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いよいよ現実が見えだしました
夜行列車の窓、長距離バスの車窓から眺める風景はものすごく、いよいよ現実が見えだしました。三百六十度荒れた地平線があるばかりで、そこにここにと大木の陰をたのんで日を避けるかのように生活する零細農民の家作がぽつんぽつん。気が変になりそうです。
ハンビが近くなると、奇怪さが加わりました。ありったけの岩を転がしていき、何百、何千、何万と寄せ集めて、そうして小高い丘を築いたかのような、山また山。岩肌をむき出して、緑の草木もまばらな山々です。
岩山の間を流れる川に付かず離れず、あるいは水のほとりに、あるいは丘のほとりに、それはそれは無数の寺院あとが散らばっています。遊山に来る人を目当てに商売する宿屋と食べ物屋がなければ、廃墟の中に埋もれる寒村というべきハンビです。ぞっと身震いする場所がハンビでした。




