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私も見栄をはりました
これからインドをどう回る予定かと尋ねます。口説くつもりはないから安心しろと言いますけれど、私も見栄をはりました。ビーチで彼氏と時を過ごす為にインドに来たので、このあとゴアに行くことを伝えました。
「そうなんだ。乗り物には気をつけて。夜行列車なんかで食べ物飲み物をすすめてくるヤツがいたらやばいヤツだよ。一服もられて目が覚めたら身ぐるみはがされていたなんて話はザラだから。日本の女の子は狙われるよ、バカが多いから。大丈夫、そのビールには何も入ってない」
冗談を言うにも淡々と話します。表情を変えません。何が冗談で何が本気なのかどぎまぎします。
「俺もついていってやりたいけどビーチに興味はないしな。遺跡を見るだけで精一杯。今日これでエローラは三回目。三日連続で来てる。」
彼は門前に近いドヤにインド人観光客に交じって宿泊しているとのこと。アウランガバードの市街地には用がないようです。
「困ったらメールちょうだい」
「普段着」が押し込んである荷物の奥からレッツノートのラップトップを取り出します。そして何か入力しはじめるのでした。




