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アウランガバードへ向かう
消息が確実に分かっているのは、数日前までアウランガバードという町にいた事です。そこを拠点にアジャンタとエローラの遺跡を巡っていました。私がバンコクを立つ前日、アジャンタの仏教美術を興奮した様子で礼讃するメールをくれました。気に入った菩薩像を何枚も写して送ってきました。
これ以上ムンバイで待っていたところで埒があきそうもありません。なので私もアウランガバードへ向かうことに決めます。彼に会える保証はありません。でも、ぐずぐずするよりはましですし、何かしら手がかりが得られないとも限りません。バックパッカーが行きそうな宿屋さんに問い合わせることぐらい出来ます。最悪の場合、アウランガバード市内の病院に入院していることが想定されました。