嗅覚と聴覚のこのうえなき幸せ
寒い日のあたたかな布団のなか
髪のあまい香りにつつまれて
そっとまぶたをとじる
静けさのなかで
耳もとからあなたの声が聞こえたら
私は一瞬で夢の中へ
するりするりとおちていく
私をおちょくって
楽しそうに笑う
きらきらした鈴色の声
真剣な想い
まじりけなく突きぬける
真っ白なひこうき雲の声
いつもと違った様子で
水の底で静かにささやく
儚く透明な声
あなたの体から生まれた
空気の振動が
このうえなく優しい音になり
私の鼓膜を震わせる
お気に入りの安らかな香りと
鮮やかでいとおしい音につつまれたとき
私は夢の中へ
たった2つの感覚だけで
3.2.1で
完璧な夢の中へ
するりするりとおちている