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マジカルゴルフ #14

 その日もまた、時計塔の針がその時刻を指し示すと同時に午前1時のトークルームのメンバー達が姿を見せました。

「今日も全員揃ってるね。」デコードが言いました。

「まあ……。」エンコードが言いました。

「夜勤は体調崩しがちって言うけど、別にそんなこともないかも……。」パワーコードが言いました。

「そうかな?昼間に寝るの、個人的に結構しんどいんだけど……?」トランスコードが言いました。

「単に不眠症なだけなんじゃない?」パワーコードが言いました。

「まあ、そうかも……。」トランスコードが言いました。「みんなは……?」

「私は……そもそもそんなに寝てないから……。」デコードが言いました。「分からない。」

「私も……。」エンコードが言いました。

「パワコは……?」トランスコードが言いました。

「私は……そもそも夜に寝ないからどっちが良いのか比べられない。」パワーコードが言いました。

「まあ、それもそっか。」トランスコードが言いました。

「そりゃそうでしょ。」パワーコードが言いました。

「不眠症って言えばさ、昨日雷スゴくなかった?寝てる途中で目が覚めちゃったよ。」トランスコードが言いました。

「ああ。確かにスゴかったかも……。」パワーコードが言いました。

「二人は……?」トランスコードが言いました。

「雷……?」エンコードが言いました。「鳴ってた?」

「鳴ってた鳴ってた、スゴいくらい。」トランスコードが言いました。「もしかして気付かなかった……?」

「うん。」エンコードが言いました。

「デコは……?」パワーコードが言いました。「気付かなかった?」

「私も……。」デコードが言いました。「寝る時は耳栓してるから……。」

「そっか。」パワーコードが言いました。

「耳栓……?アレってそんな効果あんの?」トランスコードが言いました。

「うん。まあ……。」デコードが言いました。「モノにもよるだろうけど……。」

「そっか。」トランスコードが言いました。「ボクも今度使ってみようかな?」

「良いと思う。」デコードが言いました。

「それにしても、昼間は騒がしいこの町も、この時間だと静かね。」パワーコードが言いました。

「この辺りのお店は殆ど閉まってるから……。」エンコードが言いました。

「たまには歓楽街に行ってみる?」トランスコードが言いました。

「行ってどうするの?」パワーコードが言いました。

「いや……。」トランスコードが言いました。「何となく……?」

「人混みは苦手……。」エンコードが言いました。

「移動しなくても異変が起これば察知出来るし……。」デコードが言いました。

「まあ、そうだよね。」トランスコードが言いました。


 とある通りに暗黒魔族“ゴルファー・デーモン”が姿を現しました。

「ハッハッハッ!人間共、この俺様の力の前にひれ伏すが良い!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「まずはこのクラブを使って……。」そう言ってゴルファー・デーモンがドライバーを構えました。

「ん……?」ゴルファー・デーモンが言いました。「人間共の姿が見えないぞ。人間共はどこにいる?」

 そこへ植物のような容姿を持つ妖精“リーフ”がやって来ました。

「人間達なら寝ているよ。」リーフが言いました。

「これはこれはご親切に……妖精さん。どこの誰かは知らないが……。」ゴルファー・デーモンが言いました。

「どういたしまして。」リーフが言いました。

「ところで、人間が寝てるとはどういうことだ?」ゴルファー・デーモンが言いました。

「言葉通りの意味だよ。大抵の人間はこの時間帯には眠っている。起きているのは夜勤か酒飲みくらいのものさ。」リーフが言いました。

「それはおかしい。SNSを見てみると、この時間帯でも人間共は活発ではないか。」ゴルファー・デーモンが言いました。

「こんな時間にSNSに書き込みをしている人間なんて殆どは引きこもりのレイトブルーマー達だよ。そういうヤツらは外には出ない。」リーフが言いました。

「そうだったのか。」ゴルファー・デーモンが言いました。

「この通りが賑やかなのは、精々二十二時くらいまでさ。」リーフが言いました。

「なるほど。」ゴルファー・デーモンが言いました。「つまり俺様は……。」

「タイミングを逃したってことさ!」リーフが言いました。

「オー・マイ・デーモン!」ゴルファー・デーモンが言いました。「まさかこの俺様がタイミングを逃してしまうとは……。」


「それにしても静か過ぎない?」トランスコードが言いました。

「良いことだと思う。」エンコードが言いました。

「でも……。」トランスコードが言いました。

「確かに、毎日何も起こらなさ過ぎて仕事としてはどうなのかと思うけど……。」パワーコードが言いました。

「昼間は割と異変が起きているらしいけど……。」デコードが言いました。「この時間帯は起こりにくいのかも……。」

「ボク達ひょっとしてさ……?」トランスコードが言いました。「タイミングを逃してる?」

「タイミング……?」エンコードが言いました。

「確かに、そうとも言えるかも知れない。」デコードが言いました。

「ソレってサイアクじゃない?」トランスコードが言いました。「タイミングを逃すとか……。」

「まあ……。」パワーコードが言いました。「確かに……?」

 そこへゴルファー・デーモンが姿を現しました。

「どれどれ。現在時刻をしっかりと確認したくてついつい時計塔の上までやって来てしまった。」ゴルファー・デーモンが言いました。「ここだと近過ぎて逆に見辛い。」

「デ……デーモン……!?」トランスコードが言いました。

「闇の存在だ。」デコードが言いました。

「異変は察知出来るんじゃ無かったの?」エンコードが言いました。

「うーん……。」デコードが言いました。「まだシステムに不備があるのかも……。」

「そもそもシステムを完成させたのってエンコだったんじゃ……?」パワーコードが言いました。

「改良はしたけど、完成させたつもりは無い。」エンコードが言いました。「てっきり完成させたのかと……。」

「ゴメン……。」デコードが言いました。

「お取込み中失礼。」ゴルファー・デーモンが言いました。「お前達、人間だな?」

「そうだけど……?」パワーコードが言いました。

「そう言うお前は悪魔だな!?」トランスコードが言いました。

「聞かれた以上答えねばなるまい。俺様の名は暗黒魔族ゴルファー・デーモンだ!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「ゴルファー・デーモン……?」デコードが言いました。

「いかにも!闇のゴルフで人間共を撃ち滅ぼしにやって来た!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「闇のゴルフ……!?」パワーコードが言いました。

「イエス!負けた者は命を落とす闇のゴルフだ!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「そんな……!」トランスコードが言いました。「ゴルフで人が死ぬなんて……!」

「それが闇の力……?」デコードが言いました。

「人間共が活動しているタイミングを逃してしまい落ち込んだが、まさか二十五時にこんな場所で活動している人間がいたとはな!」ゴルファー・デーモンが言いました。「ラッキー!」

「どうする!?」トランスコードが言いました。

「どうするって……!」パワーコードが言いました。

「とりあえず変身じゃない?」エンコードが言いました。

「任務を始めよう!」デコードが言いました。

「任務……?」ゴルファー・デーモンが言いました。

「変身!」四人が変身しました。

「まさか……!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「そうさ!」トランスコードが言いました。「ボク達はこの世界の平和を守る魔法少女だ!」

「オーッ!ただのレイトブルーマーだと思っていたら……!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「失礼な!」パワーコードが言いました。

「実際のところそこまで成果は挙げてないけど……。」エンコードが言いました。

「まあ……。」デコードが言いました。

「なるほど。つまりお前達は魔法少女ではあるが、平和を守っていると言っているだけの実質レイトブルーマーということか!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「違うって……!」トランスコードが言いました。

「私達は……!」パワーコードが言いました。

「私達のことについてはあまり話さな方が良いと思う。」エンコードが言いました。

「むう……。」パワーコードが言いました。

「やはりお前達はレイトブルーマーということだな。」ゴルファー・デーモンが言いました。「SNSはしなくて良いのか?」

「なんかコイツムカつく……。」トランスコードが言いました。

「闇の存在ってもっとこう……大悪党なんじゃないの?」パワーコードが言いました。

「闇の存在にもあるんじゃない、多様性が?」エンコードが言いました。

「あるんだと思う、多様性。」デコードが言いました。

「時代の流れのせい……?」トランスコードが言いました。

「つまりはタイミングだな!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「言う程重視されてないと思う、多様性。」エンコードが言いました。

「ボクもソレ感じる。」トランスコードが言いました。

「じゃあつまり……?」パワーコードが言いました。

「タイミングを逃しているということか!」ゴルファー・デーモンが言いました。「ガーン!」

「それはそれとして、やるの……?」デコードが言いました。「闇のゴルフ……?」

「そうだったそうだった!闇のゴルフだ!モチロンやるとも!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「ルールは普通のゴルフと同じなの?」エンコードが言いました。

「いいや違う!今回行う闇のゴルフでは一度でも空振りをしてしまったら即敗北となってしまうデスルールが適用される!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「空振りで敗北……!?」トランスコードが言いました。

「でも、変な方向に飛ぶことはあっても、外すことって稀じゃない?」パワーコードが言いました。

「ところがどっこい、今回使用するボールはコレだ!」そう言ってゴルファー・デーモンが闇のゴルフボールを取り出しました。

「このボールはランダムに消えたり現れたりを繰り返す闇のボールなのだ!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「闇のボール……。」デコードが言いました。

「じゃあまずは俺様から……。」そう言ってゴルファー・デーモンがドライバーを構えました。

「必殺、ゴルファー・フレイム!」ゴルファー・デーモンがそのドライバーを振りました。

 その瞬間、その闇のゴルフボールが消滅しました。

「しまった!タイミングを逃してしまった!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「見事な空振り……。」パワーコードが言いました。

「と言うことは……?」トランスコードが言いました。

「オー・ノー!俺様の負けだ!」ゴルファー・デーモンが言いました。

「ウアアアアアアアッ……!」ゴルファー・デーモンが消滅しました。

「な……何コレ……?」トランスコードが言いました。

「とりあえず、平和は守られた。」エンコードが言いました。


 おわり

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