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現実世界に存在する街
エローラから帰るとホテルへ戻る事もせずにネットカフェに入りました。「パタン」という町について調べます。ユーチューブ等に投稿されている動画に食い入るようにして見たはずです。ネパールの首都であるカトマンズから直ぐの町が「パタン」であるようでした。正にそこは育ったところ、私が十歳前後の子供時代に入り込んでは抜け出し、入り込んでは抜け出してくることを繰り返した「町内」です。おぼろげながら土地勘を持っています。どこをどのように曲がればどのような建物があるか、など。町内に漂うにおいまで思い出されます。
私はエローラの食堂で写真を見せてもらうあの時まで、そこが実在する場所だとは思っていませんでした。幼い頃にしばしば迷い込んだ空間。夢の世界めいた、不思議の街めいた空間。それが、この現実世界に存在する街だった。




