジュリアンが補足説明をする。
祈り?
単なる祈りではなかった気がするが。
だって、ほのかな光が出ていたぞ。
現在、巫女様たちは、カエルをひっくり返したかのように、
4人ともくつろいでいる。
それにしても、俺は何処で休んだら?
ソファーはエレナとアンが。
ベットは、ハニーとジュリアンが。
しかたない、床に座ってテレビでも?
テレビ?
何で、この星にテレビ?
俺はとりあえず、電源らしいものを押した。
なんじゃこりゃ
SF映画みたいな宇宙戦争の動画だ。
というかニュースっぽい。
わけのわからない言葉が説明している感じなのだ
しかし、宇宙でも爆発とかするんだ。
酸素もないのに。
こんなところ地獄でしかないな。
俺が、そんなことを考えていると。
「すごい。カッコ良いわね。
私も参加したいんですけど」
ソファーでぐったりしていたエレナが体を起こして見ている。
「駄目だすよ。
エレナもさすがに、宇宙には行けないだすから。」
ぐったりしたアンに、エレナは止められている。
宇宙に行けたら良いんかい。
俺は、ツッコミをいれたくなるが。
それよりも動画で気になることがあった。
どこかの軍隊と、どこかの軍隊が戦っているのだが・・・・
晃かに、片方の軍隊は、エレナの星の侵略者側だ。
俺とエレナが破壊した宇宙船と同じものが数隻いるのだから。
ということは、敵もどこかと戦っている可能性があるのか。
そのために、この星を・・・・?
俺の星でも宇宙開発は、どんどん進んでいるようだけど
宇宙に出れば出たで、また、戦争になるのであろうか?
「暇だね。」
「そうね」
「森の中の方が良いよね」
「しばらくの辛抱よ」
4人のカエル娘は、とても暇そうである。
ベットの上でヒキガエルのようになっている。
テレビを見ても、言葉がわからなくて面白くないらしい。
「ユウスケ、エネルギーは回復した?」
俺のエネルギーを盗んだ犯人のエレナが聞いてくる。
「まだだね。今日、一晩休んでどうかなって感じか」
俺は、冷たい床に寝ながら答えた。
エレナはふーんという感じで納得した後
他の3人とゴニョゴニョ何かを話している。
話を終えたかと思うと。
「ユウスケ隊長、お疲れでしょう。
こちらのベットでお休みください」
ハニーが優しい言葉をかけてくれた。
今まで、ダブルベットを一人で独占していたのに。
「いや、いいよ。俺はこの冷たく固い床で」
嫌味ったらしく、俺は答えたのだが。
「こちらで、マッサージをしてあげるだすから、
さっ。早く早く」
アンが俺を手招きしている。
女性にマッサージか
絶対に、こいつら何か企んでいる。
そんな罠に俺は・・・・・
「じゃあ、お言葉に甘えて」
考えとは逆に、
俺はベットにうつ伏せに横たわってしまった。
俺は現在、パンツ1枚の姿だ。
マッツサージをするのに服は邪魔なようだ。
さすがに恥ずかしいので薄い毛布をかけているが。
「気持ち良いですか。痛かったら言ってください」
金髪のハニーが俺の肩を揉みながら言ってくる。
俺の頭は、ハニーの股で挟まれている。
「ここ、凝ってるだすね。」
赤髪のアンは俺の背中を揉んでくれている。
アンは俺の腰に乗っている。
「ここのツボが良いんだよ」
青髪のジュリアンは俺のお尻を揉んでくれている。
ジュリアンは俺の腿の上に乗っている。
身動きが取れずに拘束プレーをされているようだが、
なんて極楽なんだろう
王様気分だ。
「どう、ユウスケ、私のテクニック」
エレナは俺の手のひらを、ひたすらさすっている。
テクニシャン芳子さんの真似をしているのであろうか?
まったく、感じない。
「まだまだ、芳子さんには及ばないな」
俺は、エレナに言ってやった。
最初は、極楽気分であったのだが
段々と、何故か変な気持ちになってきた。
何か4人の手つきがいやらしくなってきたのだ。
エレナでさえ芳子さんレベルに。
極楽気分から快楽我慢モードの地獄になった。
金髪のハニーは俺の首筋をやさしくなぞる。
赤髪のアンは何故か腰をリズミカルに動かす。
その、リズムに合わせて
青髪のジュリアンが際どいところを揉んでくる。
新手の風俗か何かか?
俺の思考はスケベなことで一杯になっている。
「それでは、ユウスケ隊長、仰向けになってください」
金髪のハニーが俺の耳元で息を吹きかけながら囁いてくる。
仰向け?
出来るわけない。
仰向けになたら、下半身がチョモランマになっていることが
こいつらにバレてしまう。
「もう、大丈夫です。大丈夫です」
俺は、そう言って、
うつ伏せになったままカサカサとゴキブリのように動き
服をかき集めて着替えるのだった。
やっぱり、暇つぶしにもてあそばれた。
しかし、何故か、少しエネルギーが戻った感じがする。
そして、夜になった。
「お腹減った。ご飯、メシ頼もうよ。
お酒もあるんじゃない。」
はしたないエレナである。
「そっか。そうだな。
確か、このボタンを押せばメイドさんが来てくれるとか」
俺はそういいながらボタンを押した。
しばらくすると、
トントン
ドアののノックの音がした。
「失礼いたします」
俺の星のメイドさんと同じような恰好の女性が入ってくる。
どこの星でもメイドさんは同じ格好なのか?
それにしても、かわいい娘だな。
ロングの茶髪で、スラッとした感じ。
「ご用件をお伺いいたします」
メイドさんは頭を下げて俺たちにお伺いをたてる。
「食事をお願いしたいのですが、よろしいですか?
お酒があれば、お酒もお願いしたいです。」
エレナが巫女様の演技モードに入った。
後ろを見ると他の3人も、エレガントに立っている。
女って怖い。
「かしこまりました。それでは直にご用意をさせていただきます。
お時間がかかるので、よろしければ食事ができるまで、
温泉に入っていただいても大丈夫です。」
メイドさんはお辞儀をして、部屋から出て行った。
「なんか、あのメイド。気にならない?」
エレナが不機嫌そうな顔で言う。
「そうですね。何か違和感がありますね。」
ハニーもメイドさんに何か感じたのであろうか?
あれだけ丁寧に応対してくれたのに。
もしかして嫉妬
自分達より若いから?
それにしても、温泉か。
温泉なんて入ったことがない。
「俺、温泉に入ってくる。みんなは?」
俺はみんなに聞いてみた。
「温泉だすか。まあ、森の温泉とどちらが良いか
比べてあげるだす。
美容に良いだすかね。」
赤髪のアンは、温泉に入る気満々である。
アンは、結構、美容意識が高いのだ。
しかし、森に温泉があったのか。
それなら教えてくれればよいのに。
いつも、川で体を洗っていたのだから。
結局、みんな温泉に行くことになったのだが
当然、男と女の風呂は別であった。
「それでは、風呂から出たら部屋で合流しよう」
俺はそう言って、温泉に入った。
俺の星と同じだが、浴槽が大きい。
浴槽の周りに体を洗う場所がいくつか用意されている。
湯船につかる前には、体を洗う。
エチケットだ。
誰もいないのだが、
俺は、タオル一枚で大事なところをかくして
イスに座った。
ガラガラガラッ
すると、誰かが入ってきた。
他にもお客さんいたのか?
それとも従業員か?
「失礼いたします」
先ほどのメイドさんがタオルで大事なところを
隠しながら、俺の方に歩いてきた。
「こちらのサービスで、背中を洗わせていただきたいのですが
よろしいでしょうか?」
メイドさんは恥ずかしそうに俺に言ってきた。
「お願いします」
俺にためらいなどない。
あるはずがない。そして、堂々としたものだ。
こんなことで、オドオドしてしまっては
恰好が悪い。
しかし、なんてすばらしいサービスなんだ。
鏡に俺の後ろで恥じらっているメイドさんの姿が
うつる。
「すみません。」
メイドさんが申し訳なさそうに言う。
ぜんぜん、構いませんよ。
俺はそう思っていたのだが
次の瞬間、背中に熱いものを感じる。
あれっ
鏡を見るとナイフをもったメイドさんの姿が
しかも、ナイフには血がついている。
あれは、俺の血だよな。
ヤバイ。
黒アンドロイドには余裕で勝てる俺が
メイドさんひとりに殺されてしまうのか?
そんな馬鹿な。
力が抜けていく。
ドサッと俺の体が倒れた。
グサグサグサッ
「すみません。すみません。すみません・・・」
メイドさんの声が聞こえてるが、
その声も遠くなっていく。
謝りながら刺すなら、刺さなければ良いのに。
しかし、
タオルの隙間から太ももが・・・・
そんなことを考えながら視界が暗闇になった。




