表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日々野転々の大晦日

作者: 暇脳達弥

この作品はフィクションです

「♪も〜ぉい〜くつねぇ〜るぅ〜とぉ〜、お〜しょ〜ぅう〜が〜つぅ〜。


おしょうがつには〜蛸揚げて〜、い〜かも揚〜げて揚げまくるぅ〜。


はぁ〜や〜くぅ〜こぉ〜い〜こぉ〜い〜、揚げ揚げエ〜デ〜ン〜。」






「おい。」

「どうも揚げ魔神です。」

「聞いてない。」

「あら。」

「そんなに正月を待ち焦がれていなくても、もう明日が正月だから心配するな。」

「なんと!明日が正月だったのか!てことは今日はオルゴンキュレーター記念日だね?」

「初めましての記念日なんだけど?」

「ゴランゴランボ公国の有名な記念日なんだよ。」

「どこにある国ですか?」

「さぁ?」

「知らないのかよ。」

「どうも揚げ魔神です。」

「聞いてない。」

「あら。」

「今日、12月31日は、日本では一般的に、大晦日、と呼ばれている。」

「なるほどなるほど。」

「で、だ。」

「ほいほい。」

「本来であれば、今日までに大掃除を終わらせておくべきなわけだ。」

「はいはい。」

「終わったか?部屋の大掃除。」

「もちろんなんだよ!揚げ魔神の実力をナメないでもらいたいんだよ。」

「ナメてないし、そもそもさっきから名乗ってる、揚げ魔神、ってなんだよ。」

「黙秘します。」

「なんで。」

「揚げ魔神の秘密は国家機密の30歩手前って言われてるからね。」

「どれくらいの秘密なんだ。」

「うぉいうぉい、うぉいっっ!!」

「なんだよ。」

「いまキミが知りたいことは、揚げ魔神の秘密よりも、大掃除が終わっているかどうか、じゃ、ないのかね?ん?」

「言い方ムカつくんだけど。」

「大丈夫?カルシウム足りてる?もしくは、足りてる?」

「足りてる。」

「それはそれは。」

「大掃除が終わってると言うなら聞きたいんだけどな。」

「なにかね?」

「お前が掃除した部屋から、なんだか妙な匂いがしているんだけど。」

「あぁ、あれ?掃除の仕上げに香りづけを。」

「あんまり変なことするなよ?賃貸なんだから。」

「変なことはしていないんだよ。だた味噌を塗りたくっただけなんだから。」

「一時停止。」

「拒否!!!!」

「拒否する権利は無い。」

「ぶーぶーぶー。」

「なんで味噌を塗った。」

「塗ってません〜。塗りたくったんです〜。」

「より悪い。」

「なんてこったい。」

「とりあえず、全部拭き取ってこい。」

「え〜。」

「えー、じゃない。そもそも、何をどう考えたら部屋に味噌を塗るなんて行動に出るんだよ。」

「どうも揚げ魔神です。」

「会話をしてくれないかな?」

「わかったわかった。とりあえず味噌を拭いてくるから、キミは2代目揚げ魔神になって、その本分を全うしてくれたまへ。」

「………夕飯の天麩羅を揚げておけ、ってことか?」

「左様。サイドバック的な左様。」

「わかったわかった。揚げておくから、ちゃんと味噌を拭き取っておけよ。」

「おっけーおっけー任せておきなよ次男坊。」

「俺に兄弟はいない。」

「大急ぎで大味噌を大掃除してやるんだよ。大晦日、だ、け、に、ねっ!!!!」

「大味噌の無理矢理感。」

「そこはスルーしておくんなせぇ。」

2022年も、残り約10時間。早いなぁ…。

読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  大晦日にもう一本Mー1を見て、得した気分になりました。ありがとうございました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ