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マジカルゴルフ

 その日もまた、午前1時のトークルームのメンバー達が時計塔に集まっていました。

「点呼……はしなくても良いか。」デコードが言いました。

「良いと思う。」エンコードが言いました。

「全員揃ってるのは明らかだしね。」パワーコードが言いました。

「まあ、四人しかいないし……。」トランスコードが言いました。「それにしても、今日もすること無いよね。」

「うん。」デコードが言いました。

「仮に夜に大きなバトルが勃発したとしても、一時までには終わってるよね。」パワーコードが言いました。

「うんうん。」トランスコードが言いました。

「ヒマならヒマで良いんじゃない、そういう仕事内容なんだし?」エンコードがマジカルテックラップトップを操作しながら言いました。

「まあね。」パワーコードが言いました。

「でも、今日はヒマにならないかも知れない。」エンコードが言いました。

「え……?」パワーコードが言いました。

「何か見つけたの?」デコードが言いました。

「うん。」エンコードが言いました。

「何何……?何を見つけたの……?」トランスコードが言いました。

「魔法少女……。場所は……ゴルフ場……。」エンコードが言いました。

「魔法少女……!?」トランスコードが言いました。

「そのパソコン、魔法少女の出現を捉えられるワケ……?」パワーコードが言いました。

「どうかな……?」エンコードが言いました。

「どうかなって……。」パワーコードが言いました。

「確かそのパソコンには私が以前組み上げた魔力感知アプリが入っているけど、アレは確か正常に動作させることが出来なかったハズ……。」デコードが言いました。

「そうだね。でも、私が少し改良を加えて、多少は動くようになったんだ。」エンコードが言いました。

「そうなんだ。」デコードが言いました。

「まあ、それでも完全に動作しているワケじゃ無いけどね。」エンコードが言いました。

「とは言っても、それに何らかの反応があったのなら、調べてみる価値はある気がする。」デコードが言いました。

「私もそう思う。」エンコードが言いました。

「それじゃ行ってみる、ゴルフ場?」トランスコードが言いました。

「まあ、ヒマだし……?」パワーコードが言いました。

「うん。」デコードとエンコードが言いました。

「じゃ、決まりだね!」トランスコードが言いました。


 午前1時のトークルームのメンバー達はとあるゴルフ場へとやって来ました。

 そこには一人の魔法少女がいました。

「見て!」トランスコードが言いました。「魔法少女がいるよ!」

「ホントにいたね。」エンコードが言いました。

「あなたがいるって言ったんでしょ?」パワーコードが言いました。

「うん。」エンコードが言いました。

「何者だ?」その魔法少女が言いました。

「私はデコード。そしてこっちの三人はエンコード、パワーコード、トランスコード。」デコードが言いました。

「は……?」その魔法少女が言いました。

「ゴメン。コードネームなんだ。」デコードが言いました。

「コードネームか……。」その魔法少女が言いました。

「それで、あなたは……?」デコードが言いました。

「敢えて名乗るとするならば、私は“エリコの騎士”だ!」その魔法少女が言いました。

「エリコの騎士……!?」トランスコードが言いました。

「エリコって確か、数年前に世間を騒がせてたテロリスト集団だっけ?」パワーコードが言いました。

「そうだね。」エンコードが言いました。

「でもエリコってもう壊滅したんじゃないの?」パワーコードが言いました。

「魔法庁と警察庁とでその手柄を奪い合ってたよね?」トランスコードが言いました。

「実際のところ魔法庁はエリコと陰ながら協力関係にあったハズなのにね。」パワーコードが言いました。

「うんうん!」トランスコードが言いました。

「二人共、喋り過ぎ。」エンコードが言いました。

「ゴメン。」パワーコードが言いました。

「でも、彼女もエリコの騎士を名乗るからには当時の関係者ってことだよね?」トランスコードが言いました。

「大方、エリコの生き残りってところかな?」デコードが言いました。

「いかにも、私こそ元エリコのメンバーにして“ネオエリコ”のメンバーだ!」エリコの騎士が言いました。

「ネオエリコ……?」デコードが言いました。

「エリコが新生したってコト……?」パワーコードが言いました。

「そういうことだ!ネオエリコにはあの人も参加している。今度こそ私達の理想を叶えるのだ!」エリコの騎士が言いました。

「またテロ活動を再開するつもりじゃ……?」デコードが言いました。

「とりあえず、彼女の身柄、取り押さえとく?」エンコードが言いました。

「それが良さそう。」パワーコードが言いました。

「ネオエリコだかなんだか知らないけど、まあ、四対一なら負けないよね!」トランスコードが言いました。

「ま……待て!詳しくは知らないが、お前達は政府の人間なんだろう?だったら私達とは協力関係にあるハズでは無いのか!?」エリコの騎士が言いました。

「確かに……!」トランスコードが言いました。

「でも、エリコと魔法庁が協力関係にあったのって過去の話だし、それにエリコじゃなくてネオエリコなんでしょ?」パワーコードが言いました。

「たとえ協力関係にあったとしても、裏切りが起こることもあると思う。」エンコードが言いました。

「卑怯者め!」エリコの騎士が言いました。

「でも、何か企んでいるのは事実だよね?」デコードが言いました。

「ぐ……!」エリコの騎士が言いました。

「この場所にいるのも何らかの兵器のテストの為とか……?」パワーコードが言いました。

「そ……そんなことは無い!私はただ……ゴルフをしに……。」エリコの騎士が言いました。

「ウソっぽい。」エンコードが言いました。

「まあウソでしょ。」パワーコードが言いました。

「ウソでは無い!」エリコの騎士が言いました。

「だったらこうしよう?もしキミがゴルファーだって言うのなら、ボク達とゴルフで対決しようよ。それでキミが勝ったらゴルファーであってテロリストでは無いって認めてあげる。どう?」トランスコードが言いました。

「何……?」エリコの騎士が言いました。

「良い考えだと思う。」デコードが言いました。

「どうする?」トランスコードが言いました。

「フッ。良いだろう!その勝負、受けて立つ!」エリコの騎士が言いました。

「決まりだね!」トランスコードが言いました。「確か車のトランクに前に使ったドライバーが入れっぱなしになってたハズ……。」

 こうして午前1時のトークルームとエリコの騎士の対決が行われることになりました。

「先攻は私が貰う!」エリコの騎士が言いました。

「ドライバー持ってる?無いならコッチの貸そっか?」トランスコードが言いました。

「ゴルフをしに来てたのにドライバーを持ってないなんてことは無いだろうけど……?」パワーコードが言いました。

「そうだ!私にはネオエリコが作った最強のドライバーがある!」そう言ってエリコの騎士はマジカルテックモバイルを操作して魔法のドライバーを召喚しました。

「それは……!?」デコードが言いました。

「ドライバーだね。」エンコードが言いました。

「それもただのドライバーじゃない。魔法のドライバーだ。」デコードが言いました。

「まさか……!」パワーコードが言いました。

「アイツ……こうなることを予想して前もって準備していたんだ!」トランスコードが言いました。

「私達はそうとは知らずにまんまとアイツの罠に嵌められてしまったってコトね!」パワーコードが言いました。

「ハアッ!」エリコの騎士がその魔法のドライバーでボールを打ちました。

「ん……?」デコードが言いました。

「最強のドライバーって豪語した割には普通の飛距離じゃん。」パワーコードが言いました。

「どこら辺が最強なの?」トランスコードが言いました。

「愚か者め!この“クラッキング・ドライバー”の力を理解していないようだな!」エリコの騎士が言いました。

「クラッキング・ドライバー……?」デコードが言いました。

「クラッキング・ドライバーは対戦相手の飛距離をその相手のレベル×20mダウンさせる!」エリコの騎士が言いました。

「レベル×20m……。」デコードが言いました。

「仮にレベル8の魔法少女がボールを打ったとしたら、その飛距離は160mも落ちることになるね。」エンコードが言いました。

「そ……そんなに……!?」トランスコードが言いました。

「お前達が政府の人間であるならばそれなりのレベルの魔法少女であるに違いない。よってこの勝負、私の敗北はあり得ない!」エリコの騎士が言いました。

「なるほど。」デコードが言いました。

「ついでに教えておくが、クラッキング・ドライバーの効果が発動するのはティーショットだけでは無いぞ!私がこのドライバーを所持している限り、全てのショットにおいてその効果が発揮される!」エリコの騎士が言いました。

「それだとパッティング出来ないじゃん!」パワーコードが言いました。

「そう言うことだ!」エリコの騎士が言いました。

「でも、あなたは大きな勘違いをしている。」デコードが言いました。

「何……!?」エリコの騎士が言いました。

「私達は通常の魔法少女じゃない。」デコードが言いました。

「それはどういう……?」エリコの騎士が言いました。

「私達は魔法少女とマジカルジョッキーのハイブリッド。」デコードが言いました。

「マジカルジョッキー……!?魔力を繋げる力を持った魔法使いのことか!」エリコの騎士が言いました。

「マジカルジョッキーの要素を持つ私達はレベルを持たない。よってクラッキング・ドライバーの効果は私達に通用しない。」デコードが言いました。

「くっ……!」エリコの騎士が言いました。

 デコードがドライバーを構えました。

「かくなる上はショットを直接妨害するしか……!」そう言ってエリコの騎士がクラッキング・ドライバーでデコードに殴り掛かりました。

「ハアアッ!」デコードが向かってきたエリコの騎士をドライバーで殴りました。

「ウアアアアアアアッ……!」エリコの騎士がデコードの攻撃を受けて倒れました。

「あなたにゴルファーを名乗る刺客は無い!」デコードが言いました。

「やれやれ、危なかったね。」トランスコードが言いました。

「アレくらいの相手、デコなら余裕で返り討ちに出来たでしょ?」パワーコードが言いました。

「そうじゃなくて、あのまま勝負が続いていたら、負けてたかもってハナシ。」トランスコードが言いました。

「確かに、相手の妨害を受けなかったとしても、実力で勝つ必要があったね。」エンコードが言いました。

「ま……まあ……。」デコードが言いました。

「とりあえず、ネオエリコについて考えてみない?」パワーコードが言いました。

「色々と情報を集めてみた方が良さそうだね。」デコードが言いました。


 おわり

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