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終わりと始まり
「もう少し世界を眺めていたかった。」
そんなことを思いながら、意識を手放すと突然あたまの中に声が響いた。
「よろしい、その願い叶えてあげましょう。」
まるで、天使のように優しく、悪魔のように楽し気な声だった。
声がした鵬に意識を向けると24、5くらいの透き通るような白い肌と真っ黒な長髪の女性が佇んでいた。
「普通は、そのくらい生きれば、人界の欲にまみれるか、飽きるものなのだけれど・・・・」
そんなことをしゃべるのを、よくアイドルの形容に透明感のあるとか言うけれど、こんな感じかなと余計なことをぼんやりと考えていたら「ひとの話はよく聞きなさい、」とキレ気味にはいってきた。
「貴方には、私の世界にいってもらいます。希望の通りの人生を延長させてあげる。」そんなに怒らなくてもと考えているうちに「じゃあ、自由に生きてよあから、よろしくね~」と笑顔を向けられたところで、優しいけれども強烈な光に教われ、意識を手放した。
再び覚醒するとそこには、辺り一面の麦畑が広がっていた。こんな感じで僕のオマケ人生は始まった。