図らずも私は自分を探しに
インドへ来て最初に泊まっていた宿近くのネットカフェに比べて、ここアウランガバードのカフェは店内がやや広く、しかも通いたい放題。なんべん出たり入ったりしようと、何時間座っていようと、文句を言う人はいません。朝起きればインターネットをしに行き、お昼になるとパニール・マサラを食べキングフィッシャー・ビールを飲んではインターネットをしに行き、夕方パニール・マサラを食べキングフィッシャー・ビールを飲んで又インターネットをしに行きました。観光はエローラでの半日のみ、あとはずっとネットカフェで過ごしたものです。
クリスから連絡が入るのを待つためでもありました。けれど、ネパールという国、パタンという名の町について知りたかった。何かの屋敷だったのでしょうか、幼いころに私はよく人に抱きかかえられてパタンにあるらしいその屋敷の中で生活していました。現在はネットから多くの情報を得る事が出来るようです。2009年の頃はまだ、パタンについて投稿されたものを探すのに苦労しました。ユーチューブにもそう沢山パタンにまつわる動画がアップされているわけではありませんでした。まして、あの五重塔はどこを探しても出て来ません。五重塔について書かれた記事すら無かったように思います。エローラの食堂で不思議な空手道師範が見せてくれた数枚が唯一の手掛かりです。しかも、それが「パタン」に立っている塔だとは、これもまた彼の言葉に頼るほかありません。確かに、動画等で「パタン」の街の様子を見る限り、それは私が知っている街。でも、肝心の五重塔についてはネット上に何もありません。
「自分探しの旅に出る」などと言いますが、図らずも私は自分を探しに旅に出たのであるように思われました。




