余命宣告されました。恋の病で。
自分はいつ死ぬのか。
遠い昔、小学生くらいの時に考えたことがあった。あれは確か、従兄弟が家に家族で遊びに来た時、母と姉と、従兄弟家族でこたつを囲みながら、祖母の最期をしんみりと話し出した頃のことだった。
紅茶と深夜帯だからと僅かなお菓子を摘まみながら、唯一の男だった俺はテレビを見ながらぼんやりと女共の話を聞いていた。
祖母は、旅行好きな人だったらしい。
家族で行ったハワイ旅行の帰国後すぐに向かった軽井沢旅行中に、心筋梗塞で倒れたそうだ。地元からは移動に一時間余かかる。祖母の入院後、我が家も従兄弟一家も、毎日のように病院に足を運んだ。実に二週間近く、両親は仕事終わりに他県へ移動する日々を強いられたそうだ。祖母の病状的に地元の病院へ転入する猶予もない状態だったらしく、結局祖母はそこの病院で亡くなった。
五十五歳。
時代が移ろう程長寿化する平均寿命にすれば、短命な命だった。
まだ俺が三歳くらいの時の逝去だったから、俺の中で祖母に対する記憶自体はあまり多くない。でも、危篤状態に入った頃にやっていた特撮アニメの最終回をその病院の小さなテレビで見た記憶は、微かに残っていた。
母は、まもなく祖母が逝った年齢に差し掛かる自分の年を憂いてこの話を大体いつもこう締める。
祖母も、曾祖母も、死んだのは五十代。だからあたしももうまもなく死ぬ。
そう言って、おどけた様子で茶化してこの話を締めるのだ。
遠巻きに、締めに入ったその会話を聞きながら、俺は思った。
曾祖母が、祖母が、母が、五十代で皆死ぬのなら……俺は一体、いくつの時に死ぬのだろう、と。
そう考えて、一晩ぼんやり考えて、いつも俺は悟るのだ。
人の死を。
自分の死を。
悟れる人が、どこにいる、と。
そう悟って、馬鹿らしくなって微笑んで、漠然とした死という恐怖から脱却し眠りに付く。
ひとしきり悩んだ後だからか、不思議と心は爽快なことが多かった。
多分、思っていたのだろう。
自分は、まだまだ死ぬはずがないって。
自分がいつ死ぬのか。
それが自分ではわかりようがないことだって、わかっていた癖に……。
浅はかにも俺は、いつもそう思うのだった。
従兄弟がいる非日常も過ぎて、またいつもの日常が始まった日のことだった。
高校に入学して、一年と少し。
ようやく慣れ始めたこの学び舎の、放課後誰もいなくなった教室で、俺は激しい口論を繰り広げていた。
頭の血管が切れるのではないか。思わずそう思ってしまうくらいの、大喧嘩。
その喧嘩が止んだのは、俺は倒れたせいだったそうだ。
薬品臭い病室に検査入院をしたのは一昨日の話。
精密検査をいくつかし、入院する前よりもぐったりとした時に俺は担当医師に呼ばれた。
「残念ですが……」
そして俺は、自らでは知る由もなかった死が間近に迫ったことを、担当医師に告げられた。
高校二年の夏。
茹だるような暑い夏の日、俺は自らの死期を知った。
信じられなかった。
確かにあの日、口論後に倒れる前から度々体の不調は感じていた。
朝起きた時、体が異様に重く感じたり、ご飯が喉を通らなかったり。
学校に着く頃には動悸が激しくなっていたり。
口論の時には、思ってもいない言葉が口から漏れたり。
自分でも驚くくらい、自分で自分が制御出来なくなるのだ。
でもそんな不調で、人が死ぬものか。
そうだ、そうに違いない。
俺は死なない。
死ぬはずが、ないんだ。
「……長瀬君」
念仏のようにうわ言をぶつぶつ呟いていた俺の目を覚まさせるように、医師は口調を強めていった。
「……落ち着いて」
落ち着いて?
落ち着けるはずがあるか。
まだまだ……たくさんしたいことがあるのだ。
高校二年の夏。まだ、十七歳。
ようやく青春が始まったばかりなんだ。
勉強して、部活をして。
恋をして……。
そんな色鮮やかな青春が……たった一度の人生の青春が……!
……ようやく、始まったばかりなんだ。
まるで砂上の楼閣のように、音を立てて何かが崩れていくのがわかった。
手に力が入らない。
足が震えて止まらない。
涙が溢れて、叫び出したい。
「……病名は」
震える声で、俺は尋ねた。
「俺の病名は……一体、何なんですか」
一体、どうして……どんな憎き病気で、俺は死するのか。
俺の問いに……。
「恋の病だよ」
医師は、答えた。
まもなく俺の脳は、フリーズした。
恋の、病?
コイノヤマイ……?
「それは一体、どんな病気なんですか?」
「そうだねえ」
医師はカルテを持ち上げて、続けた。
「動悸。息切れ。心臓の軽い発作。意識の衰弱。などが確認されているねぇ」
「なんて恐ろしい奇病なんだ……!」
そんな奇病に……クソッ。
「一体、どんな理由で発症する病気なんですか?」
「後天的なものもあれば……先天的なものもあるかな」
「先天的なものもあるなんて……」
そんなの……。
そんなの、どうしようもないじゃないかっ。
涙が止まらない。
本当に、もうまもなく俺は……死ぬのか。
まだまだこれからだってのに。両親よりも先に死ぬのか……?
そんなの……そんなのって……!
「……先生」
「何かな?」
「……ないとは、思っているんです。でも、もしあれば縋りたいんです」
医師は黙っていた。
「延命治療だとか、そういうのはないんですかっ!?」
そんな医師に向けて、俺は決死の叫び声をあげた。
……わかっているんだ。
……コイノヤマイだなんて初めて聞く奇病。そんな奇病に、延命治療がないなんてことは。まもなくやってくる死に向けて、足掻く術だって残されているはずがないんだって。
でも、それでも俺は……。
「あるよ」
医師の言葉に、俺は目を丸くしていた。
ある。
延命治療の術が、ある。
その事実に……まだ生きられる事実に。
これほどまでに感激することなんて、これまで一度だってありはしなかった。
「と言うか、特効薬もあるよ」
「特効薬もっ!?」
そんな……。
特効薬も、あるのか……?
……いや。
いや、待てよ。
特効薬がある。
そんな甘い言葉に惑わされて、俺は過ちを犯そうとしているのではないだろうか。
きっと……きっと、とてつもない辛い治療なんだろう。その特効薬を用いた治療は。
血反吐を吐くような、思わず死んだほうが楽だったと思うようなそんな治療が待っているのだろう。
死、よりも苦痛が伴う治療をするか。
はたまた、死ぬか。
……どっちを選ぶことが、正解なのか。
そんなの……。
そんなの、決まっているじゃないか。
まだ俺は、何もしていないのだ。
十七歳になりたての俺は、酸いも甘いも……ただの一つの青春さえも……!
まだ、何一つとして……成していないじゃないか。
「特効薬での治療をお願いします」
生きたい!
生きるんだ!!!
そう結論付けて、当然じゃないか!
医師は……。
「わかった」
微妙な面持ちで、苦笑していた。
「じゃあまずは、君の好きな人のことを教えてくれるかな?」
「えっ、どうして俺に好きな人がいることを……?」
俺、そんな下世話な話を医師にしたか?
……いや、そうか。
昨日までの精密検査。あれで俺に恋人がいることも突き止めたのか。
最近の精密検査って凄いんだなぁ。
「……どこから語れば?」
「じゃあ、馴れ初めから」
「……わかりました」
頷いてから、ふと思った。
生きるため、とはいえ……恋人との話をするのは、なんだかこっぱずかしいな、と。
* * *
桜の木に芽吹いたピンクの葉が舞っていたことを覚えている。
いつもなら学校へ行く時は徒歩で向っていたのに、転校し初めて赴く小学校へは父の運転する車で送ってもらった。車窓から見える景色は、今まで一度も見たことがなかった住宅地の街並みと、知らない地域のナンバープレートを付けた車だった。
陰鬱な気持ちを抱えていた。
父の仕事の都合で、慣れ親しんだ地からの引っ越しが決まった。仲が良かった友達に餞別の花束を渡されたその後も、その友達が見せた煌びやかな涙に思ったものだ。
引っ越しなんて、したくないと。
夢ならば、どれほど良かっただろうか。
しかし残念なことに、あの時俺の目の前に広がる光景にはただの一つも夢はなかった。車内、それがただ悔しくて仕方がなかった。
ただまもなく、俺は今目の前に広がる光景にただの一つも夢が交じっていなかったことに幸福を覚えるのだった。
生まれて初めての転校。
不安を抱える胸中で望んだ同じクラスメイトへの挨拶。
両親と別れ、先生に連れられ教室へと向かった。
ざわつく教室に、思わず一歩後ずさった。
しかし、意を決して教室に入ると、まもなく教室内の声が止んだ。
黒板の前に立たされ、背後からカッカッと、先生が黒板にチョークを走らせている音が聞こえた。
たくさんの人の視線を感じていた。
たくさんの好奇の視線を肌で感じていた。
それが、酷く不快だった。
でも俯くのはなんだか負けな気がして、俺は気丈に振舞うように鋭い眼光で一人一人の顔色を窺ったんだ。
そして、俺は見つけた。
夢のような、夢ではない光景。
小学生の癖をして、一人窓の外を見て黄昏る少女。
他の好奇の視線を寄越す人間と一線を画した、特異な少女。
その少女を初めて目にした時の感想は……。
変わった奴、でも。
大人びた奴、でも。
そんな普通の感想ではなかった。
何も、思わなかったのだ。
その子を見て、ただの一つも何も……思えなかった。
ただ俺は、ブラックホールのような圧倒的な引力で、その少女から目を離すことが出来なかった。
引き込まれるように吸い込まれるように注がれた俺の視線。
そして、高鳴る心臓。
化学反応のように連動するそれらを堪えて、平静を保っているのに必死だった。
まもなく俺は、悟った。
ああ、これが恋なんだ、と。
それが俺と広瀬薫との出会いだった。
薫は小さい頃から、ずっとさばさばした性格だった。
クラス活動ではいつも不愛想に黙っているし、体育とかレクリエーションでは男子顔負けの運動神経でドッジボールをすれば彼女の右に出る奴はただの一人もいなかった。
そんな薫との初めての会話は、サバサバした彼女の性格が災いして碌な会話にならなかった。
薫の隣の席が空席だったから、俺達は運良く隣同士の間柄になれた。でもすぐに俺達が会話をするような関係になることはなかった。
初めての会話は、社会の授業中だった。
丁度鎌倉幕府の勉強をしていて、源義経が思ったよりイケメンではなくてショックだったことを今でも覚えている。
我が家は大河ドラマが好きで、前放送していた義経も見たのだ。
その時の義経役が、今や某アイドル事務所社長の当時イケイケのアイドル。それはもう美男子で……だから俺も、源義経と言えば彼くらいのイケメンを連想していた。
だから、人物絵の義経を見て酷くショックを受けた。
思わず、隣の席の薫の足元に消しゴムを落としてしまうくらい……ショックだったのだ。
「ごめん」
「……気を付けてよ」
サバサバとした言葉に、心臓を鷲掴みにされた気分だった。このままでは嫌われてしまう。
あの時の俺は、ただ必死だった。
「ごめん。あの、タッキーとは全然違って」
拾ってくれた消しゴムを受け取りながら、俺は捲し立てていった。
「……ふぅん」
そんな俺に、薫が唸った。
「大河ドラマ、好きなの?」
「……うん、まあ」
「あたしも」
「そうなの?」
「うん。似た者同士だね」
微笑んだ薫に、もう一度心臓を鷲掴みにされた。
その日は、薫と初めて喋れたこと。そして共通の趣味を持っていたことが嬉しくて一日小躍りをしていた。
それから俺は、一層大河ドラマ鑑賞に熱を込めた。俺が思っていたよりも薫が大河ドラマオタクだったから、だからそれに負けじと、話題を提供出来るようにと熱を込めた。
大河ドラマ、という共通の話題は、中々隙間事業だった。
小さい子供は勉強が嫌いだ。だから、ドラマが好きでも中々好き好んで大河ドラマを見ようと思う子……引いては、それを見た上で考察に勤しむ奴なんて滅多にいなかった。
だからこそ俺と薫は、二人の世界に入ることが昔から多かった。
中学二年くらいの頃から、俺達は付き合っていないながら周囲から公認で恋人だと認知されるようになった。
最初は、周囲からそう思われているだけで俺は満足していた。
俺から見れば、薫は高嶺の花だった。
そんな彼女の気持ちを射止めることは容易ではない。だから、このままの関係で入れるならそれ以上の物は望んでいなかった。あの関係を壊したくなかったんだなって今ならわかる。
でも、そうとも言ってられない状況に陥った。
「……ねえ、智樹」
ある日、薫が俺をかき乱してきたんだ。
「あたし、告白された」
薫が告白されたのは、一つ上の先輩。
サッカー部の部長で、イケメンってことで有名な人だった。
虚を突かれたような気分だった。
あの環境に、居心地の良さに胡坐を掻いていて、それ以上を望まなかった俺に下った天罰だったんだと思う。
俺は、何度か聞いた。その先輩に、何て返事をしたのかって。
薫は、断固としてそれを教えてくれることはなかった。
だから、俺は思ったんだ。
……ああ、薫はその先輩と、付き合うことにしたのかって。
* * *
そこそこ語って、俺は乾き始めた喉を癒すように大きなため息を吐いた。
医師は、神妙な面持ちをしていた。
「そうか。それで君は……恋の病を」
納得げな顔。
どうやら今の話に、俺が病気に罹った原因が隠されていたらしい。
医師は、カルテを机に置いて背もたれにもたれかかった。
「……辛かっただろう」
「……そうですね。前の環境は、居心地が良かった」
だからこそ俺も、高望みはせずにあの環境のままで良いと思ったのだ。
……でも、もうあの環境は壊れてしまった。
薫のあの一言のせいで。
終わってしまったのだ。
名残惜しさはある。
でも、今ではあれが終わって良かったと思う気持ちもある。
人生は、たった一度きり。
そのたった一度の人生で現状維持を望むだなんて、そんなの間違っている。
たった今余命宣告をされたからこそ、余計に俺はそう思ってしまった。
「そうかい」
医師は、少し寂しそうに呟いた。
「それで、君は失恋をしたってことか」
「え?」
「え?」
「してないです、失恋なんて」
「え?」
医師は、目を丸くしていた。
「……薫ちゃんを、先輩に取られたって話じゃないの?」
「取られたって……薫は物じゃない」
「あ、はい」
薫を物扱いされて苛立つ気持ちを抑えながら、俺はこれから話す言葉をまとめた。
「あの日、薫は俺を出し抜いてきたんです。互いにずっと思っていた。あの環境は居心地が良いって。だからこそ俺達は小学校から始まり、中学高校と進んでもほぼいつも一緒にいた。だからこそ、俺も……あれでも、良いかと思った。
でも、あいつはもう満足出来なくなっていたんです。
だから、振った先輩の話を俺にして、俺の気持ちを確認してきたんだ」
「……と、すると」
「あいつに出し抜かれて……その、俺はあいつに告白したんです」
「……おおっ」
感嘆の声を医師は上げた。
「それで、薫ちゃんの答えは?」
俺は黙って、頷いた。
「おめでとう。そうかい、良かったねえ」
まるで自分のことのように喜んでくれる医師に、俺はむず痒さを覚えた。
しかしまもなく、医師ははて、と頭を抱えた。
「じゃあ、君はどうして恋の病を……?」
戸惑う医師に、今度は俺が首を傾げる番だった。
「えぇと、コイノヤマイと薫って、何か関係があるんですか?」
戸惑う俺に、医師は俯いたまま、考えに耽っていた。
「……薫ちゃんと、喧嘩でもした?」
まもなくされた医師の質問に、俺は唇を噛み締めた。
その時だった。
心臓がドクンドクンと高鳴りだし、痛みを覚えたのは。
「あ、正解だった?」
平静とする医師。
心臓が痛くて、それどころじゃない俺。
……この心臓の痛み、確かにもう俺の命は永くないらしい。そう悟ってしまった。
「先週の休みの日、俺達デートに行く予定だったんです。でも薫、そんな日に熱を出しまして。それでデートに行けなくなったことを責めているわけじゃないんです。ただ……看病に行くって言っても、来なくていいの一点張り。この前ようやく快復したあいつに、俺は開口一番文句を言ってしまいました。
お前が辛い時に傍にいれないのがどれだけ辛いと思ってるんだ。死ぬくらい辛いんだぞ。
だから、今度は絶対に看病に行くからなって……。
でも、そんな俺をあいつは煙たく思ったようで……。
あんたに風邪移したくなかったから呼ばなかった、だの。
あんたの看病のためにあんたの家に上がって平静でいられるわけない、だの。
終いには、あたしもあんたがいなくて死ぬくらい辛かったんだからもう良いじゃない、とか怒りだして……。それで……」
つい、カッとなって口論になってしまったのだ。
痛みを堪えていると涙が溢れそうだった。
多分、この涙は薫との喧嘩の内容を思い出したから出たものではない。
医師は、しばらく目を閉じて唸っていた。
「……ふぅむ」
そして、何か確信めいたことに気付いたかのように目を見開き、続けた。
「それだねぇ」
「……何がです?」
「君が衰弱した理由さ。……薫ちゃんとの仲違いで、君は余命宣告されたんだ」
「いや、意味がわからないです」
真面目な話の中、突然降って出てきたしょうもない話に、怒りも呆れもなかった。
首を振る俺に、医師は平静と首を横に振った。
「私もわからないよ。まさか恋の病でここまで衰弱する人がいるだなんて」
医師も、困惑した様子が隠せなかった。
何か、医師との食い違いを感じる。
そう思って俺は、状況を整理することにした。
状況を整理してみて、気付いたこと。
それは、俺の余命宣告された病名がコイノヤマイではなく……恋の病のように思える、ということだった。
「先生、質問良いでしょうか?」
「何かね?」
「コイノヤマイって……恋愛関係から生じる奇病なのでしょうか」
「そうだねぇ、そうだと思うよ?」
医師は頷いた。
「先生、質問良いでしょうか?」
「何かね?」
「恋の病って……人が死ぬような病気なのでしょうか?」
「普通は違うね。でも君は……危うく死にかけたね」
医師は頷いた。
「私も長く医者をしているが、君のような症例は初めて見たよ」
「初、ですか」
「うん」
医師は頷いた。
「世界でも初、じゃないかな?」
「レアケースですね」
「そうだね、一途で素晴らしいと思うよ?」
沈黙が流れた。
「先生、質問良いでしょうか?」
「何かね?」
「恋の病の、特効薬って……?」
医師は天を仰ぎ、しばらくして俺を見た。
「薫ちゃんとの仲直り、かな?」
そう言う医師に……。
「先生、質問良いでしょうか?」
「何かね?」
俺は、治療のアドバイスを求めた。
「薫との仲直り、どうすれば出来ると思いますか?」
恋愛相談もしてくれるお医者様には頭があがらないぜ!
評価ブクマ感想宜しくお願いします!!!